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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
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「ルーレットはなかなか、稼げないぞ?」


「だからこそ、面白いんですよ。」


「確かにそうだな。遊ぶ気分で行くか。」


「そうですね。」


すると、そこにはランシェがいた。


「おう!練とレスティアじゃねぇか!!!」


ランシェも気がついたようだ。


「どうしてここにいるんだ?」


「ここは俺の特等席でな。それより、お前らが来るなんて珍しいな。」


「今日と明日は休みになったんだ。」


「良かったな。お前、全然休みがなかったもんな。」


「そうだな。少し、休めてもまるまる1日休めるのは初めてかもしれないな。」


「マジか…」


「それより、今日の調子はどうだ?」


「まぁまぁだな。一応な。」


「練様、ルーレットはやめて、あっちの方で休みましょう。」


「急にどうしたんだ?」


「練様はちゃんと休憩をするべきです。あともう少しで、私が連れ回してしまいそうでした。」


「ここにレスティアを誘ったのは俺だぞ?」


「そうですけど、あちらの方で休みますよ。」


「・・・わかった。」


おそらくは俺の体を心配してくれたのだろう。レスティアは途中から入ったから、俺が休息をそんなにとってないとは思わなかったのだろう。手を引かれて、近くにある休憩場まで、連れて行かれた。


「いらっしゃいませ。何名様ですか?」


「二人です。」


「では、テーブルへご案内します。」


テーブルまで行くと、店員はメニューを置いて、注文を取りに行った。ここで見てるとかなり忙しいようだ。


「練様は何にしますか?」


「俺は飲み物だけでいいぞ。」


「そうですか。では、コーヒーを二つにしましょう。」


レスティアはテーブルに置いてあるボタンを押した。これはニナが作った魔道具だ。押すと上の方まで、明るい線がですようになっている。カジノは全体的にオシャレなので、魔道具もどうにか、周りから浮かないようにしたのだ。それからこのカジノに来た商人達にこの魔道具を売ってくれとお願いされたが、ウィーン商会と既に契約を結んでいるので、断っているが、しつこくくる奴も多い。最悪なのは、盗もうとするやつまで現れた。一応、防犯もしっかりとしているので一度も盗まれたことはないが、これからも警戒をしなければならない。


「練様はもう少し、体に気を使いましょう。」


「無理をしてるつもりはないんだがな…」


「あなたから見れば、そうかもしれませんけど、私から見たら異常ですよ。」


「そんなにか?」


「はい。」


「なら、副官らしく、俺の予定を立ててくれ。」


初めは冗談で言ったんだが、レスティアは本気に受けとったらしい。


「わかりました。私が予定を立てます。その代わり、私の仕事はシンシアに多少、頼みます。練様が無理をしないようにしっかりと見張らせてもらいます。」


「マジか?」


「はい。」


「まぁ…一応、やってみてダメそうだったらまた考えればいいもんな。」


「はい。」


「お待たせしました。コーヒー二つです。」


店員が来て、コーヒーを二つ置いて行った。ここのコーヒーや食べ物の全てをウィーン商会から取り寄せている。ウィーン商会は俺らと出会ってから、全体の売上が数十倍になったそうだ。おそらく、リリィはウィーン商会の歴代で最高の実績を出しているだろう。創設者よりも凄いと言われ続けるだろう。


