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「しっかしのぉ、こんなに長くなるとは思わなんだな」
あぁ、気持ち悪いと文句を言いながら源五郎がうんざり気味だ。
遊海もそう思っている。
こんな過酷な世界だとは思ってなかった。
もっと準備しておくべきだった。
甘かったと後悔も強くなってきてる。
水がなきゃ途中リタイアかなと頭の中にチラッとある。
このメンバーの中では自分が一番ひ弱だと自覚はしている。
生身の人間であるので水分、食べもの、睡眠が必要になる。
足を引っ張るのって嫌だなってネガティブにもなってくる。
無理せずギブで出直しもあるかもしれないなと樹々がないテニスコート半面くらいのスペースに足を踏み入れた途端に頭の中に蘇った記憶。
あっと思った。
「お六、いい方法がある。
ほら、前に歌舞伎町での怨霊事件があったじゃないか。
その時に河童を呼び出したじゃないか。
あの河童を呼び出すことができたなら水が手に入る。
そうすれば飲み水の確保もできるし、お六たちもクモの青い血も水で流すことができるよ」
お六のみならず源五郎もハッとした表情になってる。
みんなすっかり忘れていた。
カプセル妖怪の所持者であるお六でさえ忘れていた。
「あら、そうよ。
そうですね。
本当だ。
思い出しもしなかった。
じゃ、さっそく出してみます。
あるかしら?」
お六が持つケースには5個のカプセル(注射用のカプセルに似ている)が常備されている。
現在の状況において最適なものが自動的に並べられているということだった。
あとはお六の判断に任せることになる。
「これだったはず。えいっ」と下手投げでポンと前方に飛ばす。
地面に落ちる前にポワ〜ンって白い煙が上がってすぐ収縮されていく。
そこに現れたのは小学生の5、6年生くらいの身長の河童の四平。
ここはどこやねんといった顔でキョロキョロしている。
お六がお願いすると承諾したらしく頭上に水を集めてくれた。
良かった、この世界にも水蒸気が存在している。
河童の四平は空気中にある水蒸気を集めて水に変えてくれる特殊能力を持っている。
これで助かった。
冒険の旅をまだ続けることができる。
蛇敏知は持っているだけの竹筒に水を満たす。
お六と源五郎は頭から水を流してもらって汚れを落とす。
この島はわりと暑いのですぐ乾くことになるだろう。
それと少しの風もあるようなので乾くのも早いだろうと思われる。
水の確保もできて水分補給もできた遊海はひと息つけた。




