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バアバと孫の異世界転移 ーーーそしてバアバの新たなる人生ーーー  作者: 田舎娘
プロローグ

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2/9

  2 街は乗り物禁止

 マックスと孤児院に向かっている。

 マックスはカナに合わせて歩いてくれた。それだけでうれしかった。

 マックスは心苦しそうだったが、孤児院につく間にいろいろと聞かれた。街を守る側としては当然だ。だから、昨夜と同じに、

「カナは妹です。気がついたら二人であそこにいました。何が何だか分かりません。ここがどこだかも分かりません。ただ簡単に帰れないだろうことは分かります。ここはどこなのでしょうか。」


 逆に質問した。

「ここは、ワンジーグ王国で隣国との国境都市キョーだ。そのために兵士が多く駐屯している。バーバラ、もし家名があるのなら家に戻れるようにできると思うぞ。出身国はどこだ。」

「いえ、結構です。私たちの国は日本という国です。たぶんご存知ないと思います。日本は海に囲まれた国で、ほとんど鎖国状態です。ここに飛ばされたのも偶然だと思います。ただ二人でここで頑張らなければならないことは分かります。」

「そうか。だが、私はこれでも結構偉いんだ。もちろん強いぞ。何かあったら頼ると良い。私が二人をこの街に招待したのだからな。兵士たちにマックス隊長といえば取り次いでくれるだろう。これからの孤児院生活はキツイだろうが、頑張るんだぞ。院長達はきちんとした人達だから安心しろ。あと、これをお守りに持っていなさい。」


 マックス隊長に銀貨二枚を渡された。

「でも、街に入るときのお金も貸していただいて、更に頂けません。」

「身内もいない、知人もいない、さらにお金も無いと心細いだろう。まあ、私がいるがね。」

 その通りだ。遠慮しないことにした。

「ありがとうございます。出世払いでお返しします。」

 頭を下げるバーバラだ。カナもバーバラのまねをして頭を下げる。

「ありがとう。」

 かわいい。さすが私の孫だ。



 マックスによるとこの街は特産物はなく国の援助で経済が回っている。現在は戦争は無いけれど、ここは国境のため、監視塔をかねる関所も別にある。そのため兵士も多く、兵士のためのお店も多い。(花街のことだろうな)

 国境には森が多く、当然魔物や魔獣も多くなるので駐屯する兵士は削れない。



「動物と魔物や魔獣ってどう違うんだろう。」

 声にだしていたようだ。

「どうして魔物や魔獣が生まれてくるのか、今は解明されていない。ただ魔素を取り込んだ動物が魔物になり魔物から生まれたのが魔獣だと言われている。」


「魔人っているのですか。」

「人間はいくら魔素を取り込んでも人間だぞ。魔人⁉バーバラは面白い発想をするな。魔人かあ、聞いたことがないな。」

「動物が魔素を取り込んで魔物・魔獣なら、人が魔素を取り込んで魔法使い?人間は魔人?」

「あー、面白いな。そんな事を考えたことないな。でも人前では言うな。大変なことになりそうだ。」

 急にマックスの雰囲気が変わったしまった。

(調子に乗り過ぎた。用心、用心。)

 だから孤児院のことを聞いた。


 孤児院は五つ。東西南北と中央に一つずつある。

 中央は上級兵士の孤児が、北は一般兵士と冒険者の子。

 南は主に商業関係者で、東がそれ以外の平民の孤児だ。

 西はスラム街にありスラムの出身の人が経営していて他とはちょっと違うらしい。

 他四つは教会が経営している。だから古い住民たちはスラムを受け入れ難く援助も行き届いていない。

「孤児院にも階級や差別があるんですね。」

 マックスは苦笑いしている。

 また調子に乗り過ぎた?



 昨夜、街に入った門は西門でバーバラが泊めてもらったのは南門だ。

「東はこの街ができたときに作られた地区だ。東門は一番古いし王都に通じている。いわばこの街の正面玄関だ。冒険者ギルドがあるぞ。

 南門はなぜか商人専用になっている。まあ門前の広さが一番あるから馬車を止めるのに便利だから当然か。当然、商業ギルドがある。 

 北門は平常時は閉められている。緊急時に開けられるが、そんな事にならないよう祈ろう。また冒険者たちは申請すれば利用できる。畑の作業者はもちろん使用可能だ。

 西門はスラム中心だな。スラムの人たちは隣国からの移民が多い。ただ西区には鍛冶屋とかがある生産性のギルドがあるぞ。」


 この街は領主館(代官屋敷)を中心にお偉い人が屋敷を構え、それを囲むように円形に商店がある。この円形の商店の道に沿って外の道に商人の家が並ぶ、さらに円形の道があり、その外側が平民の家になる。

