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「……七個目は、まあ、七不思議を全部知ると死ぬ、みたいなやつなんだけどさ」
六個目が飛ばされた。もしかして、六個目は知られていないのだろうか? 七個目が七個目だし。
口ごもっている琴葉ちゃんに代わって、「六個目かは知らんけど、それ以外の奴なら知ってるわ」と鴻巣本くんが弁当を片付けながら言う。
……もう食べ終わったんだ、流石に早過ぎない?
なんて、ちょっと場違いなことを考えていたのもつかの間。
「確か、放課後に、白いランドセルを机の上に置いた子が残ってて、そいつに話しかけると殺されて学校をさまよう、みたいなやつだったよな。白いランドセルの子がいじめられっこで自殺して、友達を欲しがって探してる、みたい、な……」
最後まで言い切ってから、鴻巣本くんがやらかした、みたいな顔をして、黙った。
琴葉ちゃんが六個目を飛ばしたのは、七個目の噂を成立させるために全ての七不思議が存在しないからでもなく、ましてや、忘れたからでもない。
自殺したいじめられっこ。
まさに、マネキンの呪いの始まりの部分。
マネキンの呪いを思い出させる内容だったから、琴葉ちゃんはあえて言わなかったのだろう。けれど、鴻巣本くんが口を滑らせて、琴葉ちゃんの気づかいは無駄になってしまった。
無言で久慈くんが鴻巣本くんの頭を軽くはたく。琴葉ちゃんは、さっき縛って小さくなった、パンの袋のごみを鴻巣本くんに投げつけていた。
「え、あ、えー……。そ、そうだ。りっちゃんは? りっちゃんの方は、小中高って、全然この辺の学校じゃないだろ? 何かそういうのあったか? 前の学校とかで」
「あ……」
前の学校。
せっかく、部活の話のときに、琴葉ちゃんの話をそらせたのに。
でも、転校生という立場上、こうやって、前の学校のことを聞かれるのは、何一つおかしくない。普通のこと。
でも――でも。
「……な、なかった、かも? あったとしても、そう言う話をする友達、いなかったから、分かんないかな」
ぬるり、とわたしの口から出る嘘。
そう言う話をする友達、どころじゃなく、そもそも、友達自体が、いなかった。
いなくなってしまった。
嘘をつくのは心苦しかったけど、でも、それ以上に前の学校の話はしたくない。
せっかく皆と友達になれたのに、前の学校のことが知れて、友達じゃなくなってしまうのが、何よりも嫌だった。
嘘をついた罪悪感をごまかすように、わたしは弁当を片付ける。ただじっとしていることができない。
わたしが弁当を片付け終わるとすぐに、昼休みを終えるチャイムの音が鳴る。




