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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
17/33

16


「体が重い…」


「大丈夫ですか?」


「なんとかな…」


癒沙が心配してくれた。


「第三部隊はいつ頃、到着する予定だ?」


「昼頃には着く予定です。」


「そうか…第一部隊はちゃんと準備をしてるよな?」


「今でも出動できるくらいです。」


「面談は今日はあるのか?」


「いえ、明日まとめてやります。」


「そうか、助かる。」


「あとは他の街から要請が来てます。」


「どういうことだ?」


「ルーサクのような人から手紙が来てます。こんなに…」


百通は来ている。


「やっぱり、税が重くて苦しい人はいっぱい、いるんですね…」


「ここから近いとこはどこだ?」


「えっと、ここから南に位置するユヤンドが一番近いですね。」


「ユヤンドからはなんで要請が来ているんだ?」


「ここは光の神殿というダンジョンがありまして、ほとんどカタリナと同じ状況になっています。」


光の神殿は名前からして光の魔石が取れるのだろう。


「じゃあ、そこが次のターゲットで良いな…」


「はい。それに多少、湖に面しているので漁港があります。」


「そこでは、魚が取れるのか?」


「はい。湖が海と繋がっているので、漁業が盛んです。」


「じゃあ、カタリナを落としたら、考えるか…」


「はい。」



三時間後


「第三部隊、只今、戻りました。」


セリアが言って来た。


「そこまで硬くならなくていいぞ?」


「いえ、大丈夫です。」


「一旦、休憩したらグランに命令してイゼリアのダンジョンで訓練をして来てくれ。」


「わかりました。」


「じゃあ、休んで良いよ。」


「失礼します。」



「まだ、緊張してるね?」


凛が話しかけて来た。


「そのうち、慣れるだろ。」


「そうだね。」


「セリアさんは上手く、やってるので大丈夫ですよ。書類もちゃんとしてますし…」


「書類がちゃんといていないところはあるか?」


「いえ、今のところは大丈夫ですね。ですが、副隊長が自ら行ったものはひどい物がたくさんあります。」


「そうか…」


瞬、ランシェ、グランの三人のことだろう。明らかにデスクワークが出来ないからな。


「けど、第四部隊はしっかりしてますね。」


「まぁ、瘉沙が副隊長だからな。」


「それに私が隊長だからね。」


「そうだな。じゃあ、俺は仕事に行ってくる。」


「今日はどこに行くの?」


「商会だ。」


「私も行こうか?」


「好きにしろ。」


「うん!」


「じゃあ、行ってくる。」


「いってらっしゃいませ。」


そんな感じで二人で商会に向かった。



「今日はどうしたの?」


「カタリナに良い物件はないか、聞きに来た。」


「次はカタリナなの?」


「まぁな。明日たが…」


「明日⁉︎急ね…」


「だから、明日までに家が欲しいんだ。」


「それは少し無理があると思うんだけど…」


「実は最上位の魔石が一つ余ったんだが、どうしようかな…」


「ちょ、ちょっと待って!!!」


「なんだ?」


「それは卑怯じゃない⁉︎」


「いや、その話も今日しようと思ってたんだが、やっぱりやめようかと思ってな…」


「お願いだから、少し待って…まだ、お金を用意できてないのよ。」


「俺たちは家が欲しいんだが…」


「うっ じゃあ、これからの家代で魔石の分のお金を払うってことでどう⁉︎」


「できれば、明日までに欲しいんだが…」


「そこもなんとかするからお願い!!!」


「そうか。いや、良い商人で良かったよ。」


「本当に、性格が悪いわね。」


「今後、出て来ても、売らないぞ。」


「ゴ、ゴメンナサイ…」


「じゃあ、あとは下位と中位の魔石を頼むよ。」


そう、言って大量に魔石を出した。これは部下がダンジョンに行ってその時、回収したものだ。既に、三百人近く、部下がいるので魔石の量がかなりの量になるのだ。下位が十万近くあり、中位は千近くある。一応、全部は持ってこなかったんだか、それでも凄い量だ。


