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それゆえ
悪の本能というか
相手を見ただけで
戦わずとも
ケンカが強いか弱いか
すぐに察知できるんだ。
それは
俺も自信がある。
おそらく
タイマンを張ったら
うちの組員の中では
俺に勝てる奴はいないだろう。
そんなわけで
少年院の中では
俺は一目も二目も
悪たちにも置かれていた。
その俺と行動を
共にしていたおかげで
鍋島は少年院を
無事に出所できた。
思えば
鍋島は俺よりも
少し先に出所した。
その時には
神崎!
今までありがとう!
いつか
どこかで会ったら
必ず恩返しするから!
と
鍋島は俺に
お礼を言っていた。
その時には
もう鍋島とは
会うことはないと
俺は思っていた。
たとえ
鍋島の居場所を
知ったとしても
俺は会いに行かない。
そう思って
今生の別れだなと
鍋島と別れたものだ。
しかし
何かの縁で
こうして再会した。




