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さあ
次は神崎の近況を
聞かせてもらおうか!
と
自分のことを
話し終えたような
鍋島が俺に言った。
まず俺は
隣の明宏の顔を
チラッと見ることにした。
もう明宏の女装を
鍋島に話していいのか?
と
聞きたかったからだ。
しかし
明宏の表情から
もう少し後でという
希望であったようだ。
わかった!
と
俺は明宏に目で答える。
そして
俺は鍋島に詳しく
少年院を出てから
今に至るまでを話した。
少年院を出てから
保護司の紹介で入った
建設現場で二年ほど
真面目に働いていたこと。
しかし
一年と少し前に
中学の後輩の則夫に
言葉巧みに騙されて
暴力団に軽い気持ちで
入ってしまったこと。
そしたら
則夫の話とは全く違い
過酷な部屋住み生活が
俺には待っていたこと。
則夫は組長の実子で
組内では若と呼ばれる
幹部待遇であること。




