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乙子ルート 第7日目⑤

 普通こんなにケンカばっかやってたら、浮いた存在になるのが普通だけど、オレの親しみ易い性格には関係なかったようで、クラスでは普通にいじられてました。


 まあ、主に達人と乙子のおかげだけどさ。


 達人は女子にそこそこ人気があったし、乙子は黙っていれば美少女な外見と裏表のない性格で周りから好かれてたから。


 そんな割と人気者の二人とよくからんでるオレがハブられることもないわけで。


 周りからは「ケンカばっかりしてるあぶないヤツ」ではなく「モテモテの達人や幼なじみ美少女の乙子とよくからんでるちょっとアホな子」くらいの認識だったと思う。


 基本不良としかケンカしなかったし、日頃のオレは穏やかな好感度好少年だったんで。 本当だよ?


 長い回想でごめんな。


 でも、伏線はきっちり回収しておきたいわけで。


 最近のマンガとかアニメの伏線投げっ放しで終了とか許せんわけですよ、オレは。


 お前ら金払って見てもらってんじゃないの? 製作側の都合でブン投げるとか楽しみに見てくれてる人に失礼だろ。


 とか、まあその話は置いておいて。


 遊園地に行った時は肉体的(って言うとなんかエロいな……)にDQNから、そして今は精神的に雷から乙子を守ったから、オレの深層意識が「乙子を守れる強い男になった」という条件をクリアしたと認識したんだろう。


 まさか、オレの記憶を封印していたのがオレ自身だったなんて夢にも思わなかったわけで。


 たとえれば、主人公(に近い人間)が犯人の推理ゲームみたいなもので、これは「ポ○トピア連続殺人事件」以来のサプライズだ。


 え? ネタが古い? お前本当に十代かって?


 失敬な。オレはピチピチのナインティーンですよ? もうすぐハタチだけど。


 今までのオレには二つの人格が存在していた。


 わかり易く説明するために八才までのオレを「貞君A」、さっきまでのオレを「貞君B」、そして今のオレを「貞君・ネオ」としよう。


 え? 最後のだけなんか違うって?


 いや、なんかそっちの方がカッコ良さげだからさ。


 脱線したな。話を戻そう。


 その二つに分かれていた人格が今一つになった。


 わかり易く説明すると、神○とピッ○ロ大魔王が融合したようなものだと考えてほしい。


 え? ドラゴ○ボールネタが多いって?


 しょうがないだろ、ストライクにジャ○プ世代なんだから。


 倍とかじゃなく一気に数百倍のパワーアップ。


 ここでは戦闘力とかじゃなく、乙子への気持ちな。


 もちろん、乙子のことは幼なじみとして大切に思ってましたよ?


 でも、それは恋愛感情とは全然違った気持ちだったわけで。


 今のオレ、「貞君・ネオ」ははっきり言って、乙子を愛してる。世界中の誰よりも。


 それはともかく、どのくらい違うかというと、「ゲッタ○ロボ」と「チェインジ・ゲッタ○ロボ」くらい違う。


 「ゲッタ○ロボ」も素晴らしかったが、「チェインジ・ゲッタ○ロボ」はさらにそれを超えていた。


 まあ、そういうことだ。


 今までのオレ「貞君B」の乙子を想う気持ちも弱くはなかったが、「貞君・ネオ」のそれは「弱くはない」などという中途半端なものではなく、乙子のことだけを滅茶苦茶想っている。もう乙子しか目に入らない。


 そんなわけで、今のオレには乙子へのあふれる思いを止めることなんてできなかった。


 物事には流れとかタイミングとかがあるわけで。


 今のこの機会を逃してしまったら、オレは一生乙子に告白できないような気がした。

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