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漂流冒険者ドロップアウト  作者: 和蔵(わくら)
第一章 漂流者は自活の道を歩みだす
2/5

1-2 なんで、こうなった?

俺は、この流され着いた世界でデルパー(冒険者)銅二級で登録したが、まだ仮登録の状態だった。


 仮状態の状態になった経緯は、こうだ。


 使用する武器の項目が空欄のままだったからである。空欄では依頼者に説明する時に説明が出来ないからとの理由からだとか……


 元の世界で使っていた武器はメインウェポンは両手剣でサブウェポンは片手剣と盾だったのだが、魔物の大暴走(大移動)時の戦乱で両方とも破損《折れ曲がる》しており、武器としては破棄する状態だった。その事を知っていたパトリックとリリクはリノに対して有難い提案を持ち掛けてくれた、


 戦場に残されていた武器と防具の全てはマーギュリット国が鹵獲しており、武装解除してから残された遺体は火葬してから埋葬をしたとの事だった。その鹵獲品をリオの為に格安で譲ると持ち掛けてくれたのである。


 その提案はリオは、納得いかなかった。返却なら筋が通るが、買い戻せと言われては筋が通らないからである。でも、この世界は元居た世界ではない別世界だ。これが此処の流儀だと、内心での怒り表には出さないようにしていたが、リリオ達には筒抜けでだったみたいでパトリックはリノに説明しだした。


「自分達の武器を返却もしないで、買い戻せと言うのは筋が通ってない事は承知しているが、先の魔物騒動は国軍が退治したとなっており、国軍が鹵獲した物を横流ししては、リリクや私が罪に問われるてしまう。リノ殿は実直で勤勉なのは従軍した兵は皆しっておる。そこで話は買い戻すステム(おかね)がないのでは話が進まないであろう。そこで相談なのだが……」


 リノは、何故話が進まないのにデルパー共同体事務所に連れてこられたかを察してしまう。つまりはこの先の話をリノにする為に、態々手の込んだ仕込みをしたのだと気が付いた。


「数日後に魔物の討伐があるのだが、そこでリノ殿には回復術士として従軍してもらいたいのだがどうだろうか?報酬はリノ殿達が使っていた武器防具一式で手を打っては貰えないか?」


 リノはパトリックが言いたい事がわかると了承すると告げた後に付け加えだした。


「自分が使っていたベルトバックとショルダーサックも返して貰えるのですか?いや……報酬に追加して貰いたい」

 

 パトリックはリリオにバックとは何かと問いただしていた。そこで二人でのコソコソ話が続いていたがパトリックが納得したのかリオにバックも報酬として渡すと言質を取った。


「リリクに《《何も入って無い》》ベルトバックとショルダーサックだったと聞いたが、リオ殿にとっては何か思い出がある代物だったのかな?」


「あれは死んだ仲間の物です。自分の物は戦場で何処かで失くしてしまい、死んだ仲間の物を使っていましたので……」


 それだけ言い終わるとリノは黙ってしまい悲痛の顔をしたまま俯いてしまう。


「そうか……それは、すまぬ事を聞いてしまった。許してくれ」


 リオをパトリックの謝罪を受け入れて、任務の概要をパトリックに詳しく聴くことになる。


「先程は数日後と言ったが、正確に言うと六日後には第一陣が出発する事になる。その第一陣の後発隊として第二陣が七日後に出発するのだが、私は第一陣で出るのだがリオ殿は第二陣でリリクが率いる歩兵小隊二百人と荷馬車隊と共に出立して欲しいのだが。よろしいか?」 


 リノは任務を理解した上で了承したと告げると、身を守る物を貸して貰いたいと懇願した。


「それなら回復術士が携行している装備を貸し出そう、それで宜しいかな?」


 そう言うと三人はデルパー共同体事務所から立ち去ってしまい、後に残された親方は噛ませ犬にされた事を何時もの事だと割り切ってしまい業務に戻って行ってしまう。

「お貴族様は平民をダシにして話を進めたがるクセをどうにかして欲しいものだ」


 親方はボソボソと誰にも聞こえない様に独り言を呟いていた。


ーーーーーーーーーーー


 そして三人が着いた先はと言うと、兵舎の隣にある武器庫に来ていた。リノの貸し出す装備を見繕いに来たからであった。リリオが武器庫の奥から取り出してきた物は、古びていたが堅実な作りの鎖帷子とメイス(鈍器)そして丸盾で兜は皮の帽子と言うのが回復術士の装備一式だった。


