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その時だった。
将生兄貴!
金庫が開きました!
これから
キャリーケースに
金を入れますから!
と
明宏の弾んだ声が
前から聞こえてきた。
明宏!
慌てることはないぞ!
ゆっくりとやればいい!
と
俺は言ってやった。
朝までは
俺たちの持ち逃げは
発覚することはないし
焦る必要はない。
明宏の声を聞いて
俺たちは本気だと
則夫は感じたようだ。
俺は持ち逃げ前の
置き土産に計画の全てを
則夫に教えることにした。
組長室の金
組の口座の3億円
それと
金庫の3000万円も
もう全部、奪い取ったからな!
と
俺は則夫に
知らせてやった。
どうやら
催涙ガスの効果は
薄れてきたようだ。
則夫の目が開いて
俺に懇願するように
神崎先輩!
ここで止めとけば
親父に掛け合って
あんたを幹部にするから!
と
交換条件を出してきた。




