乙子ルート 第6日目⑧
⑧
やはり、海とくればスイカ割り。これは外せないわけで。
「ここは『アルティメット・スイカワリスト』またの名を『必割スイカ割り人』のオレに任せてもらおうか」
スイカ割り隊・一番隊隊長のオレとしては真っ先に切り込みたい。
「局長、先陣はわたくしめにお任せ下さい」
隊なのに何故か局長である達人に許可を求める。
本当は別に許可とか取らなくてもいいんだけど、その辺はなんとなくノリで。
「問題ない。存分にやりたまえ」
オレのノリに合わせ、某特務機関の司令のごとく答える達人。
さすがにわかってますね。
「はっ、しからば」
そう言って目隠しを準備。
もちろんマイ目隠しを持ってきてるオレ。
問題がないかどうか他の人に確認してもらう。
「大丈夫。透けたりしてないわ」
布がちゃんと透けないのを確認して、目隠しされる。
オレの場合、目をつぶるから関係ないけどな。
で、スイカ割りのお約束としてまずは回る。
「貞君、お前は回んの百回な」
「ウィ、ムシュー」
フランセ語で答えるオレ。
そして、指示通りその場で百回回る。
しかし、「鉄の三半規管をもつ男」と呼ばれるオレはこの程度ではびくともしないわけで。
正眼で棒をスイカの位置にぴたりと合わせる。
「すごいわね……」
感心したようにつぶやく末理さん。
彼女が確信している通り、「アルティメット・スイカワリスト」とうたわれた(しつこいか)オレにとって目の前(って言っても両目はふさがれてるわけだが)のスイカを叩き割ることは赤子の手をひねるよりた易い。