「鈍器かぁ……鈍器ねぇ……使えないって訳ではないが‥‥‥鈍器……間合いが短いのがなぁ……」


「リノ殿は前線で戦わないで後方で負傷者の治癒をしてもらいたいのですがね……」


 リリオはリノが回復術士が何故、前線で戦いたがるのかが理解できなかった。そこは文化の違いがあるのだろう。リノの世界では治療魔法の使い手でも前線で戦っていたからなのだが、リリオには、そうした事は分からないのだから仕方がなかった。この世界の治療術士は後方での負傷者を治療するのが役目で、戦うのが役目ではないからだ。


 第二陣が出陣するまでの間にリノはメイスでの戦闘を想定しての戦闘訓練をして、メイスでの動きを身体に覚えさせていた。最初は間合いが分からずに空振りが続いていたが、元々は戦闘職のリノは徐々に戦いの感を取り戻していく。


 ~~そして出発の日になる~~

 

 

 道とは言い難い道が出来上がっており、それを進み始めると数刻もすれば平原から森に足を踏み入れていた。森の中では動物が走り回り、長閑《のどこか》だが視線を感じる。狼か狐かそれとも魔物か……視線だけは感じていたが、姿を現す気配はない姿を現す時は、それは狩りの時だけだろう。目的地まではマーギュリットから半日と聞かされていたが、そろそろ目的地に着くころ合いだ。


 歩みを進める事半刻、木々が開けた場所に出ると馬の嘶きが木霊しており、騎兵が物々しいく駆け回っていたからだ。指揮官は号令を発しながら戦い、負傷兵は従卒か従者が分からないが後方に運び込む光景が目に入ってきた。


 リノ達回復術士は、直ぐに治療所に入り負傷者の手当を始めだす。酷い物は内臓が外に飛び出していたり手足が千切れかかっていたりと、負傷の具合は千差万別であった。そこは正しく最前線の治療所だった。負傷者の中には、見知った騎兵の姿も見受けられた。


「もう大丈夫だ。俺を見ろ!俺を見ろ!意識をしっかり持て!死ぬんじゃない」


 リノは治療を始めたのは知り合いの騎兵だった。轡《くつわ》を並べて戦った事は無いが、豪快に笑う印象が強い者であったから記憶に残っていた。リノは直ぐに負傷した箇所を消毒《煎じた塗薬》してから《《癒しを》》 と口にした。傷口は塞がったが失った血は戻る事はない。その騎兵は治療を終えたら、直ぐに荷馬車隊の馬車の中に担ぎ込まれた。彼は安静にすれば数十日もしない内に戦線に復帰ができる。


 その後は、負傷者の手当が続き、気が付いたら日も落ちてしまい、従卒が持ってきたパンとスープで、もうそんな時間になってしまったのだと気が付いた。


 リノが食事をしていると、誰かを探す声が聞こえてきていた。


「バーンズ!バーンズ!どこだ!バーンズ~」


 それが自分が治療した騎兵の名前だった事を思い出すと、仲間を探す騎兵に声を掛けていた。


「よう!そこの騎兵殿、バーンズって騎兵殿なら向こうの馬車の中で安静にしてるはずだぞ」


「そうか!そうか!生きていたか、バカ野郎が心配させやがって……」


 そう言うや、リノに敬礼した後にバタバタと馬車の方向に走りさってしまう。


 戦場では良くある光景だったのでリノは、座りなおすと食事の続きを食べ始めた。こうして到着初日は慌ただしく過ぎていき、夜も更けた時刻になると怪しげな葉の擦れる音が、何者かが陣地に近づいてくるのを知らせる。


 ガヤガヤと騒がしさの中でもピリリと空気の流れを感じた者は、何人か居たらしくすぐさま戦闘態勢の号令が陣に響き渡っていた。リノは残りの食事を全て口の中に流し込みながら咀嚼しながら気配を探り始めだしていた。


 ノシノシと余裕の態度で姿を現したのは、人型の魔物だった。元の世界では巨人族と呼ばれていた種族に近かったが、リノは四本腕の巨人を見るのは初めてだった。それも魔物は一体だけでなく、何体も出現しだしていた。


 弓兵が矢を射かけ、魔術兵が呪文を放ちながら、少しずつ巨人の数を減らしていくが包囲された状況では、何処かに穴が開くのは仕方なかった。その開いた穴とはリノが居た治療所の横だった。


