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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
段地四(だんぢよん)

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5-7

不思議な現象が起こっている。

魚群はイワナ坊主に向かっている。

だがすべてのイワシは激突することなくツルンと弾かれている。


「あれ、にいちゃん、あれ···」


源五郎が気づいてイワナ坊主を指さしている。

呼びかけられた遊海は目を凝らしてジッと見ていると源五郎がなにを言いたかったのかがわかった。

イワナ坊主は泡の中にいる。

いつ泡を出現させたのかわからなかったがバリアのようなものか?

だから魚群が体当たりしていってもビクともしないでいるんだ。


イワナ坊主、別名和尚は書き上げたお札を泡の外に投げた。

内側からなら外に出せるようだ。

どうなるんだろうと固唾を飲んで見守ってるとすぐ変化があった。

投げたお札からドワアァァっと魚の群れが飛び出している。

遊海たちにはわかってなかったがアユの大群だ。

そのアユの魚群とイワシの魚群が正面から激突していく。

空が大変なことになってしまった。

青空が大スペクタル映画のような展開になった。


激突して地面に落ちた魚はちょっとだけビチビチと動いて消滅していく。

そんな中で蛇敏知は木箱から次の弾を取り出した。

かなり特殊な花火。

貫通炸裂花火を3発。

強力ではあるが使いどころが難しい。

大前提として対象に貫通して中でとどまってなければならない。

そして花火が内部から炸裂。

だいたいの動物や施設などは内側からの大爆発にはあっさりと脆い。


準備ができたら駆けていく。

正面からは狙いにくいので可能なら魚の側面を狙いたい。

試し撃ちをしようと移動していても不気味な大魚には動きがない。

蛇敏知の動きを気にしてない?


大砲の音がボンっと鳴った。

弾道は問題ない。

強力な速度で発射されたはずの貫通弾が通らなかった。

魚の表皮に弾かれて見当違いの方向に飛んでいって地面に落ちた。

不発弾になってしまった。

なるほど、頑丈だというのがわかった。

それでか、やれるもんならやってみろってことでどっしりとしてるわけだ。


その様子を見ていたイワナ和尚にも動きがある。

またお札になんやら書き始めた。

サラッと書いたのが漢字で「重し」

書き上げお札を飛ばした。

まるで風に運ばれるかのようにフワリと舞い上がっていく。

お札は巨大カツオの背中にフンワリと乗った。

すると不気味な魚は重さに耐えきれずにドスンと地面に落下。

ものすごく激しく身をよじってるが重さから逃れることができない。

お札1枚でいったい何トンの重さがあるのか不明だが全長30メートルはありそうな大きな魚は圧し潰されてジタバタしてるだけ。


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