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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
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「お前ら、そろそろやるか…」


「練、遂にユヤンドを落とすのか?」


「いや、その前に違うことをする。」


「なんか、やることがあったか?」


「挑戦をしたいことがあってな…」


「練様が挑戦をするってことはどれだけ、難易度が高いんですか?」


「星十のダンジョンに行ってみないか?」


この時ばかりは全員が驚き過ぎて、声が出せなくなっていた。


「練君、いくらなんでも危険だよ!!!」


「練君、流石に危ないですよ…」


「俺は行きたいな。」


ランシェのみが賛成をしてくれた。他の面子は凄い勢いで反対をして来た。


「ランシェは黙ってて!!!」


「お、おう…」


「練様、まだ、誰も一層すら踏破してないんですよ?危ないです。」


「けど、お前のスキルで危なかったら入らなければ大丈夫だろ?」


「確かにそうですけど…」


「ダンジョンの前まで行って、死ぬ未来が見えたら止めればいい。」


「私の未来予知も今までが外れたことがないだけで今回は外すかもしれませんよ?」


「自分の妻のことくらい信じるぞ、俺は。」


「練様…」


「なら、私だって行くわよ!!!」


「いつの間にか、行くことになってます…」


癒沙がかわいそうに思った。


「メンバーは俺と凛、レスティア、ランシェ、癒沙、フィアナで行くぞ。」


「シンじゃなくて良いのか?」


「今回はこのメンバーで行くぞ。このメンバーなら何があっても対応ができるだろう。全員に魔法薬を渡すからしっかり、持っていろよ?」


それから数十分後に支度が整った。


「よし、みんな行くぞ!」


『おう!!!』



星十のダンジョンの名前は死霊の墓と言われている。この名前は誰も生還をしていないため、中がどんな感じなのか、判明していないため、このような名前がつけられたのだ。


「ここが死霊の墓…」


「凄い雰囲気が出てるわね…」


「レスティア、未来予知はどうなっている?」


「数時間後にみんなで笑ってお酒を飲んでます。」


「なら、大丈夫だな。」


転移門の前に立っているが、禍々しいオーラが出ている。


「緊張するな…」


「情報がないからぶっつけ本番だな。」


「俺らの得意分野だぜ!」


「行くぞ!!!」


全員で転移門を潜った。



そこには大量の魔物がいた。それは星一のダンジョン石畳みの墓場の下層にいた死神の小さい奴が大量にいた。


「メルエールを連れて来るのを忘れた…」


「鑑定は大きいからな…」


「しょうがない。あいつらには普段は攻撃を当てれないからカウンター狙いで行けよ?俺は関係がないからボコボコにして来る。」


「おう。」


「わかりました。」


「うん。」


「はい。」


「はい。」


俺はとりあえず、片っ端から無効にして斬りまくって行った。こいつらは姿を消すことは出来ないらしい。それでも無効のスキルがなかったらかなり、苦戦をしていただろう。こっちからは一切の攻撃が効かないからな。


「『光槍』」


レスティアが光槍を放った。カウンター狙いで放った光槍が一体を巻き込んで倒した。


「えっ⁉︎」


「「「「「・・・」」」」」


「どういうことでしょうか?」


「これはおそらく、こいつらの弱点は光属性なんじゃないのか?」


「ありえるな…レスティア、その辺にいる奴に向かって魔法を使ってみろ。」


「は、はい。『光弾』」


レスティアは前にいた数匹に向かって魔法を連射した。


『グワァァァ』


「本当みたいだな。」


「なら、『聖光』」


聖光

聖なる光。半径十メートルくらいの範囲で発動する。

人間に対しての攻撃力はないが闇属性や魔物、魔人には効果抜群だ。ただし、人間でも邪の者には効く。



死神もどきが次々と浄化をされて、魔石を残して消滅して行く。


「このダンジョンは光属性の術者がいれば余裕なんだな。」


「光属性の術者は珍しいから、難しいとは思うけどな。」


光属性持ちはとても珍しい上に大体が教会に引き抜かれるので冒険者をする奴は少ないのだ。


「とりあえず、転移門を探そう。そこからマッピングをしてギルドに売りつけるぞ。」


「そうだな。さすがに地図くらいはいいだろ。」


ランシェはやっぱり、国と繋がってるギルドのことが嫌いのようだ。


「それにしても、一層目で闇属性の中位が取れるとは思わなかったな。」


死神もどきは中位の魔物のようだ。弱点は光属性と聖属性なのだろう。ない場合は攻撃する時に実体化するのでカウンター狙いしかないようだ。


「確かに、レスティアがいなかったら、練に頼りっぱなしだもんな…」


レスティア以外は個体によっては強力で聖光で殺しきれなくて、弱った死神もどきを倒している。聖光を食らってる間は実体化をしているようだ。そのおかげで、他の面子はやることがある。


