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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
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それから、一週間が経った。


「練君、周りの街から革命軍に入りたいって人が沢山来てるみたいなの。どうする?」


「今日はダカワナに行って明日、カタリナ、明後日をユヤンドにしてくれ。」


「大丈夫なの?」


「片道十分だから、何とかなる。」


「そう…無理をしないでね?」


「ああ。次はサイヌを攻めよう。」


「そうだね。瞬君もそうしたいだろうからね。」


「ああ。それに人数も増えて来たし、そろそろ大きく、動くぞ。」


「うん。」


「瞬とメルエールには一週間後、同時に攻めるから伝えてくれ。メルエールたちはダカワナの先にあるカターナを攻めてくれ。」


「わかったわ。」


「北は一旦、放置で良いだろ。」


一人で考え事をしてると、レスティアが話しかけて来た。


「練様、今、大丈夫ですか?」


「ああ。どうした?」


「実は予知をしたら、魔軍が動きます。」


それは、一瞬で部屋の空気を帰る程の威力を持っていた。


「そうか、いよいよか。」


「はい。ですが、攻めるのは王都の方です。それに他国は既に攻められてます。おそらく、全てが各国の王都を攻めているようです。そして、革命軍にとっては朗報ですが、各街が王都に向けて兵を送ってるようです。なので、今は各街が手薄です。」


「レスティアの予知は本当に便利だな。なら、この気に一気に攻めるしかないな。魔軍には軍の方を引きつけておいてもらおう。」


「そうですね。」


「後は今度から革命軍に入りたいやつはイゼリアまで来てもらおう。カタリナ、ダカワナ、ユヤンドはいいが、流石にそれより先はキツイからな。」


「そうですね。では、凛さんに伝達してもらいましょう。」


「後は、東は瞬がいるし、西にはメルエールがいるから、南を攻めよう。北は魔界の警戒でこっちに攻める余裕はないからなどんどん南を攻めるぞ。瞬にはサイヌを攻めたら一旦、止まれと言ってくれ。セリアにはユヤンドの様子が落ち着いたら言ってくれと伝えてくれ。」


「わかりました。」


「第八部隊を新しく作り次第、第三部隊に合流させる。後は第七部隊は死霊の墓に行かせろ。あいつらは光属性のスペシャリストだから一階だけなら、余裕だろ。念のため、レスティアの予知と凛の遠視で監視をしていろ。何か、あったら報告しろ。第七部隊はシャルルに率いるように命令しろ。」


シャルルはシンが倒した少女のことだ。教会から革命軍に入った者の中では圧倒的に強かった。俺の統率者のスキルでさらに強くなり、今では副隊長をしている。実力的にも人望的にもふさわしく、反対意見が出なかった。


「では、第八部隊の隊長を至急、用意しなければなりませんね。」


「そうだな。誰か、良い奴はいなかったか?なぜか、ランシェのような奴ばかりで、副隊長にしたい奴ばかりで隊長を任せられる奴が少ない気がするんだが…」


ルイ、レイ、サリオ、ルーサク、ノアと副隊長としては優秀だが、隊長が出来そうにない面子なのだ。簡単に言うと脳筋が多いのだ。ルイ、レイ、ノアは年齢的に仕方がないとしても他の二人はバカだ。