「量が多過ぎるよ…」


「まだ、半分くらいあるんだが…」


「それにこの魔石、水属性じゃない⁉︎」


魔石が青いので水属性だ。例えば、赤だったら火、黄色だったら雷、紫は無だ。


「まぁ、そうだな。」


「下位一個あたり、銀貨一枚だから白金貨十枚。中位一個あたり銀板一枚だから白金貨一枚。ていうか下位を取り過ぎじゃない?」


「低い階で訓練をしていたらそうなった。」


「なるほどね。中位はその階の中ボスってことね。」


「そういうことだ。」


ダンジョンには中ボスという物が存在している。さらに、周りの強さの少し高めで設定されているため、周りが中位だと中ボスは上位、周りが下位だと中ボスは中位になるのだ。


「じゃあ、分けやすく、白金貨六枚、金板五十枚にいておくわね。」


「助かる…」


「で、この最上位だが、属性がないんだ。これでいくらになる?」


「前に白金貨二枚って言ったんだけど、魔王軍が来るということで上位と最上位の値段が跳ね上がったのよ。」


おそらく、魔石を使った武器は魔石のレベルによって強力になるので需要が高くなっているのだろう。


「それにディザイアで国が動き始めて、最上位は白金板一枚出すって言い始めたのよ。それに比例して他の国が負けられないということで、値段を上げたのよ。」


「じゃあ、今はいくらで売れるんだ?」


「ウチでだいたい、白金貨六枚ね。」


「白金貨六枚⁉︎」


隣で凛がびっくりしていた。白金貨六枚は六億だからな。


「属性が付いたら白金板一枚はいくわ。」


「じゃあ、白金貨六枚だな。」


「ええ、それに商人としては信頼を得ることができるからかなり、嬉しいけどね。」


「なるほど、じゃあ、先に渡しておくから、デカイ家をできる限り頼む。」


「わかったわ。」


とりあえず、下位と中位の魔石代を貰って帰った。



「金額が大きいね。」


「そうだな。だが、これからはもっと大きくなるぞ。」


「うん…次はどこに行くの?」


「鍛冶屋だ。」


「ああ、モーリーさんの所ね。」


ルイとレイに襲撃される前に行く予定だったところだ。それから数日後に揃って行ったのだ。かなり陽気な人で話しやすかった印象だ。その時に最上位の炎の魔石でランシェの武器を作って貰ったのだ。今日はそれを受け取りに行く予定なのだ。他には他の魔石で便利な道具を作って貰ったのだ。モーリーの奥さんネイは錬金術師で道具作りが上手いらしい。


