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悪役令息のほしいものリスト  作者: ボアの本棚


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58話 夏の大舞踏会


夏のある日。


王都で大舞踏会が開かれた。


王城の大きな広間には、貴族の人たちがいっぱい集まっていた。


天井には大きなシャンデリアがあって、たくさんの蝋燭がキラキラしている。


壁には白い薔薇や青い花がいっぱい飾られていた。


大きな窓も開いていて、夏の夜の風が入ってくる。


「わぁ……!」


俺は思わず声を出した。


すごい。


いつもの王城とは全然違う。


床もピカピカで、俺の顔が映りそうなくらいだった。


広間の端には、料理がいっぱい並んでいる。


肉。


魚。


パン。


チーズ。


野菜。


果物。


ケーキやタルトもある。


冷たい果物の飲み物もいっぱいあった。


「ノア様、あまり食べすぎてはいけませんよ」


アロアに言われる。


「まだ一個しか食べてないよ!」


「その一個が、とても大きいのですよ」


「……おいしかったから」


俺はもう一つケーキを見つけた。


でも、アロアに見つかった。


「ダメです」


「えー……」


大きな音楽が始まった。


楽器を持った人たちが、綺麗な音を出している。


すると、広間の真ん中に男の人と女の人が出てきた。


二人が手をつないで踊り始める。


くるっ。


くるくるっ。


ドレスがふわっと広がる。


「すごい……」


みんな、とても上手だ。


足を踏まない。


ぶつからない。


音楽にもぴったり合っている。


俺にはできそうにない。


その中でも、一番目立っていたのはリオ王子とジーナお姉様だった。


リオ王子がジーナお姉様の手を取る。


二人がゆっくり歩く。


そして、くるっ。


ジーナお姉様のドレスがふわっと広がった。


「綺麗……」


二人ともニコニコしている。


踊っているというより、二人で遊んでいるみたいに見えた。


最後に二人がお辞儀をすると、みんながパチパチ拍手した。


次はセレスお兄様とリオーネ王女だ。


リオーネ王女はとても楽しそう。


セレスお兄様が手を出すと、リオーネ王女がくるっと回る。


「すごい!」


「セレス様、速く!」


「王女、少し速すぎませんか?」


「ふふっ!」


二人とも笑っている。


俺も見ていて楽しくなった。


セレスお兄様って、あんなに踊るのが上手だったんだ。


そして、リアムお兄様とレティス伯爵令嬢。


二人はさっきの二組より、ちょっと静かだった。


リアムお兄様がレティス伯爵令嬢の手を取る。


二人とも少し緊張している。


「大丈夫ですよ」


リアムお兄様が何か言う。


レティス伯爵令嬢が小さく笑った。


そのあと、二人はゆっくり踊り始めた。


レティス伯爵令嬢が少し足を間違えそうになる。


でもリアムお兄様がすぐに支えた。


「ありがとうございます……」


「お気になさらず」


二人とも少し顔が赤い。


「……なんか、二人とも恥ずかしそう」


俺が言うと、アロアが笑った。


「そうですね」


大舞踏会って、いろんな人がいる。


楽しそうに踊る人。


緊張している人。


お話をしている人。


美味しい料理を食べている人。


俺たちみたいに、端っこで見ている子供もいる。


俺はもう一度、踊っているみんなを見る。


キラキラしたシャンデリア。


綺麗なドレス。


大きな音楽。


いっぱいの料理。


「大舞踏会って、すごいなぁ……」


俺はそう思った。


でも、ずっと見ていたら。


「俺も踊ってみたい!」


「ノア様はまだ見学ですよ」


「えー!」


俺もいつかはお兄様達みたいに踊る火がくるのかな。




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