49:二正面作戦
コウヤ達がハードモードを順調に進める一方、ムラマサ達の作戦は次の段階へと進んでいた。
49:二正面作戦
コウヤ達は難易度ハードのアクト3をクリア。順調に進んでいた。
だが、ゲームと違って順調では無いものもある。
コウヤの成績、だ。
「最近成績落ちてきてるわよ。しっかりしなさい、コウヤくん」
「はぁい……」
担任に注意され、席に戻る。
ユウリは溜め息をつき、カナリは怒りの眼差しと勝利の笑みを同時に見せるという複雑怪奇な表情をしていた。
(ちょっと、浮かれすぎてたかな……)
気付けば、回数まの増えているユウイとのメールのやり取りを心待ちにし、ウキウキしている自分がいた。
マジホリ会を楽しみにして、ゲームの予習をし始めてもいた。
日課になっているスマホゲームのデイリーミッションも相変わらずこなし続けていたし、クラスメイトとのカードバトルもやめたワケではない。
今までの生活に加えてマジホリに割く時間が増えた分、勉強が疎かになるのは当然の結果とも言えた。
休み時間、カナリが母親のようにガミガミと文句を言ってくる。
マジホリのせいで成績が下がる、などと言う話になっては困ると叱りながら、明らかに顔が笑っているのがたまらなく腹立たしい。
「もう少し私達の事も考えて、やるべき事はちゃんとしておいてくださらないと困りますわ」
「分かったってば…… まったく、お前俺のかーちゃんかっての……」
「っ!? ハァ!? え……?」
クリティカルヒット。久々にコウヤの天然がカナリに突き刺さった。
これは高得点か、失点か、見守るカナリ応援団の女子達はまた頭を悩ませていた。
先日の調査では、虚無の進行は176階に到達している事が確認された。
今日にも、最上位アイテムのドロップが最も高いエリアである175階以降のプレイが不可能となる。
おそらくは、今夜調査に出向いた時点で通過されている事だろう。
その木曜夜、ついに虚無調査隊は2チーム編成による調査を決行。
週末には合流出来るだろうと言うキツネを待つこと無く、5人+6人の11名での出発となる。
<侍チーム>
ムラマサ :侍 レベル790
マジメイジ:魔術師 レベル738
人形姫 :傀儡師 レベル703
軍団長ゴリ:魔獣使い レベル498
杜谷みみか:天使 レベル472
<戦士チーム>
ブッチー :戦士 レベル751
山田マン :射手 レベル712
一閃 :聖騎士 レベル698
つらぬき丸:忍者 レベル513
キャバ :聖騎士 レベル481
竜発破 :砲兵 レベル473
回復、支援、召喚を得意とする天使使い「みみか」と、各種鉱石・宝石を発射して属性範囲攻撃を行う砲兵使いの竜発破の二名が新たに参戦。
まだ試していないスキルを虚無に叩き込むべく随行する。
今回の調査隊の目的は、2つのパーティーが同時に潜った際、双方のMAPに虚無が同時に出現するのかどうかを検証する事。
それ以外はオマケだ。
それ以外の戦いは可能な限り事故を避け、無理をせず高レベルプレイヤーに頼った戦いを心がけて行く。
未所持だったみみかと竜発破にもテレポートアイテム「ジグラットの聖印」を手渡し、準備は万端。
両チームは開始地点である151階のポータルに降り立ち、探索行を開始した
「チッ、まだ届かねえか……」
ロビーチャットで盛り上がる数名のプレイヤーを見ながら、クラガは舌打ちする。
現在インフェルノ攻略中。レベル91。
まだ4つに分けられたサーバーの第二ルームに振り分けられていて、最も人口の多い第三ルームにも到達していない。
インフェルノに到達後、攻略とレベルアップのペースは目に見えて落ちている。
このままでは埒があかない。
そろそろ、また経験者の協力を頼まなければならないか。
同じようにインフェルノ育成中のプレイヤーもチラホラ見かける。パーティープレイでクエストを進行させていく必要もあるかもしれない。
幸い、新規プレイヤーに対する歓迎ぶりは激しい。
余っている育成装備のトレードに応じてくれる者もいるだろう。
こんな所でモタモタついているつもりはない。
「見てやがれ……」
今まで、何をやっても、上手く行かなかった。
誰も、何も、認めてくれなかった。
今度こそはという手応えがある。
俺は、今度こそ、「何かを成し遂げる」……!!
新キャラ登場。
天使♀みみか: 召喚、回復、近接攻撃を得意とするキャラクター。
砲兵♂竜発破: 絶大な範囲火力を誇るが、砲設置と移動に時間が掛かる玄人向けキャラクター。