「おっさん、出来てるか?」


「おう、少し待ってろ。」


少しすると、デッカいおっさんが出てきた。


「ほら、これで良いんだろ?」


真紅のナックルがそこにあった。


「ああ、流石腕が良いな…」


「そうか?」


「ああ…ネイさんに頼んであったやつはどうなった?」


「今は出かけてて、もし来たら渡してくれって頼まれてたんだよ。」


魔力を供給すれば、火がつくランプや水がでる魔道具や光る物などたくさんあった。


「全部でいくらだ?」


「金板一枚でどうだ?」


「そんなに安くて良いのか?」


かなりの数を発注した筈だ。おそらく、寝てないんじゃないかってくらい。


「材料はそっちが持って、それにウチみたいな異端な奴らに大量の発注や紹介をしてくれたからな。金よりも繋がりの方が今は大切なんだ。」


「じゃあ、金貨十枚だな。」


「まいど。また、紹介をしてくれよ。」


「ああ、このナックルをランシェに渡したらここに挨拶に来させるよ。」


「おう。」


「じゃあ、俺たちは忙しいからもう行く。ネイさんにもよろしく言っといてくれ。」


「わかった。またな…」


「ああ。」


そんな感じで別れた。


「凜、ランシェに伝えてくれないか?」


「うん…」


今は念話で話しかけているのだろう。


「今から取りに来るって…」


「本気か?」


「もう、既に走ってるらしい。」


「じゃあ、本部に来いって言っといて。」


「うん。」


おそらく、一時間以内に来ると思うので、それまでに帰らなければならない。


「じゃあ、帰るか?」


「うん。」


凛が腕を絡ませて来て驚くと、凄い笑顔だったのでそのまま帰ることにした。


本部に帰ると


「そういえば、シュハイツの所に来たメリッサはどうだった?」


「とても有能ですよ。それに悪いことを考えないのであまり、警戒をしなくて良いので楽ですね。」


「そうか…あと、何人かそういう奴が欲しいな…」


「そうですね。そこまで辛くない所に一人来てくれたので今は大丈夫ですけど、これから先は必要になって来るはずです。」


「そうだな…今、有能な奴らを集める方法が思いついたぞ。」


「どんな方法ですか?」


「王宮に仕えてる奴らは男ばっかりだったよな?」


「はい。」


「さらに身分もそれなりじゃないとダメだったよな?」


「はい。」


「じゃあ、性別を関係なしで身分も関係なく、仕事がしたい奴を集めたらどうなると思う?」


「身分が低くても仕事ができる人が来る可能性がありますね。」


「俺らに身分は関係ないよな?」


「はい。むしろ大罪人です。」


「なら、良いよな?」


「はい。」


「よし、今から始めろ。シュハイツが仕切っていい。」


「わかりました。そんなことを思いつける団長は怖いですね…」


「そうでもないよ。」


「では、商人などを使って広めてきます。」


「よろしく頼むぞ。」


「はい。」


そう言って出て行った。



「練君…」


凛が隣に来て、肩に頭を乗せた。


「どうした?」


「今、部屋に二人っきりだから…」


「ちょっと、待て。」


「少しだけ…お願い」


「ハァ…好きにしろ。」


「うん!!!」


ダダダダダッ


ドカンッ


「練!俺の武器が完成したって…ほ…ん…と…う…か?」


ギロッ


凛がマジギレしてる。

俺が今まで見た中で一番、キレてる。


「ランシェ、今から話し合いをしましょう?」


「いや、ちょっと、俺は新しい武器の試しをしないといけないから…」


「大丈夫よ。すぐに終わるから…」


「れ、練!!!」


「自業自得だ…」


「裏切り者〜」


「さて、行きますか…練君、少しだけ待っててね。」


そんな感じで出て行った。


(おそらく、すぐには終わらないだろうな。)


結局、終わったのは二時間後だった。




「ランシェはどうした?」


「今、鍛冶屋に行ってから、すぐに帰るらしいです。」


「そうか。次はユヤンドを落とすからな。誰に行ってもらうか…」


「悩みどころですよね。第一部隊はカタリナ、第二部隊はダカワナ、第三部隊はイゼリア、第四部隊は戦闘部隊じゃないですし、第五部隊はまだ、無理ですからね。」


「ああ…なんか案はないか?」


「第一、第二、第五は無理ですね…」


「・・・じゃあ、第三部隊を半分くらいとそこに瘉沙と第四部隊の精鋭を加えたらどうだ?あとは、俺が行くからなんとかならないか?」


「そうすると、イゼリアの守りが低くなりますよね。」


「グランを置いていく。あとは凜がいれば、念話で第二部隊に連絡出来ないか?」


「確かに、それは良いですね。何か、あっても大丈夫ですね。ランシェさんはすぐに来そうですからね。」


「あらかじめ、準備して置いて貰うか…」


「半分くらい、お願いしておく方が良いですね。」


「カタリナにでまた、良い奴が来ればまた、増えるからな。」


「そうですね。第二、第三部隊はダカワナで強化されてますし、それにカタリナで強くなりますからね。そこで第一部隊と第三部隊に分けてさらに、多くなればなんとかなりますね。」


