乙子ルート 第7日目④
「守るものがあると人は強くなる」というのは本当だと思う。
小学生の身でありながら、中学生にカツアゲされた友達のゲームソフトを取り返しに行ったり、中学生の身でありながら、理由もなく高校生に袋叩きにされた友達のお礼参りに単身その高校に殴りこみにいくような少年でした。
そんな日々の中でオレに新たなあだ名が。
「なに見てんだ、ゴラァ!」
♪ある日 街の中 ヤンキーにからまれた
二人連れです。
ところが、もう一人のヤンキーがそれを止める。
こっちの方はオレに絡んできたのより理性があるっぽい。
「やめとけよ、お前じゃ返り討ちにされんのがオチだ」
「ああ!? オレがこんなシャバいヤツに負けっかよ!」
「そんなナリしてっけどそいつ『リベンジ王』だぜ……」
「『リベンジ王』? こんなヤツが!?」
驚いた顔をするヤンキー。
オレは不良でもなんでもなく、いかつい格好もしていない。
本当にどこにでも歩いてそうなただの男子学生だ。
それなのにケンカは百戦錬磨。
それがとても意外だったらしい。
「わかったら関わんな。そいつの気が変わらねー内に行かねーと狩られるぞ」
「ちっ、わかったよ」
すごすごと退散していく二人組。
無駄な争いが避けられてよかった、よかった。
どんなにボコボコにされても負けた翌日は必ず再戦しに行っていたので、ボコボコにされる度に相手の方が引いていきました。
負けるにしても必ず「鼻血が出ても泣くまではしつこく鼻パンチ」とか「生え際を二㎝後退させる」とか常に目標を設定してリベンジしに行っていました。こっちもそれなりにボコボコにされてるわけですから、相手も無傷では済ませませんよ。
そんなわけで相手はオレとケンカする度に嫌でもこう思うわけです。「こいつはマジでヤバイ」、「こいつと関わっちゃいけない」と。
そんな風に、けっこう有名だったからな。地元では。
負け知らず、じゃなかったけど絶対に負けっ放しじゃ終わらなかったから。
さっき説明した通り、ケンカはオレが勝つまでやり続けたんで、その内オレにケンカを売ってくるバカはいなくなりました。




