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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
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あれから、一月が経った。


カジノは無事に開かれ、たくさんの人が来ている。やはり、イゼリアには商人や冒険者が多いので人の入りが良い。何回か、揉めたりしたが、今は順調に回っている。やはり、魔力を使うと音が鳴る魔道具は便利だった。魔力を使って不正をしようとする奴がかなりいた。そういう奴は俺がディーラーになって、無効化をしながらボコボコにした。持ち金がなくなるまで、やってやった。おそらく、復讐をしにまた、お金を落としに来るだろう。そういう奴は賭け事で人生をダメにするんだけどな。実際にニカがその典型的なパターンに陥っている。他にも何人か、いるが、放置をしている。自分の中で勝手にやる分には何も言わない。それが革命軍に影響しそうならば、叱るけどな。ランシェはわざわざ、イゼリアに来てカジノをして行く程、ハマってる。ランシェは運が強いせいか、プラマイゼロだ。普通は損をするように出来ているはずなんだが…



「団長、カジノは凄いですね。ぼろ儲けですよ。」


シュハイツが書類を見ながら言った。


「そうか。良かった。」


「イゼリアの税金で入ってくる額の二倍は行きます。これでさらに噂が広まり、人が来てくれれば、さらに儲けられますね。それにイゼリアでお金を落としてもらえば、さらに良いですね。」


「そうだな。出来れば、バカな貴族も来て欲しいんだがな。領主以外の貴族でな。」


「そうですね。」


貴族は全ての家が領主なわけではない。それぞれの傘下があり、その領主の傘下の家はその領主の街に住んでいる。俺たちは領主をどうせ倒すから領主が金を落としても落とさなくても、どちらでも良いのだ。貴族には実験場のことに協力していない家もあるので、そういう家からお金を取りたいのだ。それに、領主に協力している証拠がない限り、捕まえられないので、なかなか、厄介な存在なのだ。イゼリアにもそういう貴族はいる。


「情報では今日はカタリナから貴族の方が来たらしく、ボロ負けしたそうです。」


「それは嬉しいな。」


「はい。出来れば、他の街にも作りたいですね。」


「それはもう少し、後で良いだろ。今はユヤンドの隣のバラマを攻めないといけないからな。」


「そうですね。でも、バラマは厳しい戦いになりそうですね。」


「そうだな。」


バラマはこの国で最も入るのが厳しい街なのだ。それはまず、高い外壁に門が一つしかないのだ。だから、この国で最も安全な街と言われている。魔物の大群が来た時も一つの門を守れば良いので、突破されたことがないのだ。


「どうやって侵入するかだな。」


「やはり、門を突破するしかないですよね?」


「そうだな。俺なら外壁を超えられるが、他の奴らはキツイ奴もいると思うからな。」


外壁の高さは上に二十メートルはあるのだ。さらに頑丈に出来ているため、破壊するには苦労をするだろう。それにもし、自分達が制圧した時に外壁を修復するのが面倒になるのだ。


「どうしましょうか…」


「中と外から同時に攻めんのはどうだ?」


「どういうことですか?」


「バラマにいる奴らは外壁を頼って、きっと、そこまで練度が高くないだろ。なら、まず、外壁を超えられる奴らが中に入って、中から門の近くの奴らに攻撃する。それで、門の外に待機していた奴らが中にいる奴らが攻撃をしたと同時に攻める。中にいる奴らは一時的に包囲されるが、外から味方が来れば一時的に挟み撃ちの形にできる。中にいる奴らはあまり、無理をしないで防御を優先して、外の奴らがと突撃するのを待つ。外の奴らと合流したら、一気に攻めれば問題がないだろ。」


「確かに、良い作戦ですが、中にいる者はリスクがありますよ?」


「そこは俺とグランとランシェとシンで良いだろ。ランシェとシンは呼び出せばすぐに来るだろうし、二人とも機動力は高いからな。外の奴らはセリアに率いて貰う。第三部隊はかなりの規模になったから、残りの奴らでユヤンドは大丈夫だろ。だが、一応、心配だから、第七部隊の半分にユヤンドに行ってもらおう。まだ、第八部隊は隊長がいないが、どいつもそれなりに強いから大丈夫だろ。」


