106/166
106
そんなふうに
鍋島は思っているようだ。
なんなら
今からでも2人を
遠方に送ってやろうか?
逃がすだけならば
サービスでやってやるよ!
なにしろ
神崎には以前
世話になっていたからな!
いつか
恩を返したいと
思っていたんだよ!
と
鍋島は俺に
言ってくれた。
恩返し?
おそらく
俺が鍋島を
周りにいる荒くれ者から
守っていたことだろう。
鍋島というのは
少年院には珍しく
ケンカが苦手であった。
なので
失礼ながら
ケンカも弱かった。
鍋島は頭は切れるし
本ばかり読んでいた。
端的に言うと
少年院の中では
異質の存在だった。
こういう奴は
少年院の中では
周りにいる悪たちの
イジメの対象になる。
しかし
ケンカ自慢の俺と
仲良くしていたことで
鍋島はイジメられなかったんだ。
少年院に入る奴らは
みんなケンカ慣れしている。




