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「あぁ、これですっきりしたわい。
クモの血だらけのままで進むちゅ〜のもやっとれんわ。
ほんとにお六のおかげで助かった、助かった。
ありがとよ」
そのお六も頭からびしょ濡れのまま。
クモの血で不快になって、今度はびしょ濡れで不快になってと思ってたらそうでもないみたい。
こうやって水の感触を体験できるのが嬉しいそうだ。
もう二度と触れることがないと思っていた水。
数百年ぶりの水の感触が心地良いということだ。
それを聞かされた遊海は胸が締めつけられる思いになってしまった。
17歳で亡くなったお六。
早すぎる。
生きていれば家族を持って楽しいこともあっただろうにと優しい目を向けている。
突然の轟音。
静まりかえってるこんな時に蛇敏知のからくり銃の連射。
すでに携帯大砲からからくり銃に持ち替えている。
こんな場所だとからくり銃のほうが使いやすいのだろう。
「なんやあぁ」と声に出したのが源五郎だけ。
遊海たちは驚きで固まっている。
そして遊海は見た。
樹々の上にいたそいつらを。
ガだ。
でかすぎるがガが2匹。
からくり銃で撃たれて樹から落ちてきた。
まったく気づかなかった。
樹々の中に溶け込んでしまってる色合い。
昼間だから樹の上でジッとしてたのか。
それならわざわざ攻撃しなくってもと思うかもだけどこの世界の生きものは危険だ。
見つけ次第、できるなら早目に駆除しておいたほうがいいんだろう。
後でどういうことになるかわからないので早目に対処していったほうが得策だ。
ここまで進んできたのでこの五重塔のルールはわかっている。
生きものはすべてが敵で見つけられたら必ず襲ってくる。
「ぜんぜん気づかなかった」
遊海がため息まじりでポツリとつぶやく。
本当に気が抜けない。
ガがどんな攻撃を仕掛けてくるか知らないが面倒なことになるってことだけはわかってる。
蛇敏知を先頭にしてまた進んでいくことになった。
このメンバーの中で方位を正確に捉えているのは蛇敏知だけだ。
そして遊海は大きな勘違いにも気づいた。
無人島ということで小さな島だという先入観があった。
実際にいま歩いていてそんなことはないなと気づいた。
もちろん、本物の無人島ではないとわかっている。
仮想空間のような世界なんだけどこの無人島は意外に大きいかもだった。
しんがりはまたうっさちゃんだ。
遊海と源五郎でフォローしている。
一さんとお六には河童の四平がついている。
なにかあった時のために四平はカプセルに戻さずに進んでいる。




