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505/551

505

明宏は、とても

華音(かのん)という

名前を気に入っている。


華やかな音。


そんな人生を

自分の娘さんに

親は望んで付けたんだろう。


鍋島が信頼する

裏業者が戸籍を

売るということは


明宏と同年齢の

その本物の華音さんは

もう亡くなっている。


どんな経緯で

亡くなったのかは

俺には、わからない。


ただ

彼女らの戸籍を

明宏が引き継いで


これからは

岩下華音として

生きていくことになる。


新たな岩下華音は今後

幸せな人生を送ってほしい。


明宏は俺に

数日前からは


華音!

呼ぶように

要求するようになった。


なので

俺は一応

そう呼ぶようにした。


しかし

俺は心の中では

今後も明宏であろう。


俺の方の新たな

戸籍も見つかった。


何かダサい

名前だったので

改名するかもしれない。


ただし

その戸籍の男は

俺と同年齢であるし

運転免許証もある。

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