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悪役令息のほしいものリスト  作者: ボアの本棚


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25/69

25話 あれから3ヶ月



冬至祭から、三ヶ月がたった。


俺たちの種は、毎日ちゃんと大きくなっている。


最初は土からちょこんと芽が出ているだけだった。


それが今では――。


「わあ!」


俺は温室の中に入って木を眺めた。


「大きくなった!」


三ヶ月前は小さかったのに、今では俺の胸くらいまで大きくなっている。


葉っぱもいっぱいだ。


「ノア様、触るときは優しくですよ」


庭師のおじさんが教えてくれる。


「うん!」


俺は葉っぱをそっと触った。


つるつるしていて、ちょっとひんやりしている。


まだ果物はなっていない。


「いつ実がなるの?」


「もう少し先でしょうな」


「あと何日?」


「それは……木に聞いてみないと分かりませんな」


「木に聞いても喋らないよ?」


「ははは。そうですな」


◇◇◇


みんなの木も見せてもらった。


アロアの木は、葉っぱの先が少し赤い。


温室の中も、ほかより暖かい。


「火の力があるからだそうです」


アロアが教えてくれた。


「触っていい?」


「いいですよ」


「わっ! あったかい!」


葉っぱがほんのり温かかった。


「すごい!」


クライヴの木は、葉っぱが大きくて、葉っぱの上に小さな水滴がいっぱいついている。


「雨が降ってないのに水がある!」


「水属性だからですかね?」


クライヴが嬉しそうに笑った。


レオンの木は、葉っぱがキラキラしている。


太陽の光が当たると、葉っぱの中に小さな光がいっぱい見える。


「星みたい!」


レオンが嬉しそうに言った。


ローザの木は、葉っぱが濃い緑色で、とても元気だ。


根っこが土の中で大きくなっているらしく、鉢も少しずつ大きなものに替えてもらっている。


そして俺の木。


三日月の種から出た木は、五本の中で一番葉っぱが大きかった。


葉っぱは緑色だけど、よく見ると白い線が入っている。


夜になると、ほんのり光るらしい。


「きれい……」


俺は木を眺めた。


「ロア、見てるかな?」


「きっと見ていますよ」


アロアが笑った。


「そうかな?」


「ええ」


俺は木の幹をそっと撫でた。


「ロア、元気だよ」


もちろん返事はない。


でも、葉っぱが風もないのに、ふるふるっと揺れた。


「……今、動いた?」


「気のせいじゃないですか?」


「そうかな?」


俺はもう一度、木を見る。


やっぱり動いていない。


「まあいいや」


まだ実はない。


でも、ちゃんと大きくなっている。


あと三ヶ月したら、もっと大きくなるかな?


そのころには果物ができるかな?


「早く実がならないかなー!」


俺は木を見ながら、毎日そう思っている。




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