↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令息のほしいものリスト  作者: ボアの本棚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/69

66話 100年後



『アロア第二王女が怪我をした!』


あの子供は、確かにそう口にした。


彼らは、百年前に行方不明となっていた王女と、その友人たちだ。


鑑定の結果も出ている。


間違いない。


なぜ今になって、私の部屋の本棚から姿を現したのか。


なぜ、百年の時を経ても年を取っていないのか。


そして、これまでどこを彷徨っていたのか。


いまだ、何一つ分かっていない。


今後のことを考えれば、王女の帰還を手放しで喜ぶことはできないが、王女が生きていたことを心から嬉しく思う。


それでも、王太子としては、この不可思議な出来事を無視するわけにはいかない。


……それが、ひどく心苦しかった。


◇◇◇


目が覚めると、知ってる天井だった。


いつの間にか、家に帰ってきたみたいだ。


ベッドから体を起こす。


横を見ると、クロエが椅子に座って寝ていた。


起こしたら怒るだろうな……。


「夜に出歩くなんて!」


って。


でも、俺が悪いからなぁ……。


俺はクロエの肩をゆっくり揺らした。


「ん……」


クロエが目を開ける。


「………」


「ごめん、クロエ。勝手に夜に外に出てごめん」


クロエは何も言わない。


俺はベッドの上でしゃがんで、頭を下げた。


「お」


お?


「おかーさーん!!」


「!?」


クロエはそう叫ぶと、部屋から走って出ていった。


そして、すぐにたくさんの人が部屋に入ってきた。


知らない執事が、ベッドのそばまで来る。


「ノア様、お目覚めになられましたか」


「え、うん……」


「お加減はいかがですか。頭痛や吐き気などはございませんか?」


「大丈夫……」


「事情をお聞きしたいところではございますが、まずはお身体の確認をいたしましょう」


執事はそう言って、メイドに何か指示をした。


それから、みんなに言った。


「皆、落ち着きなさい。ノア様がお目覚めになったことを旦那様と奥様へ伝えなさい」


みんながバタバタと動き出した。


おばさまのメイドもやってきた。


汗をかいていないか見たり、布団を直したり、水を持ってきたりしてくれた。


「クロエは?」


すると、おばさまのメイドが言った。


「ノア様、申し訳ございません。あれはスフィーと申しまして、私の娘でございます。そしてクロエは、私の曾祖母でございます」


「ん? どういうこと?」


俺は、他のメイドたちと並んで立っているクロエを指差した。


「クロエ、そこにいるよな?」


クロエは困った顔をしている。


執事が頭を下げた。


「ノア様、詳しくは、現ドルツ公爵のお話をお聞きください」


現ドルツ公爵?


「あ! そうだ!」


「お父様は!?セレスお兄様とリアムお兄様は!?」


「帰って来ちゃったんじゃないの!? 俺たち、いなくなっちゃったから!」


「それは……」


クロエのお母様が、執事にこっそり耳打ちをした。


すると執事が俺を見る。


「ノア様。現ドルツ公爵ご一家が揃われました。お着替えいたしましょう」


「うん」


服を見て、俺はびっくりした。


服が簡単になってる。


シャツを着て、ズボンを履くだけだ。


昨日までは、あれを着て、これを着てって、いっぱいあったのに。


着替えが終わったら、お父様たちとご挨拶だ。


広間にいるらしい。


クロエが俺の手を引いて歩いている。


「クロエ、やっぱりお父様たち怒ってる?」


クロエは答えない。


「クロエも怒られた?」


「……」


「ごめんな」


クロエは困った顔をしていた。


それにしても、行き違う使用人たちは、みんな知らない人ばかりだ。


「クロエ、知らない人ばかりいるけど、いつものメイドたちはどこに行ったんだ?」


「申し訳ございません。ノア様……」


クロエは、さっきから「申し訳ございません」しか言わない。


なんでだろう?


部屋の前についた。


覚悟を決めろ!


俺は悪いことをしたんだから。


怒られるのは当たり前だ!


執事がドアを開けてくれる。


中にいたのは。


会ったこともない、見たこともない人たちだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。