乙子ルート 第6日目⑦
⑦
「貞君」
「はい、なんでしょうか?」
「いちいち言わなくてもわかってるだろうけど」
「はい」
「『手がすべったー!』とか言って変なところ触ろうとしたら、容赦なく殺すわよ?」
これは「押すなよ? 絶対に押すなよ?」というお約束の前振りなのだろうか。
う~~む、女心はよくわからないぞ。
そんなオレたちの会話をきいていた達人がフォローを入れてくれる。
「余計な心配してんじゃねーよ。いちいちそんなこと言わなくても貞君はそんなことやらねーよ。やったとしても、そん時は本当に手が滑ったんだよ」
「なんでそんなこと言い切れるのよ?」
「お前はさっきの末理さんとの会話を聞いてなかったのか? 確かに貞君はスケベはスケベだが、いわばフェアなスケベだからな。女が嫌がるようなことはやらねーよ。本当はお前だってそんくらいわかってんだろ?」
それは達人が「フェアなヤリチン」であるのと同じだ。
達人は相手が本当に嫌がっていると感じれば、それ以上は踏み込まない。
「そうね。あたしが悪かったわ。言い過ぎた」
乙子がオレに向かって素直に頭を下げる。
「別に謝らなくてもいいですよ。オレはなんとも思ってないんで。女子が年頃のエロい男子を警戒するのは当然でしょう」
そんなやり取りを経てオレは仏様になったような無心な気持ちで乙子に日焼け止めを塗りましたが、未熟者ゆえ、たまに出るドキドキを抑えられませんでした。




