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則夫はヤクザの
組長の息子なのに
俺に素直に従っていた。
腰の低い
可愛い奴だと
当時の俺は則夫に
好感を抱いていた。
しかし
どうやら
その頃の則夫は裏の顔
猫を被っていただけだった。
自分の組に
俺を入れるために
則夫はペコペコして
画策していただけだ。
ここでの
則夫こそが
本来の姿であろう。
俺は則夫に
騙されて暴力団に
入ってしまったんだ。
組では
1日でも早く
組員になったものが
兄貴分となるんだ。
しかも
若の則夫は
組長の実子である。
それゆえ
弟分の立場の
俺は則夫には
絶対に逆らえない。
兄貴分が
白い物を黒と言ったら
弟分には黒となるからだ。
なので
俺は則夫に
殴られても蹴られても
無抵抗で耐えるしかない。
ケンカしたら
俺の方か則夫より
絶対に強いはずだ。
しかし
兄貴分には
暴力は振るえない。




