23話 やっぱり柿かな?
「みんな、鑑定が終わったぞ」
王様が言った。
俺たちは、みんなで王様を見る。
「ほんとうに、どんな木になるか分かったんですか?」
アロアが聞いた。
「うむ。五つとも、果物がなる木だそうだ」
「やった!」
レオンがぴょんぴょん跳ねた。
「それぞれ違う力を持った、とても珍しい果物がなるらしい」
「どんな果物ですか?」
俺が聞く。
王様はちょっと困った顔をした。
「それは……実がなってからのお楽しみだ」
「えー!」
どんな果物なのか、教えてほしい。
「だが、どんな力を持つ果物なのかは分かっている」
「ほんと!?」
王様が一人ずつ教えてくれた。
「アロアのダイヤの種は、火の力を持った果物がなる。魔法を使う者の力を、とても強くしてくれるそうだ」
「すごい!」
アロアが目をキラキラさせる。
「クライヴのドロップの種は、水の力を持った果物だ。食べると体が強くなる」
「僕、強くなりたいです!」
クライヴが嬉しそうに言った。
「レオンの星の種は、光の力を持った果物がなる。悪い呪いや、怖い魔法から守ってくれるそうだ」
「呪いから守ってくれるんですか?」
レオンが自分の鉢を見る。
「うむ」
「じゃあ、呪いをかけられても大丈夫なんですね!」
「そういうことだ」
「すごい!」
レオンが嬉しそうに笑った。
「ローザのハートの種は、大地の力を持った果物だ。毒や痺れ、それからとても危険な攻撃から体を守ってくれる」
「まあ……素敵ですわ」
ローザも嬉しそうに笑う。
そして最後に、王様が俺を見る。
「ノアの三日月の種は、聖なる力を持った果物がなる」
「聖なる力?」
「病気や怪我を治してくれる、とてもすごい果物だそうだ」
「じゃあ!」
俺は思わず身を乗り出した。
「それを食べれば病気の人を助けられるんですか?」
「そうだな」
王様が笑った。
「だから、大切に育てなさい」
「はい!」
俺は自分の鉢を見る。
ロアがくれた大切な種。
ロアが「さようなら」ってくれた種だ。
これで病気の人や、怪我をした人を助けられる。
「絶対に枯らさない!」
俺はぎゅっと拳を握った。
「みんなで大事に育てような!」
「うん!」
みんなも元気に返事をした。
すると、王様が言った。
「そのために、お前たち専用の温室を作ることにした」
「温室!?」
みんながびっくりする。
「うむ。それぞれの種が元気に育つように、火、水、光、大地、聖の力に合わせた特別な温室を作る」
「毎日見に行ってもいいですか!?」
俺が聞く。
「もちろんだ」
「やったー!」
みんなで喜んだ。
温室ってどんなところなんだろう?
大きな屋根があるのかな?
木がいっぱい並ぶのかな?
どんな実がなるんだろう?
りんごかな?
ぶどうかな?
やっぱり柿かな?
それとも、今まで見たこともない果物かな?
早く大きくならないかな。
俺は鉢をじーっと見ながら、わくわくしていた。