「このコーヒーは家で飲むのと変わりませんね。」


「それはそうだろ。同じ豆をつかってるんだから。」


「そうですね。」


「それより、本当にやるのか?」


「バカラの話ですか?」


「ああ…あれは正直、オススメしないぞ?金持ちが多くいるから、賭ける金額も大きい。その分、マジで賭けてる。だから、下手に負けると罵倒をされるぞ。」


「負けなければ良いのです。」


「負けてもらわないと困るんだけどな。店としては。」


「確率としては半々ですから、上手くやりますよ。」


「そうか…一応、後ろで見てるから、大丈夫だと思うが。」


「そういえば、相手は誰になるんでしょうか。」


「適当に決めるんじゃないか?」


「そうですね。」


それから数分後、支配人に呼ばれた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『皆さん、お待たせしました。本日は特設ステージを使って、イベントを行いたいと思います。初めはこちらが用意した方にバカラをやっていただきます。ルールは特別ルールで行います。バンカーとプレイヤーは交互に行います。バンカーとプレイヤーは勝った方は賭け金の額を払い戻されます。引き分けの場合はそのままです。それ以外の皆様は、いつも通りのバカラのルールなので、ご安心ください。バンカーとプレイヤーのルールはイカサマがないように作られたルールです。そして、バンカーかプレイヤーが賭け金を出せなくなった場合はお客さんの中から名乗り出てください。そうやって、次々と交代をして行きます。バンカーとプレイヤーの賭け金は最低額が銀貨一枚で最高額が銀板一枚です。賭け金の額はバンカーが決めてください。では、まずは一人目のバンカーとプレイヤーを紹介します。白コーナーにはレスティア・ツィツィー様です。』


オオオォォォォォー


やはり、聖女として有名だったので、ほとんどの人が知ってるようだ。


「では、行ってまいります。」


「ああ…楽しんでこいよ。」


「はい。」


『レスティア様はここのオーナーと結婚をしてるため、本日はイベントに参加をしていただきました。そして、黒コーナーにはランシェ様です!』


オオオォォォォォー


『ランシェ様の異名はカジノの姉貴です。彼女はここにほぼ、毎日通っていて、ここによく来てるお客様では知らないほど、有名なのです。では、これからゲームを始めます。』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(やはり、この上は緊張感が違いますね。初めは銀貨一枚にしましょうか。)


テーブルの上に銀貨を一枚、置いた。


「レスティアとこうして、何かをして競うのは初めてだな。」


「はい。普段はあまり、一緒ではないですからね。しょうがないです。」


ステージの上でレスティアとランシェは話していた。


『さて、レートはこちらの画面に出されます。』


「流石に賭けられた額は表示しないようだな。」


「はい。それはダメですよ。」


画面には%が書かれていた。初めはランシェに7割近く、賭けられていた。


「ここからは真剣勝負だから、負けないぞ。」


「望むところです。練様が見てるので、私は負けることができないのです。」


「あいかわらず、練のことが大好きだな。」


「はい。」


『それでは、店員の方、カードを配ってください。』


店員から二枚を受け取るとKと8だった。二人の後ろには店員がいる。イカサマをしないようにとカードの確認だ。


(私は自動的に勝負ですね。ランシェ様はどうでしょうか…)


『では、カードを公開してください。』


私はカードを見せて、ランシェ様のカードを見ました。するとAと3だった。なので、自動的に私の勝ちだ。


(まずは一勝、初めが肝心ですから、よかったです。)


「姉貴ー!頼みますよ!!!」


客から声援が飛ぶ。おそらくは慕ってる人とかがいるのだろう。


「わかってる。わかってる。まだ、始まったばかりじゃねぇか。」


(ランシェ様は賭け事に慣れてますね…褒められることではないてますけど…)


次はランシェがバンカーなので、賭け金を決めた。ランシェは銀貨一枚と銅板五枚をテーブルに置いた。


(ランシェ様は何も考えていないようで考えていて厄介ですね…)


これは銀貨一枚と銅板五枚を置いた理由は、前回の試合で銀貨一枚を取られたので、やはり取り返したくなるのが普通の人の思考で、賭け金をかなり高くしてしまうのだ。しかし、ランシェは銀貨一枚と銅板五枚を賭け金とした場合、勝ったら、前回、負けた分も取り返すことができ、さらに銀貨一枚分、勝つことができる。もし、負けた場合でも次のバンカーの時にまた、上手く調整をすれば、どうとでもなるのだ。ランシェは馬鹿のように見えて、自分の持ってるお金が多いので最終的に勝てる掛け方しか、しないのだ。もちろん、負ける時もあるが…