 警戒はしていたが、最初に蹴散らされた場所が穴になってしまい、ドンドン傷口が広がるかのように綻びが拡大し始めていた。もうここまで広がってしまうと塞ぐのは困難になるのだが、そこに居合わせたのがリオでなければ瓦解していた事だろう。


 そして、装備していた物が鈍器だった事も幸運だった。巨人には斬る突くの効果が薄く。そうなると潰すと言う選択肢しかなかった。


 リノは身体強化で身体を覆うと、直ぐに巨人の足元まで駆けだした。そして足元に辿り着くと踵にメイスを振り下ろして踵を潰すと、逆の踵も潰し、巨人が歩けなくなり膝をつくと、巨人の顎を粉砕してしまっていた。


「潰すより、斬った方が早いな……」


 リノはブツブツと何か言っていたが、その声は誰にも聞こえてはいなかった。そこからはリノが通った先々で巨人が地に伏せてバタバタと暴れているだけの状況になってしまう。


「止めは任せた!」


 リノは兵士に、そう言い残すと暴れている巨人に向かって走り出すを繰り返してから半刻過ぎには、夜の静寂が陣に戻って奇麗な月が《《五個》》も見える澄通った夜に戻っていた。


「月が五個もあるのか、この世界は不思議だ……」


 そんな事を小声で呟いていたら、見知った顔が月明かりに照らされて近づいてくる。


「リノ殿、先程の戦いは見事でしたな、騎兵は夜に戦う物ではないと痛感しました」


 そこには額から血を流しているのに、事投げもないと風に歩いてくるパトリックの姿がリノの目に飛び込んでいた。リノはパトリックに椅子に座るように促すと額を消毒してから治療を施しだした。


「この世界では、騎兵は夜戦も熟せるとは凄い熟達した人達ですね」


 リノが夜戦を行える騎兵を褒めるとパトリックは苦虫を潰した様な面になり俯いてしまう。


「夜戦で騎兵を使うのは危険が多く、普通の部隊長ならしないですよ。今回は夜襲を許してしまったが為に、苦汁の決断をしたまで……」


 パトリックは俯いたままでリノに返答していた。部下が犠牲になった事を推測したリオは、何も言わずにパトリックの治療を続けていた。そうして治療を終えたパトリックはリノに感謝の言葉をしてから治療所から天幕に戻って行ってしまった。


 こうして一日目の夜は過ぎて、次の朝を迎える。


 朝食を終えると国軍は負傷者を首都まで後方輸送する為にパトリックの指揮する騎兵隊と荷馬車隊は大急ぎで帰ってしまう。残されたのは、リリクの歩兵隊百人と少数の騎兵に大工・木こり・石工・鍛冶屋・農民と言う非戦闘職の者達だった。


 この非戦闘職の人間が何をするかと言うと、開拓村を作る時に必要な最低限の職業の者達だとリノは直ぐに気が付いていた。護衛をしながら塀を建築し掘りを掘って砦にした後に内部か外に塀を増やして村にする予定なのではないかと察してしまう。


 魔物に襲撃されたら、急いで砦に逃げ込めば命は助かるし、戦う戦力も増える。そう考えたら《《なるほど》》と合点がいく、まさにリノが居た世界の開拓村の始まりの光景だったからだ。


 建築が開始されても魔物の襲撃は続いていた。建築する音が煩いからか魔物が近寄ってきてしまう。そんな魔物との戦闘も危なげなく処理されていき、リノは暇を持て余すことになる。


 そう人間に取って暇とは危険な物だった。何もする事が無いと人間は、自ら危険に飛び込んで行ってしまう時があるかもしれない……


「あの笑いながらメイスを振り回してるアンちゃんって誰だべ?」


「オラがそんな事知ってると思うか?」


「「だよな~」」 


 溝の穴掘りをしていた農夫達は笑いながら作業を続けだしていた。


 

ーーーーーーーーーー


 それから一月は経った時ぐらいに、ある報告がリリクに知らせが届いた。


「それはまことか?もしも間違いだったでは済ませられないんだぞ?」


「はい、間違いないかと、迷宮です」


 そう聞いたリリクは首都へと直ぐに騎兵を報告に走らせたのだった。


 

王宮の一室で迷宮の発見が持たされた事で、その場に居た者達が色めき合って王に詰め寄っていた。


「私にめに、どうか下知してくださいませ王よ!」

「いやいや、私の方がこのお役目にふさわしいかと」


 王は呆れていた……自分達では資金も出さなかったのに、いざ迷宮が見つかると、手の平を返したように摺り寄ってくる貴族に辟易《へきえき》していたからだ。


 開拓村を作ると王が決めたのは今年の初めの頃であった。準備に準備を重ねてやっと行動に移せたと思ったら、甘い汁を吸いたい蛾が集まってきたのでは王家に旨味が無いからである。


