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最後に、「せっかくだからメッセージアプリでグループ作っておこ!」と琴葉ちゃんの提案でグループを作り、わたしたちは解散した。帰路につきながら、ぼんやりと、学校のことを考えていた。
祖父母の家でお世話になるのなら、転校した代古北高校以外に通うのは、あまり現実的じゃない。徒歩、あるいは自転車を使って通える距離の高校はあそこしかないのだ。
代古駅まで、バスを使っていたら一般的な学校の始業時間には間に合わないし、祖父は去年運転免許を返納していて、祖母はそもそも免許を持っていない。だから送迎は頼めない。毎日タクシーを使うのはもっと無理。
代古駅の向こう側に、代古南高校があるけれど、祖父母の家から代古駅に行くまでに、タクシーでそこそこお金がかかるような距離。さらに同じくらいか、それ以上代古駅から離れている代古南高校へ行くのは、相当大変だろう。
普通に考えたら、代古北高校へ通うのが一番なのだ。徒歩で十五分くらいの距離にあるし。
「というか、南校って私立だし、偏差値的にも……わたしはちょっとな……」
代古北高校よりも、代古南高校の方が偏差値が高い。頑張って勉強をすれば入れるくらいの差でしかないが、常に勉強を頑張り続けなければ追いつけない学校なのに、登下校でかなり時間を取られるというのは、通うのに現実的ではない。
それに、私立だからお金もかかるだろうし。離婚で、両親のお金がどう動いたのか、子供のわたしには分からないけれど、新生活を強いられているのはわたしだけじゃない。父に余計なお金を使わせるのは、抵抗がある。
「そもそも、呪われるって決まったわけじゃないし……」
気味が悪いものがあって、それに呪いの噂があるのは事実だけれど、わたしに実害があるかというと、まだ、ない。一応。……テストのときに見られていたアレは、違う、よね?
ひと気のない、帰り道。田舎だからか、人通りが少ないのは当たり前なのに、なんだか示し合わせたようで、気持ちが悪い。
わたしは少し駆け足で、祖父母宅に帰る。
わたしが家に着くと、丁度、郵便受けに祖母が新聞の夕刊を取りに来ているところだった。
「おかえり。今日は遅かったね? 興味のある部活でもあったかね?」
「ただいま。……ううん、ちょっと、友達と寄り道してきて……」
話の内容は、聞かせられない。随分と嫌な話だし……わたしも全部を信じたわけじゃないから。身代わり人形の呪いが気持ち悪いのも、皆がそれを信じているのも事実だけれど、実際に誰かが呪われたところを見たことがないから、心の底から納得できたわけではない。
……そう思わないと、やっていけない。
「あら、良かったねえ。今度はちゃんと、友達、たくさんできるといいねえ」
「……うん」
まるで自分のことのように喜ぶ祖母に、わたしは、ますます学校のマネキンのことを、言えなくなってしまった。




