島をもらいました②
祖母の家から車で片道約1時間ほど行った港町にその島はあった。
「ママ、みてみて!うみ!!」
2歳の息子、縁は後部座席のチャイルドシートから窓の外を指差して嬉しそうにはしゃいでいる。
「懐かしいなーこのへん」
おばあちゃんが昔、服を買いに連れ出してくれたショッピングモールがさらに30分進んだ先にある。
車がないと難しいけど、まぁまぁ便利な街だ。
「ニャァ」
助手席に積んだ簡易的な高さ60cmのキャットゲージの1番上に登り、マリモが外に向かってひと鳴きした。
「島が見えてきたね〜」
偶然だろう、と気にも止めずに合わせて笑うとマリモは満足げにフンッと鼻を鳴らした。
うちの猫も息子も可愛い。
10分ほど車を走らせると、やっと島の入り口にたどり着いた。
娘を抱っこ紐に収納して、猫のリードを繋いで、さらに息子の手を握ってから
ようやく正面にきちんと向き合った。
「家…??屋敷よね、これ」
幅20Mほどある3階建ての、木とレンガの築100年くらいありそうな古びた屋敷。
半島の入り口は屋敷が完全に塞いでいて、外から島に渡ることは出来ない仕様だった。
(それより、こんなとこにこんな屋敷なんてあったっけ…)
国道から約五分ほどで到着したその屋敷は、国道からしっかり見えていた。
こんな古くて雰囲気のある屋敷なら、見たことを忘れないはずなのだが。
「ママ、おうち、入りたい!」
「ニャァ」
縁とマリモに引っ張られ、思考を終えてドアに鍵を差し込む。
「うわぁ〜!」
中に入ると、エントランスというのだろうか。
三階部分まで突き抜けた広間があった。
中央にはモダンな大きな階段。
縁の手を引かれて、屋敷の探検をしてみた。
一階には庭へ直通できるガレージ。車は3台ほど停められそうだった。あとは何もない広いスペース。
2階には、広いキッチンとお風呂場と居間らしきはたまた広いスペースがあった。
3階には、大きめの部屋が三つに、小さめの部屋が六つ。
この屋敷は私たち三人だけじゃ広すぎる。
光熱費も凄そう。
ただ、エアコンもついていないのに5月後半の暑さを全く感じなかった。不思議すぎる屋敷である。
「ママ!お庭!」
縁に引っ張られるまま、庭へ通じるドアを開けて外へ出てみた。
イメージ
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