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源五郎とお六は無事だった。
怪我をしてるとかはない。
幽霊なのに怪我っていうのもおかしな話だけど、五重塔に入ってから徐々に実体化していってるっていう不思議な現象が起こってる。
怪我するってこともあるかもしれない。
まさかとは思うが、幽霊なのに死亡するってことがあるのか?
源五郎もお六も青くなってしまっている。
クモの青い血を浴びている。
被害というのはそれだけのようだ。
それだけなんだけど気持ち悪さは最も大きい。
「なんやこれ?」と源五郎が叫ぶ。
「いやあぁ、なんか変な匂いがするうぅ」ってお六は騒いでる。
「このまま進んで海で荒いましょう。
それで匂いとか青い血も流すしかないですよ」
「そうやな、にいちゃんの言う通りや。
海に飛び込むしかないんや。
こんなんなったのは初めてや」
蛇敏知が木箱を降ろした。
2本の竹筒を取り出した。
「コレダケシカアリマセンガツカッテクダサイ」と源五郎とお六に渡した。
水の容量としてはペットボトル1本分程度。
500ミリリットルほどしかない。
源五郎は頭から流してみたが青い色が取れたのは頭部から顔にかけてだけ。
お六はまず手をきれいにして、あとは頭から少しづつ流していった。
源五郎よりは汚れが落ちている。
「コマッタコトニミズハモウアリマセン。
コレガサイゴデシタ」
蛇敏知からのお知らせ。
マズい。
遊海にとっては非常にマズいことになった。
水が必要なのは遊海だけ。
これから先、どのくらいかかるのかわからない。
1日で終わるとは思えない。
3日や4日もかかってしまえば遊海の水分補給ができない。
そうなると途中リタイアしなければならなくなる。
自分次第ってことになった。
一番嫌なパターンだ。
どこかで水を確保できればいいんだけど。
「怪我とかはないんですね?」
念のため訊いてみた。
2人とも汚れただけで他には外傷とかもないと言ってる。
それなら探索続行だ。
蛇敏知が先頭。
その後ろを源五郎、お六、一さんと続く。
しんがりはうっさちゃん。
大きすぎるために進むのに苦労している。
そのフォローを遊海がやっている。
だから少し遅れ気味になってる。
時々、上を見る。
さっきのクモのこともある。
上になにかいるかもしれない。
至る所に目を向けなくちゃいけないので忙しいったらない。
そしてさらに忙しいことになってしまった。
悲鳴が聞こえた。
あの声はお六だ。
なにがあった?