「ただ、レスティアには感謝だな。」


「練様…」


顔を赤くしならがら俯いた。


「今回は何も言えない。」


今回はレスティアがいなければ、大変なことになっていたのは凛も理解しているので、何も言えないようだ。


「後でご褒美をくれませんか?」


「なっ⁉︎」


流石の凛もこの言葉には反応した。


「それはこのダンジョンを抜けたら考えるぞ。まだ、ダンジョンの中なんだから油断はするなよ?」


「はい。」


それから、転移門を見つけ、探索をした。思ったよりあっさり、成功をしてしまったため、あっけなかった。


「これでマッピングは終わったな。」


「ああ…」


「本気で殴れなくてイライラしてるんだけど…」


「そういう相手なんだからしょうがないだろ…」


「次の階で変わることを祈るよ。」


「今日はこの階で終わりだ。」


「マジか…」


「ほら、帰るぞ。レスティアは頑張ったな。」


「はい…」


魔法の連続使用でかなりの疲労が見える。


(後でご褒美をあげなくてはいけないんだった。女が喜ぶことはイマイチわからないんだよな…レスティアに決めさせるか…)


「とりあえず、ギルドに向かうぞ。」


転移門で地上に戻った。


「また、めんどくさいことになりそうだな。」


「前回もめんどくさい奴に絡まれたからな…」


「今回は大丈夫だろ。今や栄光の剣は最も巨大なクランだからな。」


「いや、逆に恨みを買っているかもしれん。」


「それはあるかもしれませんね。」


「癒沙、情報は書き終わったか?」


「うん…」


癒沙にはマッピングと死神もどきの特徴を書いて貰っていたのだ。


「ギルドに入るか…」


「ああ…」


この前のことを思い出してより憂鬱な気分になった。


カランカラン


「本日はどのようなご用件で?」


この受付嬢は俺らのことを知らないらしい。隣にいる受付嬢は前に見てもらった奴だった。


「マッピングを渡しに来たんだか…」


「どこのでしょうか?」


「死霊の墓の一階だ。」


その瞬間、ギルドの中が凍りついた。


「えっと…星十のダンジョンのことですよね?」


「ああ。」


「クランを確認してもよろしいですか?」


「栄光の剣だ。」


「っ⁉︎」


流石にこの受付嬢も俺らの正体を理解したらしい。


「これが一階の全ての地図だ。後は魔物のことも書いておいた。」


「は、はい。」


「じゃあな。」


その瞬間、後ろから俺の首を狙って来た奴がいた。動こうとしたが既にランシェがどうにかしようとしていたので、動かなかった。


キィン


剣をナックルで殴ったらしい。


「チッ」


「いきなり、狙ってくるとかクズだな…」


襲って来たのはこの前、ボコしたダランとかいう奴だ。


「ランシェ、早く終わらせろ。」


「おう、待ってろ。すぐに終わらせるから…」


「グッ…」


その瞬間、ダランが苦しみながら倒れた。


『えっ⁉︎』


周りの奴らもびっくりしたようだ。


「凜、余計なことをするなよ…」


「練君に刃を剥けた時点で万死に値する。」


この時の凜の目はヤバかった。


「で、凜は何をしたんだ?」


「無域を使ったのよ。」


無域


指定した空間にある空気をなくす技だ。そこに生物がいると空気を吸えなくなる。指定された空間から抜け出せば、空気は吸うことができる。


「ハァハァハァ…」


ダランは死にかけていた。凜がダランの近くに行き、急所に魔法をかけた。


「『圧縮』」


圧縮


指定した空間を空気で圧縮する。密度は魔力により変えられる。


「グァァァァァァ」


ダランが叫んでいる。おそらく、もう使い物にならなくなっただろう。


「ドンマイ…」


「男じゃないけど、流石に同情するわ…」


「かわいそうに…」


「凜さん、怖すぎです…」


レスティアとフィアナが凜の理不尽な所を初めて見てビビってしまっている。


「受付嬢、これは放置で良いのか?」


「はい…殺人未遂で営所送りなので。」


「さて、帰るか…」


そんな感じで出て行った。

ダランは男としての人生を終わられたのだった。



「練様、これからデートに行きませんか?」


「なっ⁉︎」


「急にどうした?」


「先程、ご褒美はダンジョンを出てから考えると言っていたので、私が考えておきました。」


「なるほどな…」


「ちょっと、ズルイわよ!!!」


「凜さんだって誘えば良いじゃないですか。」


「練君は忙しいの!!!」


「だからこそ、たまには息抜きをしてもらうんですよ?」


「うっ」


「それで私が今日はデートして来ます。」


「なら、私がするわ。」


「ですから、ご褒美でデートなので私がします。それに私は練様と一度もお出かけをしたことがありません。凜さんは何回か、ありますよね?」


「うっ…2回ほど。」


「なら、優しい凜さんなら私に譲ってくれますよね。」


「・・・わかったわよ。」


「では、練様、遊びに行きましょう!!!」


「お前らは俺の意見を全く聞かずに決めるな…」


レスティアに引っ張られながら連れて行かれた。


「練様、どちらに行きましょうか?」


