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後輩に騙された 1
おい!
神崎!
この掃除の
仕方は何だ!?
お前ヤル気あるんか!
部屋住みの
仕事をナメてるのか!
と
俺の顔面に数発の
ゲンコツが飛んできた。
あまりの痛さに
俺は踞ってしまう。
その背後から
容赦ない蹴りが
何度も浴びせられる。
どうやら
窓にホコリが
少し付いていたようだ。
いや!
わざと
こいつが今
自分でホコリを
付けたのかもしれない。
若!
もうその辺で
勘弁してやって下さい!
神崎には後で
自分が焼きを
入れておきますから!
と
俺より少し
年上の兄貴分が
若を必死に宥める。
常日頃から
若と呼ばれた男は
何かと因縁を付けて
俺に暴力を振るっている。
若というのは
ここ楠田組の
組長の息子であるからだ。
若という男
楠田則夫という
俺よりも一つ年下だ。
かつては
俺の中学の後輩で
ペコペコとしていた。




