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二話 ファイアバード

燃え盛る炎。


その炎は更に勢いが増す。


それは焔になりそうな勢いで燃え盛る。


その炎の向こう側に微かに認識できる人影─。



パンッ! 


パンパンッ!!



乾いた銃声が反響─




◇◇◇



<科捜研>


シンマ「─という感じで、いつものアステリさんとは全然違う一面を見ました」



智恵子「そう…もしかしたらエレの事を…」



私は科捜研のプロファイラーチームに所属していた。


アステリもそのチームに所属していた。 


微表情学、心理学、統計学等から犯人像を割り出すチームの精鋭だったが、ある事件をきっかけにチームは解散した。

 

彼女は良く、感情というものは無駄で不要と語っていたが、自分以外を動かすには感情が重要と知り、論理一辺倒では効率が悪いと占いを導入し物語性を取り入れたのだと。


私は彼女の事を純粋に自らの知的好奇心を満たすためだけに生きていると思っていた。 


周りからもマッドサイエンティスト女と揶揄されていた。


そんな変人と馬が合うのか、エレは彼女と二人で居るのを良く見かけた…。


…二人だけで…。


エレは誰よりも悪を嫌っていたチームリーダーであり、天才的な知能と心理操作能力と人心掌握術を持っていた。


彼は犯罪者との接見を繰り返し、人間を深く観察していくうちに彼自身も奈落の深淵を見て心を蝕んでいき黒く染まってしまった。


いや、元からなのか? 


私には分からない。 


人間の悪意や心の闇に触れ続けた結果、エレのように心が蝕まれて黒く染まってしまうリスクと隣り合わせなのかもしれない。


心がドス黒くならない者もいる。


他者の心をハックする人間ほど、自分自身が人間の暗部に呑み込まれる危険性を孕んでいる。



彼はある事件現場で身柄を拘束され心に悪魔を宿した者として封印された。



周囲から変人扱いされるアステリと、天才的ゆえに人間の闇に呑まれていったエレ。

常人には到底理解し得ない領域の天才同士だったからこそ、彼らは自然と引き合い、深く共鳴し合っていたのだろうか?


その二人だけの世界があったからこそ、エレが闇に落ちてしまったとき、アステリもまた深いショックや因縁を抱えることになったのだろうか?


私は大丈夫だった?


私だけ…。


私だけは…。



二人だけの世界


……


あの二人だけの世界



………



◇◇◇



焼肉屋おっさん「お嬢、今日もいい食いっぷりだねー!いつもの脂身だけスペシャルサービスしてやる!」


アステリ「お兄様〜!ステーキ!」


シンマ「……」



アステリ「どうしたのだね?深刻な顔して」

 


シンマ「いや、良く食えますね…。あんなの見て…」



アステリ「腹が減っては何とかはできぬというではないか?それに脳が糖質とタンパク質を欲しているのでねぇ。ま、その内慣れるさ。時間というのはなんでも飲み込む」 


智恵子「おっつー。今日も食い散らかしてんなー」


シンマ「お疲れ様です。もう特盛ご飯三杯目ですよ…」


アステリ「食わにゃ痩せてしまうのでな。常に脳みそ君はワーキングプアなのだよ」 


智恵子「それで、立てこもり犯はどこにでもいるような若いやつだったと…」



アステリ「こっち側にしかあの情報は無いはずなんだがねぇ……」



智恵子「……」




◇◇◇


鳥になりたかったな。


鳥なら自由にどこにでも行けるのに。 


このまま羽ばたけば……もしかして……


そうだ、やってみないと分からないよね。


もしかしたら本当に飛べるかも、そうじゃなくてもイチゴジャムになるだけだし…。


———


続く


———

読んでいただきありがとうございます!

もしも少しでも面白いと思っていただけましたら評価やブックマークや感想などいただけると嬉しすぎますので是非お願いします!

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