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それでも
則夫は中学時代から
俺が組に入るまでは
いつもペコペコしていたこと。
しかし
部屋住みになったとたん
則夫は態度を急変させて
兄貴分として
俺に暴力を日常的に
振るうようになったこと。
その生活が
もう一年以上も続いて
限界になり逃げ出したいこと。
そんなことを
包み隠さずに全て
俺は鍋島に話した。
俺の話を聞き終えると
神崎!
お前って奴は
お人好しというか
相変わらず甘いな!
今の時代
暴力団に入っても
すぐにいい生活なんて
できるわけないだろ!
と
いかにも鍋島は
呆れるように言った。
その言葉に
俺は何も言い返せない。
その通りであるからだ。
則夫の甘言を
信じてしまったのは
俺の落ち度であった。
まあ俺は当時から
そんなお人好しな
お前が好きだけどな!
と
鍋島は呟いて
俺と明宏を見つめる。




