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短いですよー
洞窟から出ると既に日が沈み始めていた。
この森では夜になるとエビルバットというコウモリみたいなモンスターとポイズンドッグという毒を持った犬が出るらしい。
どちらも今の俺じゃ手に負えないモンスターなので急いでエグベアに戻る事にする。
エビルバットとポイズンドッグの素材の中には武器に状態異常を付加させる為に必要になる素材があるので、これ位の時間からコボゴブの森は人が多くなってくる。
まぁ、それでも賑わっているとはいえない人数だけれど。
状態異常が付加出来ると言っても最下級のものなので、夜の森で狩りをするのは戦闘に慣れ始めた初心者から中級のプレイヤー達ということになる。
エビルバットもポイズンウルフも回避型のモンスターなので最初はかなり苦労するらしい。
まだレベルの低い俺にはまだまだ関係ない事だけどな。
俺は戦闘に巻き込まれないうちにそそくさと森を後にした。
・・・
エグベアに戻って最初にした事はNPCの店で素材を売ることだった。
生産プレイヤーに持ち込む事も考えたが、知り合いらしい知り合いなんてミルファしかいないし、ゴブリンとコボルとの素材なんてプレイヤーの方に持ち込んだとしてもNPCとそこまで変わらないと思ったからだ。
それでも売ってみると結構な金額になった。
やっぱり洞窟での戦闘は見入りがいいみたいだ。森で戦闘していた時はモンスターを探すのも一苦労だったからなぁ。
モンスターと簡単に出会える洞窟は慣れれば良い稼ぎになるだろう。
纏まったお金を手に入れた次は食事だ。
昨日と同じ漫画肉を食べたかったが、金銭的に余裕がないので露店でパンを買う。
そのパンを食べながら露店を見て回る事にした。
コッペパンうめー。贅沢を言うなら何か中に挟みたいけれども。
露店では回復薬とか携帯食糧を中心に買った。
武器は新しくしたばっかりだし、防具を買う程にはお金が溜まっていなかったからだ。
一通り露店を見て回った後は仲間を募集する人達が集まると言われている酒場に行ってみる事にする。
ログアウトの時間も迫っているので今回は覗くだけになるけど、雰囲気だけでも見ておきたい。
酒場は冒険者ギルドの裏手側にある平屋の店だった。
その名も【大熊亭】だ。レンガ作りの建物で、入口には大きな熊の置物が置いてある。ハッキリ言ってこの置物は邪魔だと思う。
大熊亭の扉を開けた途端に大きな歓声が耳に入る。
なにやら中は盛り上がっているみたいだ。
「おしゃあっ!行くぞお前ら!良く見とけぇっつ!」
「ぎゃははっ!そんなもん見たくないっつーの!別に止めないけどな!」
酒場には【装備がどこまで脱げるのか確かめ大会】という垂れ幕がぶら下がっており、酒場の中心にあるテーブルの上にはTシャツとパンツ一丁の男がポーズを取っている。
俺は扉を少し開けたまま固まってしまった。
テーブルの上の男はしばらくポーズを取っていたかと思うと徐にパンツに手を伸ばし――
【ブブー!ハラスメント行為が発生しました!ハラスメントプレイヤーは強制ログアウトされます!ハラスメント行為が発生しました!】
システム音と共にパンツを脱ごうとしていた男が消えた。
それと同時に酒場にいたプレイヤー達から「やっぱ駄目だったかー」とか「もうちょいだったけどな」とか言う落胆の声が聞こえてくる。
俺は誰にも気づかれないようにそっと扉を閉めて酒場を後にした。
ここの酒場では仲間集めをしないようにしよう。
俺はそう心に誓いログアウトした。




