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先へ進もうとするんだけど思うように行けない。
獣道以下の場所なので1歩進むだけでも難儀する。
うっさちゃんを助けていると間に合わないので遊海は単独で急いだ。
行ったからといって遊海ではどうすることもできないかもだけど行かずにはいられない。
あっと驚く光景が目に飛び込んできた。
先に進んでた蛇敏知たちの前方に巨大クワガタがいる。
あの形は間違いなくクワガタそのものだ。
色は漆黒だが大きすぎる。
樹々がなくなってる開けた場所に仁王立ちのような状態でいる。
ただでさえまっ黒で不気味な威圧感があるのにハサミの上まで3メートル近くはありそうだ。
「でかいな···
それに大きくなると気持ち悪いな」
似ている。
ゴキブリなんかに似ている。
ゴキブリ、カブトムシ、クワガタって首から下が似ている。
まっ黒なのも同じで種目は違ってるらしいが同じ昆虫。
あっ、昆虫。
もしかするとこの無人島は巨大昆虫の島?
銃声が鳴り響いた。
蛇敏知のからくり銃が連射。
巨大クワガタには効いてない。
まっ黒な甲冑のような体が銃弾をはじいている。
大きくなっても中身はクワガタのままなんだろうか動きはもっさりとしている。
まっ黒3兄弟の中ではシャカシャカ動くのはゴキブリだけ。
対してカブトムシとクワガタは動きが遅い。
その代わり攻撃力が強い。
銃弾を跳ね返すということは防御面も強固なものがある。
それならとからくり銃から携帯型大砲に持ち替える。
クワガタはその間もモジモジしている。
実際には違ってるんだろうが遊海の目にはそう映った。
蛇敏知に躊躇などない。
攻撃可能となれば躊躇うことなく機械的に動く。
ボンっと発射音。
クワガタに花火弾が命中。
炸裂型の花火弾をまともに受けたクワガタは四散する。
いろんなパーツに分かれて飛び散ったがすぐ消えていなくなってしまった。
クワガタでよかったなと源五郎は言う。
もともとあまり動きが早くないし、それにあの巨体だと樹々の中には入ってこれないだろうから助かったとホッとしてもいる。
本当にそうだ。
これがゴキブリだったらそう簡単にはいかなかっただろう。
あっ、ゴキブリ?
いるかもしれない。
遊海は考えただけでゾッとしている。
これは皆に伝えたほうがいいのか?
いや、余計な不安を煽ってる場合じゃない。
ただでさえ危険な島なのに。
島の全体像を把握しなければならない。
それと水の確保。
遊海は飲み水、源五郎とお六は青い汚れを早く流してすっきりしたいと願ってる。