「確かに、そのメンバーなら中にいても大丈夫ですね。」


「それで、ランシェはまだ、カジノにいるか?」


「さぁ…けど、暇な日はだいたい来てますからね。」


「そうだよな。そういえば、凛とレスティアはどうした?あいつらがここにいないことなんて滅多にないぞ。」


「実は二人とも息抜きということでカジノに行ってます。」


「なるほど…まぁ、二人とも勝負に強そうだから大丈夫だろ。それに引き際も間違いなさそうだからな。」


「はい。」


「じゃあ、凛が帰って来てから作戦を伝えよう。」


二人が帰って来ると二人の様子は全然、正反対だった。


「お前ら、何があったんだ?」


「凛さんがボロ負けしまして…」


「あそこでなんでスペードが来ないのよ…」


おそらく、ポーカーをして来たのだろう。


「レスティアはどうだったんだ?」


「私は勝ち越したので、そのまま勝ち逃げして来ました。」


「まぁ…正しい判断だな。」


「はい。」


「それで、凛はなんでそんなにボロ負けしたんだ?」


「実は初めはすごい勢いで勝ってたんですが、途中から調子に乗り始めて、賭け金を多くし始めて、それが最悪の結果を呼びました。」


「なるほど、女は金と男と賭け事で破滅するのは本当なんだな。」


「それは男ではないですか?」


「女も一緒だろ。」


「まぁ…その通りみたいですけど。」


「ランシェはいたか?」


「はい。今日も楽しく、やっていました。」


「そうか…あそこにあるゲームは全て、なんだかんだで勝てないように出来てるからな。あいつもいつかは負けるだろう。」


「けど、全然負けませんよね?」


「おそらくは直感だろ。」


「そうですね。」


「凛は少しは懲りた方が良いぞ?」


「いやよ。この恨みは百倍で返させてもらうわ。」


「はぁ…知らんぞ?」


「大丈夫よ。勝つから問題がないわ。」


「みんな、そう言って負けるんだよ。」


「私はそいつらとは違うわよ。」


「そうか…応援はしてる。」


「ええ。」


「遊び人の凛さんは放っておいて、私に構ってください。」


そう言って、レスティアは膝の上に座って来た。


「なっ⁉︎」


「レスティア、ここではやめろ。」


「でも、嫌じゃないですよね?」


「・・・そんなことはないぞ?」


「そんなことを言っても私を退けようとしないので、説得力がないです。」


「ぐっ…だが、場所を選んでくれ。」


レスティアの言う通りで嫌ではない。むしろ、好きだ。男は可愛い女の子が膝の上に乗ったら嬉しいのは当たり前だろう。だが、流石に場所を選んで欲しい。二人っきりでしてくれるなら嬉しいが、もし電車の中でやられたらどう思うだろうか…もちろん、俺は恥ずかしい。もちろん、中にはそうは思わない人がいるかもしれないが、ほとんどの人が恥ずかしいだろう。


「私はどこでも大丈夫なんですけどね。」


「俺はやめて欲しいな。」


「まぁ…気にしないでいきましょう。」


「はぁ…」


凛は落ち込んでいるが、会議が始まった。凛は会議が始まって少しすると、レスティアが膝の上に乗ってるのを気づいた。



それから、凛が念話でランシェとシンを呼び出した。


「いや〜…今日はボロ勝ちしたわ〜」


ランシェの顔を見る限り、本当にボロ勝ちをしたんだろう。だが、この場で喜ぶのはダメだ。


「ランシェ、目障りだから静かにしてて。」


「お、おう…」


凛の背後から黒いオーラが見える。


「凛の奴、どうしたんだ?」


「お前の逆でボロ負けしたらしい。」


「な、なるほど…ここは静かにしておくのが吉だな。」


「そうしておけ。」


「それで、なんで俺が呼び出されたんだ?」


「今は西は放置して問題がないだろ?」


「まぁな。」


「それで、南の攻略を手伝ってくれ。バラマは知ってるだろ?」


「なるほど、確かにあそこは守りが固いからな。第三部隊だけじゃキツイな。」


「それで、ランシェとシンと俺が加わって落とすぞ。」


「わかった。それで作戦はどうするんだ?」


「俺とランシェとシンとグランで城壁を超えて、中で暴れて、その隙に第三部隊が門を突き破る。」


「は?」


「どうしたんだ?」


「中に入るって、俺たちに集中砲火されるじゃねぇか。」


「そうだぞ?」


「そうだぞ?じゃねぇよ⁉︎流石に死ぬぞ⁉︎」


「大丈夫だろ。」


「大丈夫じゃねぇよ…」


「そうか?」


「敵は対して強くないぞ?」


「そうか。なら、なんとかなるか。」


ランシェは相変わらず、こんな感じだ。ランシェとシンはまだ、作戦はすぐではないので、一旦帰るようだ。


「あと、これを持っていけ。」


「これは例のアイテムボックスか?」


「ああ。」


魔石が不足していたが、教会にいた奴らが来たおかげで、魔石の収集が良くなった。やはり、光属性のスペシャリストの集まりなので、人数を増やして行けば、死霊の墓の一階は余裕なのだ。それにより、アイテムボックスがたくさん、手に入ったのだ。


