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その時の会話で
俺は鍋島の近況を知った。
そいつは
鍋島の連絡先も
知っているようだったが
その時の俺は聞かなかった。
いくら
少年院時代に
仲が良かったとはいえ
鍋島の方は
俺と会いたいとは
思っていないだろう。
鍋島とは一生
会うことはないだろう!
と
ここ数年間
俺は思っていた。
しかし
誰か裏の世界に
顔の効く奴はいないか?
と
明宏に聞かれた時に
鍋島の顔が浮かんだ。
鍋島は夜逃げ屋を
裏の仕事にしているが
それに付随したサービスを
顔の広さでやっている。
そんなことも
俺は聞いていたからだ。
端的に言うと
鍋島の場合は
普通の夜逃げ屋でなく
オプションサービスや
アフターサービスとかも
行っているということだ。
たとえば
一時凌ぎだが
偽の免許証とか
住民票などを渡す。
架空名義の通帳の
飛ばし携帯の販売など。