「お前が行きたいところでいいよ。」


「私は教会からほとんど、出たことがなかったので初めての街なんです。」


「そうなのか?」


「はい。」


「じゃあ、店でなんか食べるか?」


「はい。」


そこで前に情報収集をしていた時にかなり美味い店があるというのを覚えていたのでその店に行って見た。


「この店は?」


「美味しい店って噂で聞いたから行ってみたかったんだ。」


「そうなんですか?」


「じゃあ、入ってみるか。」


「はい。」


中に入ったら日本でいうレストランのような店だった。日本にいた頃、家から10分くらいのところにイタリアンの店があってそこと雰囲気が凄く似ていた。ほんの数ヶ月前のことなのに懐かしく感じる。


「なんか、雰囲気が良いですね。」


「ああ…なんか、落ち着く気がする。」


「いらっしゃいませ。何名様ですか?」


「2名だ。」


「では、こちらのテーブルをお使いください。」


「オススメのメニューはなんだ?」


「ただいま、ランチタイムなのでAランチとBランチがオススメです。」


「何が違うんだ?」


「Aランチは女性用のため、量を少なくしてあります。その分、値段も安くなっております。Bランチは男性用のため、量が多い分、Aランチに比べ、値段が少し高くなっています。」


「じゃあ、Aを一つとBを一つ頼む。」


「かしこまりました。」


店員が去って行って


「練様はこういうところに慣れているんですか?」


「多少だな。」


「全然、多少じゃない気がします。」


それから次々と料理が出てくる。日本ではなかった食べ物とかがあって逆に緊張した。まぁ、普通に美味かったが…


「この店、美味しかったですね?」


「そうだな。どこか、行きたいところはあるか?」


「そうですね…装飾店に行きたいです。」


「わかった。」


前に凜のネックレスを買った店に向かった。


「久しぶりだな。」


「ええ、そうですね。隣の方はどなたですか?」


「初めまして、練様の側室に入ったレスティアと申します。」


「これはご丁寧に…私はチャーリーです。」


「そういえば、名前を初めての知ったな…」


「前回は名乗りませんでしたから。今日はどのようなことで?」


「ああ…彼女に何か、プレゼントをしたいと思ってな。」


「そうですか。どのような物が良いですか?」


「指輪は結婚指輪を送るし、ネックレスは凜にあげたから、なんか、他の物でないか?」


「でしたら、イヤリングか髪飾りはどうですか?」


「レスティア、どっちが良い?」


「私は練様が選んだ物が良いです。」


「それが一番困るんだけどな…」


「それでもです。」


(私のために練様が選んでくださってます。)


「そうだな…髪飾りにするか。どこにある?」


「はい。こちらになります。」


次々といろんな形と色の奴が出てくる。それに丁寧に高いのばかりを選んで…


「レスティアに合う色は青い系統の色だな。それなら、これだな。」


一旦、値段を気にせず、選んだ。水色と青で透明度が高い宝石をたくさん使ったものだ。


(値札を見ていないから言えるが、あまり、大きい宝石を使ってないので、そこまでの値段は行かない筈だ。多分…)


「綺麗ですね…」


「店主、これは宝石なんだよな?」


「はい。」


「魔石ではなくて宝石なんですか?」


「はい。」


おそらく、宝石は聖女でも簡単には手に入らないのだろう。値段が値段なので…


「これはいくらだ?」


「金貨二枚と銀板五枚です。」


(思ったより高いな…値切るしかない。)


「金貨二枚なら買うぞ。」


「金貨二枚ですか…」


店主も悩んでいるようだ。おそらく、既に値下げをしてこの値段なのだろう。


「・・・わかりました。金貨二枚で良いですよ。」


「これでいいか?」


テーブルの上に金貨二枚を置いた。


「はい。ではこちらをどうぞ。」


前回、付けて帰ったため、包装せずに渡して来た。


「ああ…レスティア、こっちを向いてくれ。」


「はい…」


髪飾りを付けてやった。


「これでいいな。よく、似合ってるぞ。」


「ありがとうございます。大切にします…」


日本では飾りは高かったが、こっちは魔石という物があるため、比較的に安くなっている。大体の人が魔石で出来た装飾を買うのだ。特に、貴族で無い者は。宝石を買うのは貴族か商人くらいらしい。それに宝石はあまり、高すぎると売れないので日本人からすると安く見えてしまうのだ。


「付けごこちはどうだ?」


「はい。少し、違和感がありますが大丈夫です。」


「そうか、良かった。」


頭を撫でてやった。

レスティアは頭を撫でられるのが好きなようで、顔を赤くして俯いてしまった。恥ずかしいのだろう。


「店主、また来る。」


「はい。お待ちしております。」


また、この日も前に来た日同様、見ていた人が少し見栄を張るために頑張ってしまい、売り上げが上がった。店主は練が来たら少しでもいいからオマケしても宝石を買ってもらおうと思った。




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