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もちろん
その則夫の言葉は
真っ赤な嘘というか
口から出任せである。
神崎先輩?
やい!
則夫!
お前、ナメとるんか?
いくら
俺がバカでも
学習能力はあるんだ。
そう何度も何度も
お前の甘い言葉には
騙されるわけないだろ!
と
這いつくばる
則夫の顔に何度も
蹴りを入れてやった。
手錠、足錠で
拘束されている
則夫には防御もできない。
こいつの
口車に乗って
この一年以上の年月を
俺は棒に振ってしまったんだ。
そう思うと
憎しみが沸き上がってきた。
本来ならば
殺してやりたいが
それは絶対にできない。
殺してしまえば
警察に通報される。
そうなれば
もう俺と明宏は
逃げ切れなくなる。
いくら全国的な
暴力団であっても
その数は知れているし
逃げ切れるだろう。
しかし
警察となると
さすがに俺たちは
逃げ切れないはずだ。