「ああ…それに凜とグランを置いておけば、そう簡単には負けないだろ。」


「じゃあ、そのように手配しておきます。」


「そういえば、ユヤンドから手紙は誰が送って来たんだ?」


「えっとですね…内緒にして欲しいんですが。」


「わかった。それで誰なんだ?」


「それが教会にいる聖女なんですよ。」


「なんだと?」


教会は国に従ってはいない。むしろ、敵対関係に位置する。聖女とは治癒魔法に特化いていて尚且つ、美しくないとなれないものだ。


「それで教会にとって国の力が弱まることは良いことだから潰してくれと言っているのか?」


「それが教会ごと潰してほしいと…」


「どういうことだ?」


「実は内密に手紙を送って来たみたいなんです。」


「じゃあ、聖女の独断ということか?」

「はい。実は国とは敵対関係に位置するというのは本当らしいんですが、ある一点においては協力しているみたいなんです。」


「なるほど…人体実験においては協力しているということか…」


「はい。」


「じゃあ、聖女はそれを止めたいということか?」


「はい。ですが、自分には力がないのでお願いしたいと…」


「他にはなんか、書いてあったか?」


「あとは自分が教会の証拠を抑えているから保護を頼みたいと…」


「だが、ユヤンドではそこまでの数を投入出来ないぞ。教会と領主を抑えるほどの…」


「ええ。どうしましょうか?」


「早めに言えよ…」


「すみません。言うタイミングを探ってました。」


「振り出しだな。」


「ええ…」



「結局、ランシェにはこっちに残ってもらうことにした。」


「それで、また俺がここに呼ばれたのか…」


「そう言うことだ。」


「ユヤンドに行くまでは待機ですね。」


「えー ダンジョンに行って稼ぎてぇよ。」


「適当に行って来い。だが、行く場所は凛に必ず伝えておけよ。」


「本当か⁉︎」


「ああ…星十には行くなよ。」


「それくらいはわかってる!!!」


「いや、やらかしそうな感じがするからな。」


「うっ」


「適当に凛は見張っていてくれ。」


「うん。」


「ランシェ、グランを連れて行け。あいつの部下もついでだ。」


「わかった!じゃあ、明日から行って来る!!!」


「あんまり、迷惑をかけるなよ。」


「おう!!!」


(かなり、心配だ。)


「それにしても、聖女からの要請って怪しいな。」


「罠かも入れないわね。」


「だが、どうせ、ユヤンドは落とすからな…」


「身捨てるのもなんか、後味が悪い気がしますし…」


「難しい所ですね。」


俺、凛、ランシェ、瘉沙、シュハイツが悩んでいる問題はそこだ。これが本当のことなら良いんだが、もし罠だとすると、メンバーを揃えていかないと緊急時に対応出来ない場合があるのだ。こちらからコンタクトを取りたくてもこれが本当なら聖女に迷惑がかかる。


「ひとつ、良い手を見つけたんだが…」


「流石、練!!!で、どういう作戦だ?」


「失敗する確率が高いんだが、どうする?」


「一旦、話してみて、考えれば良いだろ。」


「そうか…どうにかして俺が聖女と接触して聖女と会話をして、本心を探る。で、ユヤンドを落とす時に凛が遠視で確認していれば、上手く行く筈なんだが、どうだ?」


「練を聖女と接触させるのは難しいぞ。」


「そうですね。どうすれば周りに気づかれずに接触できるのか…」


「だが、保護出来たら、聖女はウチのクランに入る可能性が高いはずだ。そうすると第四部隊の隊長を任せられるかもしれない。」


「凛は隊長を辞めて本格的に練の副官になるってことだな。」


「そう言うことだ。」


「なら、夜にこっそりと入るか?」


「練が行って、もし罠なら反撃すれば逃げれるだろ。」


「じゃあ、カタリナが終わったらすぐにユヤンドに俺が行く。で、夜に活動すればなんとかなるだろ。」


「そうね。」


「一旦、カタリナの方を終わらせるか…」


そんな感じで小さい会議ば終わった。




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