「いくつ、あるんだ?」


「とりあえず、50個だ。」


「凄いな…これは誰にやれば良いんだ?」


「金板一枚するらしいから、その額半分の値段で買いたい奴がいたら売ってやれ。」


教会の奴らは一個取るたびに、銀板五枚をもらっている。商会には金板一枚で売れるので、一個取るたびに銀板五枚が革命軍のお金になるのだ。


「そんなに高いのか…」


「だが、それでもこっちの奴らは買ってる奴が結構いるぞ?」


「そうなのか…俺も考えて見るか。」


「じゃあ、作戦の時に連絡するからその時にな。」


「わかった。」


それで、ランシェとシンは帰っていった。シュハイツも仕事があるからと言って部屋を出て行った。そこで、凛がようやく復活した。


「練君、これから一緒に寝ない?」


「まだ、早いぞ?」


「もう、疲れたのよ。」


「俺はまだ、眠くないんだが…」


「一緒にベットに入ってくれるだけで良いから…」


「なら、私も寝ますね。」


「決定事項なのか?」


「ええ/はい。」


「はぁ…」


二人に言われ、逃げ道がなくなり、無理矢理寝ることになった。



それから二週間が経ち、作戦の日になった。


「よし、行くぞ。」


俺達は今、バラマの外壁の近くにいる。


「団長、マジで行くのか?」


「ああ。」


「ハァ…今日が俺の命日かもしれないな…」


「もし、生き残ったら娼婦を買ってやる。」


「よし、なんでもかかってこいや!」


相変わらず、ランシェとグランは扱いやすい。これから俺とシンとグランとランシェで乗り込みに行くのに、二人がやる気がありすぎる。原因は俺だが…


「とりあえず、三人は入ったら門番を倒せ。俺は敵の魔法師を単独撃破する。それでいけそうな感じだったらランシェが上に魔法を放て。そしたら、外にいるセリアが来る。」


「了解」「おう」「うん」


「じゃあ、行くぞ!」


俺が先頭で外壁の上を超えた。


「侵入者だ!!!」


見張りにばれたが、そんなことは百も承知なので、全員が暴れ始める。


「『炎爆発』」「『土石流』」


ドゴゴゴゴゴゴッ


まずはランシェが人に被害が出ないように営所のみを爆破した。グランは敵が集まって来た所に土石流を放った。土石流は名前の通り土石流を放つことだ。相手はたまったものではない。次々と敵を飲み込んで行く。シンは素早く動いて、誰にも気づかれないように一人づつ確実に倒している。俺は敵の魔法師に突撃して次々と敵を倒している。


「シン、門番を倒せ!」


シンは門を閉めようとしていた門番を速攻倒した。


「そろそろ、良いよな⁉︎」


「ああ。」


ランシェは上に火の玉を放った。すると、大量の足音がして、セリア達が来た。


「全員、突撃!!!」


ウオオオオオオォォォォォー


やはり、数百人の声は迫力がある。次々と門を超えて行き、侵入している。


「一から五班は私について来て!六から十班はグランさんについて行きなさい!!!」


セリアの声が響く。本当にちゃんと隊長をやってるようで安心する。セリアは実験場を潰しに行き、グランは領主を倒しに行くようだ。


「シンはグランの方に行け!ランシェは俺について来い!!!」


「うん」「おう」


バラマの街の分岐点で大量の人が二手に分かれる。


「グラン、死ぬなよ?」


「娼婦を抱くまでは死ねねぇよ。ランシェも気をつけろよ。」


「当たり前だ。昨日の負けを取り返すまでは死ねねぇよ。じゃあな。」


「おう」


この二人は妙に仲がいい。恋仲になるとか、そういう感じではなく、息があったパートナーに見える。だが、二人とも話してる内容が酷すぎる。片方は女、片方は賭け事。セリアがかなり蔑んだ目で見ている。


「団長、この仕事が終わったら、二人に説教をしましょう。」


「これには俺にも原因があるんだ。」


「どういうことですか?」


「この仕事が終わったら、グランには娼婦をランシェには賭け金をやると言ってしまった。」


「何をしてるんですか⁉︎」


「しょうがないだろ。あの二人をやる気にさせないとこの作戦が失敗する所だったんだぞ。」


「確かにそうですが…それでは部下に示しが尽きません!」


「なら、部下にも買ってやるか。」


「そういう問題じゃありません!!!」


「セリア、怒ってばかりいると老けるぞ?」


「だ、だ、誰のせいですか⁉︎⁉︎⁉︎」


「グランとランシェだろ。」


「あなたもです!!!」


「俺は違うだろ。」


「自覚がないんですか⁉︎」


「どうどう、落ち着け。」


「私は馬じゃないです!!!」


「ほら、後ろにはお前の部下がいるんだから少しは落ち着け。」


そんな感じで走りながら、実験場に向かった。






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