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蛇敏知から提案があった。
島の中心部を突っ切って反対側の海岸に出るように進んでいく。
そうすれば島の大きさがだいたいわかる。
さらに島のことまでわかる。
そして運が良ければ正体不明の女王と会えるかもしれない。
そうと決まったら出発だ。
お六は森と言ったがジャングルみたいな樹々の間を抜けていくことになる。
ジャングルって言っても知らないだろう。
遊海も映像でしか見たことがないのだが。
いざ足を踏み入れてみると足場が悪い。
人が立ち入ることもないだろうから1歩ずつに時間がかかる。
遊海としては1歩進むごとにこのまま何事もなく進めるわけはないだろうと周囲には充分警戒していた。
盲点だったのは樹の上。
そこまで注意が回らなかった。
「なんや、やけにクモの巣が多くなったの。
この島にはクモがいるっちゅうこっちゃ」
源五郎の言う通りだ。
浜辺から苦労して20メートル以上は進めたと思う。
急にクモの巣が目立ち始めた。
突然の銃声。
蛇敏知だ。
からくり銃を上に向けている。
あっと遊海は声を上げた。
樹と樹の間にいる。
大きすぎるクモ。
見たこともない黄色のストライプが入ったクモ。
蛇敏知からの連射を受けて全身が震えている。
クモの血液は鉄ではなく銅が血液に含まれてるため赤ではなく青色になる。
撃たれて身悶えているクモはまさに青色の血を滴らせている。
仮想空間なのにそこまでリアルに作られてる。
きっとこの五重塔の製作者はリアル追求主義なんだろう。
もうこれ以上は無理ってことで巨大グモがドサッと落ちてきた。
ヒ〜ってなってしまったのが源五郎とお六。
ジタバタ動いていた大きなクモが源五郎とお六に向かって落下してしまった。
「大変だ」と最初に遊海が動いた。
クモが気持ち悪いとかいってられない。
これまで通りなら死んでしまえば消滅してしまうはず。
まだ存在してるってことは生きている。
実際にクモの体の下に手を入れているのだがモゾモゾしてるのが伝わってくる。
それよりも独りでは持ち上げられない。
クモが大きすぎて重すぎる。
からくり銃を地面に置いて蛇敏知も変な色のクモを持ち上げるために両手をクモの体の下に入れた。
続けてうっさちゃんも加わった。
するとあっけないほど簡単にクモをひっくり返せた。
遊海だけだったらピクリともしなかったが、この2人が加わるとあっさりひっくり返せた。
なんとも力持ちの2人だ。




