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バアバと孫の異世界転移 ーーーそしてバアバの新たなる人生ーーー  作者: 田舎娘
プロローグ

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3/11

  3 冒険者登録

 マックスに保護され治安の良い東区の孤児院に落ち着いたはずなのに、なぜか一ヶ月後、バーバラとカナは孤児院を出て併設されている教会の隅っこで見つからないように寝ている。

 なぜ???



 初めの数日は良かった。みんな親切に教えてくれ問題はなかったのだ。そろそろバーバラも仕事の分担をとなったのだが、カナが離れない。バーバラもカナが心配ゆえに仕事がはかどらない。院長もシスターたちも事情(親に捨てられた)を知っているので強く言えないが、ここの子供たちは皆似たような事情を抱えている。


 そこでバーバラは教会の荒れていた庭の草むしりを願い出た。庭は結構広く遊び場や畑となっているが、まだまだ広い。有効できていない場所をカナと二人で新しく畑にするなり果樹園にするなりするのだ。院長も、もう少し慣れるまで様子を見ることにして了承してくれた。


 バーバラとカナは二人で楽しく草むしりをする。だが、カナは五歳だ。飽きてしまい、遊ぼうとバーバラを誘う。かくれんぼやら宝探しやらと、なんとか草むしりをしながら遊んでやっていた。それを孤児院のガキ大将が見てしまった。


 そこからが大変だった。

「あいつらは遊んでばかりで役に立っていない。孤児院のルールを守っていない。」

 大騒ぎだ。シスターたちが宥めて一応は収まったのだが、以後は敵認定された。顔を見るなり、

「畑なんだろ、早く収穫してこい。」

(草むしりの段階なんだから無理だろう。)


 夜になるとカナが必ずグズり出す。

「うるさい眠れない。」

(藁布団がチクチクして私だって眠れないんだよ。こちとら技術大国日本の出身なんだよ。)

 その他いろいろエトセトラ。そのうち他の子供たちもガキ大将に同調するようになってしまった。


(役に立てばいいのよね。)

 そう考えながらプチプチ草を毟っていると地球に似た草が多いことに気がついた。カナにも確認する。

「たんぽぽだあ~。」

 蒲公英って食用可能だったはず。この世界でも食べられるのかとじーっと見ていると、ポンと頭に浮かぶ。

 たんぽぽ どこにでもある植物 食用可

 三つ葉  ハーブ(薬草)   食用可


 私って鑑定能力あったっけ?でも蒲公英はたんぽぽだし、あっちの三つ葉に似た草は三つ葉だった。スキル発現だ。嬉しい。

 調子に乗って色々鑑定してみた。ドクダミもあった。トリカブトまである。

 ドクダミは湿布にもなるし効果はいっぱいある。この庭って宝の宝庫じゃん。


 それならと、料理当番時に意気揚々とタンポポや三つ葉をスープに入れた。

(これで役に立てるだろう。)

 そのスープを見てガキ大将が叫んだ。

「草が入ってる。こんなもの食べられるか。」

(草も食べられるんだよ。バカが。)

 と思ったが、他の子供達もスプーンを置いた。院長もシスターたちも同じだった。必死に食べられると訴えたが、誰も食べられる草など知らなかった。知識や常識が違うことを痛感した出来事だ。日本で言う春や秋の七草らしきものもいっぱい生えている。もったいないと思ったが料理に使えない。


 二人ともいつまで経っても役に立てず孤立してしまい、子供達のあたりも強くなってしまった。ますますカナはバーバラから離れず、バーバラもカナにつきっきりになった。二人でどっかに住めないかなあと思案するバーバラだった。



 そうだ冒険者になろう。思い立ったら吉日とばかりにシスターに一日お休みをもらった。あらかた草むしりは終わっていて、花壇のように食せる植物も植え替えた。あれだけのものをすべて抜いてしまうのは憚れたので、目立たないよう隅にある。いつか役に立ってくれれば良い。

 シスターはため息をつきながら、

「ずっと外へ出ていないものね。院長には伝えておきます。」



 東区の孤児院は北区寄りにあった。冒険者ギルドまではカナにはがんばって歩いてもらいギルドのドアを開けた。少しドキドキした。

 冒険者は十歳から見習いになれる。孤児が多い街だから自立できる手助けの意味があるらしい。バーバラだけならまだしもカナの手を繋いでトコトコとカウンターに向かう。

「子供が何だ。」

「親でも迎えに来たか。」

 あちこちでささやかれた。


 カウンターのお姉さんに、

「すみません。冒険者登録お願いします。」

「えっ、あなたは何歳?」

「十歳です。」

「見習い登録は銀貨五枚よ。持ってる?」

「はい。あります。」

「では質問します。この綺麗な石に手を置いて答えて、嘘をつくと登録できません。名前と年齢、出身地は?」

 出身地、ここは正直に。名前はバーバラでいいよね。

「バーバラ、十歳、日本です。」


「はい結構です。カードができるまで説明しますね。カードを失くした場合は再発行になります。一銀貨が必要です。ランクは10級からです。9級・8級と徐々に上がり1級になります。その上はS級になります。あなたは10級からです。」

「はい。」

「他にも色々あるけど、上の資料室に契約とか色々な資料があるから時間があったら読んでおいてください。字は読めますか。」

「はい。」

「わからないことは私たちに質問して大丈夫よ。私は、メアリーです。あと、これがあなたのカードです。失くさないようにね。これでクエストが受けられるようになりました。バーバラ、冒険者にようこそ。」

「はい。ありがとうございます。」


 クリルと回って冒険者の人にも、

「よろしくお願いします。」

 隣でカナも

「よろしくです。」

 さすが私の孫、みんなほっこりしている。定番のイチャモンはなかった。


こうして、バーバラは無事、冒険者になれた。なれたことにウキウキして、後のことに考えが及ばなかった。




読んでいただいて、ありがとうございます。

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