 漂流者が現れしとき幸運が舞い込んでくる。

 

 この国には、漂流者とは富を運んでくる者達だと信じられていたからだ。だから王は小さな時からの野望を行動に移した。だが、蛾も集まっては自分の野望の邪魔でしかなかった。領土を増やしても王家で独占できなければ意味がなかったからだ。

 

 そこで王は一計を案じる。


 野望の無い者に、第三王子の後見人にして開拓村に送り出せば、第三王子は代官に据えて王家が旨味を吸い上げる事が出来るのでは?っと王は考えてしまう。


 そうして人選を考えに考えた結果は、後見人は王弟《おうてい》にして第三王子を代官にする事が決まる。だが未だに砦の完成までには時間が掛かるとの報告が入ってきていたので、王は代官を送り出すのは来年になってからと決める。


 「このまま上手くいけば四男にも開拓村の代官をしてもらい、領地を増やして行きたいものだ」


 王は一人静かに口ずさむだけであった。



 そして王都から開拓村に話は戻る。


 

 砦の一室でむくつけき男(荒々しい男)共は、雁首を並べて会議をしていたが、意見が纏まらないでいた。


「だから、早い話が迷宮の調査をすれば早いって事だろう?」


「何を聞いていた。王命があるまで待機してなければ罰せられると言っておろうが」


「そんな事より魔物が出てこない様に一時的にでも入口を塞げば、これ以上の負傷者が増えないのだから、直ぐに塞ぐべきだ」


 リリオが宥めすかし、副長が強硬策を訴え、欲の無い者は仲間の事を考える。そして何故か同席させられたリノは困惑した面持ちで隅に座っている。


「どうして、こうなった……」


 リノは考えた、何故こうなったのかを。そして、思い出していた。四本足の魔物を突進で吹き飛ばした先に洞窟があった事を……そうリノの暴走が巻き起こした自業自得の出来事であったからだ。


 (発見者が会議に呼ばれるのは当然ですよね。詳しく事情を知ってるのは発見者ですからね)


リリオに呼び出されて言われた時の言葉だった……それも、こめかみに青筋が浮ていたリリクが怖かった。


「少数精鋭で迷宮に潜ると言うのはどうだろうか?内部構造も分かっていれば後々に益を齎《もたら》す事にも繋がるのだから……」


 リノは今までの迷宮探索での経験を生かして、そう提案してみるもリリオは渋い顔をしたままで、頷くことはしなかったが、副長の一人のアランと言うリリクより少し若い青年だけが、ウンウンと頷いていた。


 そして、もう一人の副長のルークは、迷宮から魔物が出てきてる事に対しての危険性を主張したままでリノの意見には聞く耳を貸さなかった。


 そうなると会議は平行線を辿ることになる。


 そうして無駄な会議を続ける事一月、ついに任期満了になり首都に戻る事になってしまい迷宮は、その後着任した者へと引き継ぎされた。


 交代する部隊は、リリクの歩兵隊と一緒に来ていたが、負傷者を護衛して帰還した歩兵部隊だったので引き継ぎは難なく済ませられていた。


 リリクの歩兵部隊は一度首都に向けて帰還の徒に付く。帰り道は何事もなく負傷者も居なかったので首都までは半日で到着できていた。


 そして、やっとリノは報酬を手に入れる事と、追加報酬が支給されたのだった。



ーーーーーーーーーー


 王の執務室にて


 その部屋には王と宰相二人が椅子に座り真剣な面持ちで、漂流者をどう遇するかと意見を交わしていた。


「やっぱり、ここは王家に取り込むのが宜しいのでは?」


 宰相は漂流者を懐柔する様に提案するが、王は渋っていた。


「だが、娘はまだ十歳の姫しかいないのだぞ!それに漂流者はもう青年と言っても良い年だと聞いたのだが?」


 訳すとこうなる


(うちの娘幼すぎるから、おめ~の家から誰か出せよ)