店員が、カードを二枚配った。


カードを見ると、Jと9だった。


(今日は運が良いのでしょうか…)


二人でカードを公開すると、ランシェ様はAと6だった。


「おいおい、強すぎじゃねぇ?」


流石にランシェ様もびっくりしている。合計で7というのも決して弱くないのだ。


「なんか、今日は運が良いですね。」


次は私がバンカーで賭け金を決めるのだ。


(既に銀貨二枚と銅板五枚、勝ってるけれど、落ち着いて賭けましょう。)


レスティアは銀貨二枚をテーブルに置いた。ランシェも賭け金をテーブルの上に置くと、カードが配られた。ステージと観客席には魔法障壁があるので、多少、見えにくくなっているが、観客が盛り上がってるのがよくわかる。


カードはAと4だった。流石にそこまで上手くはいかないようだ。


カードを公開すると、ランシェ様はKと9だった。自動的に私の負けになった。


「流石に、そこまでは流れがあるわけじゃないようだな。」


「賭け事に流れがあるとは思えないんですけどね。」


「流れはある…絶対にな。」


(私は信じませんけどね。)


ランシェ様は銀貨三枚をテーブルの上に置いた。だんだん、賭け金が大きくなって来た。最高額が銀板一枚とはいっても、一瞬で銀板がなくなると思うとかなりの額だ。


店員がカードを配った。私は5と6だった。カードを公開すると、ランシェ様はJと10だった。二人とももう一枚、引くことになった。私は9を引いてしまい、合計が20で一桁目が0になってしまった。ランシェ様は5を引いて、一桁目が6だったので、ランシェ様の勝ちだ。


(これで私は銀貨2枚と銅板五枚、負けています。)


私はバンカーなので、銀貨三枚をテーブルに置きました。ランシェ様もテーブルに置き、店員がカードを配りました。私は10と3でした。カードを公開するとランシェ様は5と6でした。ランシェ様はもう一枚、カードを引きました。すると、引いたカードは3でした。ランシェ様が引いたカードが8以外のため、もう一枚引きました。するとJでした。これでまた、私は負けました。


(なかなか、上手くいきませんね。確率的に私の勝ちがそろそろ来るはずなんですけどね。)


今、2勝3敗のため、確率的ににいうと次はレスティアが勝つのだ。


ランシェ様は銀貨一枚をテーブルに置いた。ランシェは既に勝っているので、無茶をしないようだ。私もテーブルに銀貨一枚を置いた。店員がカードを配りました。私のカードは5と4でした。


(このタイミングでコレですか…)


カードを公開すると、ランシェ様はQとAだった。私は相手が9出ない限り、勝ちなので、私の勝ちです。ただ、銀貨一枚しか、取り戻せなかった。私は銀貨五枚をテーブルに置いた。ランシェ様はノリも良いので、普通に参加する。本来、本気で勝つならここでやめても構わないのだ。


店員がカードを配りました。私はJと2でした。カードを公開するとランシェ様はQと5でした。二人とも三枚目を引きます。私は4で、ランシェ様は8でした。これで私の銅板五枚、勝ち越しました。


(ここが引き際ですね。)


『ここで、レスティア様はストップのようです。では、次にランシェ様に挑戦したい方は手を上げてください。』


「お疲れ様。」


「はい。最後はランシェ様はわざと、乗って来ましたね。」


「ああ。本来なら、あそこでやめていれば、ランシェは大勝ちしていたからな。」


「そうですよね…」


「まぁ…落ち込むな。店側はぼろ儲けしてるみたいだし、結果オーライだろ。まだ、見て行くか?」


「はい。適当に飲み物でも飲みながら、バカラを楽しみましょう。」


「そうだな。」


二人でバカラの席に行った。次は貴族の奴がランシェに挑戦をするらしい。最終的にはランシェが勝ちまくって、終わった。俺たちはランシェに賭け続け、かなり儲けた。このイベントは月に一回、行うことになった

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