「それはしょうがないとしか、言いようがないですね。」


「何処かにいないか?」


「そこは我慢ですね。」


「レスティア、そういえば、魔軍の規模はどのくらいなんだ?」


「五万の大軍のようですね。」


「多いな…」


「はい。ですが、王都の近くに一万近い軍がいるらしいので対処はできるはずです。」


「そうか。流石にこの時点で国を潰されると困るからな。なんとしても、持ちこたえて欲しいところだ。」


「流石にそれはないでしょうね。」


「とりあえず、東と西を一つ制圧する。日時は東を四日後、西を五日後とする。東は瞬、西はメルエールが仕切れ。以上だ。解散。」


会議が終わり、すぐに各街に行き、面談をした。やはり、隊長を任せられる奴はいなかった。


「練様、お疲れ様です。」


レスティアは相変わらず、膝の上にいる。


「流石に疲れたな。」


「忙しそうですものね?」


「まぁな…そういえば、ユヤンドは湖に面してるんだよな?」


「はい。」


「なら、魚介類は美味しいのか?」


「はい。それはもう…」


「今度、食べに行くか…こっちに来てからあまり食べられてないからな。アイテムボックスで大量に持って来るか。」


「それもいいですね。」


「レスティア、今、思いついたんだが新しいアイテムボックスは漁師にも売れないか?だって、家三件分も入るなら、船で保管するよりも新鮮に保管ができるよな?」


「そういえば、そうですね。」


「よし、漁師の奴らにも噂を流してみよう。そうすれば、オークションに来るかもしれん。」


オークションは国が開催することもあるが、基本は領主がするのだ。だが、イゼリア、カタリナ、ダカワナ、ユヤンドは革命軍の領土なので、俺が開催できる。今回は初めての開催ということで、盛大にやろうと思ってる。目玉商品は新しいアイテムボックス、通称アイテムボックス改だ。それ以外にも、オークションに何かを出したい人がかなりいるので、盛り上げることが可能だ。


「私もオークションに参加してみましょう。何か、欲しい物があるかもしれません。」


「給料も出てるんだから、たまには好きなことに使えよ?」


「はい。けれど、私には趣味がないので、困ってます。」


「そうか。何か、見つかると良いな。」


「はい。」


そんな感じで、その日は話しながら終わった。


次の日


「やはり、大所帯になって来たので、お金が必要になりますね。」


「そんなに足りないのか?」


「いえ、なんとかギリギリという感じです。やはり、子供達をたくさん、保護してるのでそれがキツイですね。」


「金を稼がないとな。だが、一人でするにも限界があるからな。」


「練君、また、死霊の墓に行く?」


「いや、取りすぎると需要が下がってしまうから、それでは一時期的な対策にしかならない。」


「そうかぁ…」


「そうだ…俺たちがいた国では、宝くじ、競馬、競艇、競輪で儲けていたよな?なら、カジノを開かないか?」


「練君、頭良い!」


「カジノですか?それはなんですか?」


やはり、この世界にはないようだ。


「簡単に言うと賭け事だ。だが、人が戦ったりして勝負に賭けるのではなく、物を使って、賭け事をするんだ。簡単にいうと実力よりも運が大切になるんだ。」


「今からリリィさんのところに行って、大きな物件を買って来るね?」


「わかった。物件は凛に任せる。俺は研究所に行って、物を作ってもらう。それをシュハイツ達がやってみて、楽しかったらそれを採用しよう。何か、アイディアが出たら言ってくれ。」


とりあえず、簡単にトランプを作った。それを使って、ポーカーやブラックジャックをした。すると、やってるうちにどんどん、はまって行き、しまいには軽く金を賭け始めた。


「これは面白いですね。冒険者がこぞって集まりそうです。」


「ここでついでに飯や酒を売ればさらに儲かるだろう。警備には第六部隊にして貰って、何か起きたらすぐに対応してもらおう。そして、レスティアのように予知を使われたらとんでもないから、魔力やスキルを使ったらすぐにわかる装置を作ろう。そうすれば、イカサマがなくなるだろう。」


「そうですね。早速、研究所に頼みましょう。」


そうして、カジノを作ることにし始めた。すると、ニカに頼むと本人がハマってしまい、次々と完成させて行き、ルーレット、トランプ、スロットなどを完成させていった。


「やるゲームはバカラ、ポーカー、レッドドック、ブール、ルーレット、スロット、ツーアップにする。できれば麻雀も入れたいな。」


「これは儲かりそうですね。」


「はじめはわからないが次第に増えて行くだろう。まずは噂を流せ。」


それから、四日が経ち、瞬がムースを攻める日が来た。


「俺は一旦、ムースにいって来るから、お前らはしっかり仕事をしろよ。」


「はい。わかりました。」


シュハイツはそんなことを言いながらも賭け事をしている。あれからみんな、ハマってしまって、なかなかやめれなくなってしまっていた。


「お前ら、そろそろ良い加減にしろよ。仕事が終わったら好きなだけ遊んで良いから。」


少し、殺気を強めると言うことを聞きはじめた。それからの仕事が今までで一番、早かったらしい。レスティアは賭け事をあまり好かないらしく、ダーツを教えてあげるとすごくハマっていた。たまに一緒にすると喜んでいる。後は賭け事の中で唯一ハマったのが意外にも麻雀だった。おそらく、運よりも実力で勝ちたいらしい。


