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予定の決定、そして予感

あれから数日、関係が変わったからと言って接し方が変わるかといえばまた別な話である。そもそも食事に誘ったりもよくしていのであまり変わっていないと言ってもいいだろう。親交を深めるためミナを俺の借りている部屋に呼んでみんなで話をしていたところだ。

話を聞いているうちに新しい問題が発生してしまったので少々頭を悩ませていたところでもある。


「ってことはミナは受付嬢はやめるのか」

「明日が最後の出勤になりますね。私としてもこの仕事は気に入っていたのですが……レンさん達と過ごすのも楽しそうなので期待していますよ」


彼女の当初の目的であるお告げの相手と出会うことはできたので王家としては王女をこのような街で平民のように働かせるわけにもいかないのだろう。既にギルドマスターのも王様からの命令が出ているらしい。一度も見たことがないがギルドマスターなんて名前なのに王様にこき使われて中間管理職のような扱いなのかもしれない。

王様として自分の愛娘を冒険者なんて身元不明な奴のところに放り込むのは個人的にはどうかと思うが俺は何も損をしないのでいいとしよう。


「マスター。これからギルドカードはどう誤魔化す?」


そう、コレットの言っていることが一番の問題だったりする。実は今までミナがずっと俺たちの活動記録を現実味のあるものに変えてくれていたらしい。レベルの上がり方もアイシャの特殊スキルのおかげで異常なのだ。

俺が少し頭を悩ませているとアイシャが提案をしてくる。


「何をそんなに悩んでるの?全員が【偽装】をとればいいだけじゃない」


確かにその通りなのだが【偽装】のスキルはやたらスキルポイントを食うのだ。俺とアイシャ、そしてミナは既に標準装備なのだがコレットはただでさえ生産系のスキルにポイントを割いているのにそんなところにまでポイントを使いたくない。

そういえばミナの【お忍び】はユニークスキルじゃないが王家に伝わるとか書いてあったな。どういうことだろうかと思い尋ねてみると答えはあっさりしていた。


「あれは王家にある巻物を読めばスキル欄に現れるんですよ。スキル習得の一覧には条件を満たさないと現れないタイプのものですね、習得にはスキルポイント10と【偽装】より何故か安上がりです」


なるほど、つまり半分なら5で済むわけだ。レベルが上がるたびに貰えるのが2倍になっているので10、相変わらずのチートスペックだな勇者スキル。折角だしこの場でミナにもつけておくべきだろうか。ただ問題はミナがどうも創造神を崇拝していることにある。

前に俺がワイバーン狩りをしに出かけた時創造神に祈りをささげていたからな。その創造神がもう存在しないなんて知ると少しショックかもしれない。


「どうする気なの?正体は誤魔化して能力だけ変えられることを教えてもいいんじゃないかしら」


同じことを思っていたアイシャから提案がある。確かに一緒に行動するうえでそれでも問題ないのだがなんとなく将来の伴侶候補に嘘は付きたくないという気持ちもあるわけだ。


「あーミナ。話しがあるんだが」

「どうしました?」

「俺の秘密についてなんだが」


俺が言おうとしたその時彼女はこの中で一番幼いとは思えない表情を浮かべて俺の口に指をあてる。


「それを話す前に1つ私と契約をしましょう。私がこの秘密に関して口外できなくなるように」

「あーいいのか?」

「レンさんは少し人を信じすぎる気がします。騙されやすいと言いますか安易に人を信頼してはいけません」


相手の方から言ってくれるのならと契約を交わす。その後俺は簡潔に正体やスキルについての説明をミナに行うと流石に驚いたようだ。


「まさか創造神様が人間に転生していたなんて……」

「とはいってもステータスだけ引き継いだだけだがな」

「そのステータスが問題なんでしょご主人様」


全く持ってその通りである。何も言い返せない。とりあえず勇者スキルが格安高性能なのでサクッとミナにも習得させる、勇者の秘密についてはミナも元々知っていたようであまり驚いていなかったがそれを自分のものにできると話は別らしい。


「それにしてもユニークスキルなども後天的につけられるなんて別次元ですね」

「まあ、人によってつけやすさが違うんだけどな」


どっかのエルフは幸運をあげようとすれば異様なポイントを持っていかれるし。


「なんで私のことをかわいそうだな、みたいな目で見てくるの。運くらい許容範囲……よね」


結構敵の撃破を任せているのにアイテムが落ちているのを見たことがない。幸運Fだとみんなこうなのだろうか。ただやはり気にしていたのか少し涙目になったアイシャ、今後は長所をきっちり伸ばしていくから泣かないでほしい、悪かった、悪かったよ!とりあえず謝罪をしてアイシャを落ち着かせることに成功した。

それにしてもミナも思ったほど創造神という部分に過剰な反応を示さなくて助かった。明後日からはミナもパーティーとして行動することになり今回はお開きとなった。

彼女が加入するなら俺も本格的に剣士となる方がいいのだろうが家ができるまで剣はお預けである。しばらくは弓、槌、魔法2というバランスの悪そうなメンバーになるが我慢しよう。

後は明日のギルド退職イベントを無事完遂するだけだが何かが起きそうな気がしてならない。

彼女は流石王女だけあって俺の主観だがあのギルドの受付嬢でも最上位の可愛さだ。この世界の結婚適齢期範囲内なので狙っていた人も多い可能性がある。そんなミナが次の日から冒険者として俺たちと行動を共にしていたら奴隷ハーレムのレンさんなんてふざけたあだ名が悪化しかねない。

そんなことも思ったがなるようになるしかあるまい、そう思い明日が平和でありますようにと天に祈りをささげた。

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