 中心から外側にだんだん貧しくなっていく。

 門の内側には畑がない。農業は北門と南門から東門に向かって行われている。街内に畑があると一夜にしてほったて小屋が建ち、スラム化するとか。異世界ってたくましい。だから門の外にも予備の壁があったのかと納得する。



 かなり歩いたが、まだ着かない。カナが疲れてきたのでバーバラが抱っこしようとしたらマックスが抱き上げてくれた。

「すまない。この街は馬車や一般人の馬の使用が禁止されている。緊急時に伝令や兵士が速やかに動けるように道を確保しているんだ。国境ならではならだな。ちなみに東門から西門まで歩いて3時間ぐらいだ。バーバラだったら4時間かかるかもな。そろそろ中央の広場に着くから一休みしよう。」

「はい。(疲れた巡回馬車があればいいのに)」


 マックスのおごりで広場でジュースを飲んだ。飲みながら、

「遠回りでも、便利だと思うんだよね。巡回馬車。」

 思っていたら、また声に出してしまったようだ。

「巡回馬車?」

「あ、ごめんなさい。余計なことを。」

「いや、聞かせて欲しい。」

「中央と一番離れた人通りの少ない道路を、一定方向に人を乗せて馬車を走らせ一周します。もちろん料金はいただきます。遠回りでも足の不自由な方や子供連れの人は一日に数回だけでも助かると思いました。」

「確かにな。バーバラは本当に面白い発想をするな。少し考えるか。」

(ああ、またやっちまった。あまり目立ちたくないのに、考えなしに口にしていた。自重だ。自重だ。)


 さらに一時間ぐらい歩いた。さすがに疲れた。カナはずっとマックスの腕の中だ。すごく助かった。



 やっと孤児院に着いた。休みたい。カナは元気だ。うらやましい。マックスが事前に私たちのことを頼んでくれたらしく、すんなり受け入れてくれてほっとした。

「バーバラです。妹のカナです。よろしくお願いします。」

「カナです。」

 カナも頭を下げる。なんていい子なんだろう。


「教会と孤児院の管理を任されている院長のフローラです。こちらはシスタービアンカです。ここはあなたたちのような子が七歳から15歳までの子がいます。仲良くしてください。」

「バーバラとカナは何歳ですか。あと得意なことはありますか。それによって仕事をしていただきます。」


 困った。カナは五歳だろうけど、バーバラは?正直に話そう。

「カナは五歳です。実は私は歳がはっきり分かりません。多分十歳前後かと思います。」

 三人とも驚いている。そうだよね。年が分からないなんてそうそういないだろう。

「そうですか。では簡単な鑑定を行います。ここは孤児院です。事情により年が分からない子は一定数いますから気にしないように。ただ、鑑定しても良いですか?」


 困った。鑑定するのは良いけど。地球人とか異世界人とか出たらどうしよう。でも断れないし、エーイ、女は度胸だ。


 結果は、カナは五歳、バーバラは十歳だった。まだまだ子供だ。57歳の翔子が出ないようにしないと。

      バーバラ           カナ

 レベル    1             1

 体力    100            50

 魔力    100            50

 スキル    ?             ?


 レベル・魔力・スキル。まんまゲームの世界みたいだ。ファンタジーだあ。でも現実だ、死んでもリセットできない。でも死んだら日本に帰れるかなあ、なんて考えてしまった。


 スキルはまだ年齢的に確定できる年ではないので不明だそうだ。ただバーバラはそろそろ発現するらしい。異世界人でも発現するのだろうか?でも、期待してしまう。体力・魔力は年相応よりちょっとあるらしい。とりあえず事情がばれずにホッとした。

 ちなみにマックスは20歳だって。20歳で隊長っていいとこのお坊ちゃま?


 鑑定の後、マックスは帰っていった。

「貴重なお時間をいただきありがとうございます。」

 って、ご挨拶したらシスターもマックスも驚いていた。なんで?


 今日は疲れただろうと孤児院の説明と子供たちへの自己紹介だけでゆっくりしてもよいといわれて、助かった。

 これから寝起きする部屋を見に行くと、ベッドが所狭しと並べてあった。隅の二つのベッドを使うように言われたのだが、カナが、ダダをこねだした。

「バアバと一緒に寝る~。」

 シスターにベッドを二つくっつけるのを認めてもらい、カナに納得してもらった。

「こうすれば一緒だね。」

「うん。」

 嬉しそうだ。


これから、ここでの生活が始まるんだ。




読んでいただいて、ありがとうございます。

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