「じゃあ、いって来るぞ。」


ムースに着くと、既に制圧をしていた。俺は首輪を破壊するだけだった。


「瞬、仕事が早いな。」


「練か…周りの奴らがかなり気合入って攻めたからすぐに終わった。それに既に戦力がダウンしていたから余裕だった。」


「そうか。ここは任せるぞ。」


「ああ。後で墓によってやれよ?」


「わかってる。今は俺も忙しくて大変なんだ。」


「何かあったのか?」


「実はカジノを開こうとして、今、準備中なんだ。」


「そうか。俺もやりたいな。」


「瞬、お前、変わったな。」


「まぁな。流石に今のままじゃダメだと思ってな。」


「コンを詰めすぎるなよ?」


「それは大丈夫だ。もし、ヤバそうだったら一発殴ってくれ。」


「わかった。たまには息抜きをしろよ。」


「ああ…あと、事後報告だが、ユーアと付き合うことになった。」


「そうか。一応、おめでとう。」


「ああ。」


「お前から行ったのか?」


「カタリナの時、ユーアが一人で泣いてたから慰めたらユーアから近づいて来て、初めて、自分の部下を亡くした時に慰めてくれたからそれでだな。もし、ユーアが慰めてくれなかったら俺はおかしくなってたかもしれない。」


「そうか。大事にしてやれよ。じゃあ、俺は戻る。」


「ああ…またな。」


瞬はいろんな覚悟が決まったらしい。正直、まだ甘ちゃんだと思ってた親友が急に大人になっててビックリした。それ程までにショックだったのだろうな。俺もかなりショックだったが、あいつは目の前で見たんだもんな。これが上に立つ者の宿命だな。それから、墓参りをしてイゼリアに戻った。


「練様、帰ってくるのが早かったですね。」


レスティアがいた。


「まぁ、俺が行った時には既に終わっていた。」


「そうですか…」


「レスティアは部下を初めて、亡くした時のことを覚えてるか?」


「はい。」


「やっぱり、人を変える程の出来事だよな。」


「はい。」


「俺も覚悟をしていたつもりだが、まだ足りないらしい。今日、瞬を見て再確認したよ。」


突然、レスティアが抱きついて来た。


「練様は一人でなんでも背負い過ぎです。部下を亡くしてもなんとも思わない人になれとは言いませんが、あなたは既にたくさんの物を背負ってます。それ以上、背負うならあなたは壊れてしまいますよ。あなたは保護した子供達や何百人という部下を持ち、自分で言うのもなんですが

、妻も二人、そして国の未来も背負ってるのですよ?少しくらいは私にも背負わせてください。あなたは革命軍に必要な人なのです。だから、みんな、あなたについて行くと決めたんですよ?ランシェさんやメルエールさんもそうです。瞬さんや凛さん、瘉沙さんは初めからです。だから、あなたはもう少し、周りを頼ってください。私たちはそんなに頼りないですか?」


レスティアがこんなに意見したのはあまりないことだ。それに最後の方は泣きながら言っていた。


(俺もまだまだだな…妻一人さえも頼らずにいたのか。今までは何でもかんでも自分でやってたからな。こんなに心配をかけて…)


「すまなかったな。心配をかけた。」


「今日はもう、寝てください。」


「だが、明日にはライナを攻めるんだぞ。」


「一日、遅らせてもあなたの体の方が大切です。だから寝てください。」


「・・・わかった。何かあったら起こせよ?」


「はい。私が添い寝をしますから。」


「ありがとな…」


「いえ、妻として当然のことです。」


俺はレスティアの包容力に溺れそうになった。



次の日の作戦も何も問題がなく、終わった。メルエールがちゃんと指示を出していたので、俺は楽が出来た。




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