「王よ、うちの娘達は皆他の貴族家に嫁いでおりまして・・・歳が近い女子が居りませぬ……」


「そうか……それなら、見栄えが良い貴族子女を出すのは駄目か?」


「……見栄えが良い子女ですか……はて、誰か居ましたかな?」


 この体たらくである。


「ならば、爵位を授けてみてはどうでしょうか?」


「迷宮発見だけで叙爵《じょしゃく》すると、他の貴族が煩いしな……もっと手柄を立ててくれば、叙爵の話をだしても他の貴族は何も言うまい」


「たしかに……でも早めに王家《我々》側に取り込まねば、他家がちょっかいをかけてしまいますぞ」


「こまったの……何とかならないものか……」


 こうしてグダグダな話し合いは続くのだった。  



ーーーーーーーーーー


 王宮でリノが話題になって真剣に話し合いが交わされていたと、つゆ知らずにリノは兵舎の一室で報酬の話を代官としていた。


「今回の従軍の報酬は、そちの申した物で良いのだな?」


「武器防具にベルトバックとショルダーサックを報酬で貰う約束をしている」


 そう言うと代官は立ち上がり、付いて来いと促してきた。そして武器庫まで来た時にリノは懐かしい仲間の武器防具を目にする。防具は使える部分のパーツで全身を覆って、武器は使えそうな物を選ぶのに時間を取っていた。どれもこれも刃こぼれや歪みがあったからだ。


 そうして居る内に代官は、次の仕事があると言い残して従者に後を任せたのちに帰って行ってしまう。最後に手にした武器は片手半剣《バスタードソード》だった為、盾は、小型盾《バックラー》を貰うことにした。それとライトクロスボウも一式貰うことにした。


 それとベルトバックとショルダーサックを忘れずに貰い受けた。


 最後に従者からステム銀貨を百枚《金貨十枚》を手渡されてしまう。この百枚の銀貨は迷宮発見の報酬として出された物《お金》だった。



 そして、リリクの執務室にリノは足を運んでいた。


「なるほど、話は分かりました。その武器防具を調整したいから腕の良い鍛冶師を紹介して欲しいと言う事ですね?」


 リノは頷くと、リリクは椅子から立ち上がり、直ぐにリノの前を歩きだして工廠《こうしょう》までリノを案内し始める。


「こりゃ~大分使い込んでるなぁ~、どれもこれも別々の鎧のパーツじゃねかよ……どうするかねぇ~」


「兄貴頼むよ!この人の装備の調整を頼める腕利きとなると兄貴しかいねぇ~んだわ」


「俺を兄貴と呼ぶな!継ぎはぎだらけになるが急所だけは守れる様にはしといてやるが、耐久性までは保証はできんぞ」


「無理を言ってすまん兄貴!」


「お前を義弟とは、まだ俺は認めてねからな!俺に酒勝負で勝たら認めてやる」


 どうやらリリクの身内に仕事を依頼したみたいで、腕は確かなようだ……武器防具の整備が終わるまでには二十日前後掛かると言われたのだが、


「いくら俺の組でも二十日もあれば仕上がるけど、納期を短縮するのなら親方に相談してから、同じ職人頭と仕事を割り振りしたら行けるか?」


 義兄はリリクの無茶な注文を考えた末に、親方と話をしてくると言うと近くの階段を上がりだしてしまう。リリクも義兄に付いていくのでリノも釣られて階段を上りだしていた。


 そして、義兄は親方と思しき人物を見つけるや直ぐに事の顛末を話し出していた。


「そんな横車押されてもな……こっちとしても困るんだよ……リリク(娘婿)が持ってきた話だから無碍にも出来んのだが、どうした物か」


 親方は暫し沈黙したまま考え始めてしまう。そして、目を開くとリリクに話しかけていた。


「リリク、お前の歩兵隊の修理の期間が延びるから、それで、そこのあんちゃんの装備を大急ぎでしあげてやる」


 これにはリリクも動揺してしまうが直ぐに親方《義父》に、それで話を進めて欲しいと伝えるがリリクの頭の中では、副長のルークから叱られる図が脳裏に思い描かれていた。


 こうしてリノの装備は大急ぎで仕上がる事になり。八日後に取りに来ると言い残すと、リリクと一緒に工廠を後にするのであった。





==========


あとがきになります。


何故パトリックがデルパー共同体事務所に連れて行ったかと疑問に思う人が居ると思います。


パトリック達マーギュリット人は、建前で外で働いても大丈夫ですよ。安心してね囲ったりしないからね!って感じでデルパー共同体をダシにしてます。

本音は:軍の仕事をしたから、これからも手伝ってほしいな・・・チラッ


デルパー共同体は本当に噛ませ犬ですよねw


お読みいただき、ありがとうございました。


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