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何事もなく進んでいけた。
あれだけ次から次にと変な動物が現れてたのにパッタリと出てこなくなった。
不思議だ。
その代わり夜になった。
1メートル先が見えない。
足下もまったく見えない漆黒のの世界。
恐怖でしかない。
一さんたちにも異変が起こっている。
なんと、夜目が効きにくくなっているという。
ということは生きていた頃に徐々に戻ってきてる?
この世界の不思議な力が働いてるってことなのか?
でもプラスにはなってない。
むしろマイナスになっている。
どうしようもなくなったので進むのは中止。
蛇敏知が木箱から布のようなものなどを取り出した。
それらを組み合わせてテントを設営してくれた。
テントといっても現代のピラミッド型ではなく四角の家の形。
中は6畳くらいはあるので5人が入ってもゆったりしている。
うっさちゃんは外で見張りだ。
食事をとるのは遊海だけ。
一さんたちは食べなくても平気だ。
そこは生きてた頃には戻ってない。
驚いたのは蛇敏知の木箱から食べものまでが出てきたこと。
いなり寿司と巻き寿司、そしてなぜかお吸い物を渡された。
正体不明のからくり師は食事どころか水分も摂取しなくても平気でいる。
テント内にはランタンのようなものが置かれた。
LEDほどではないがまっ暗闇ではない。
「こんなに時間がかかるっとは思わんかったでぇ」
愚痴のひとつも言いたくなるのは理解できる。
もっとすんなりといけるもんだと思ってた。
しかもまだ1階だ。
外から見る限りではこんなに広大な世界だったとは想像もできなかった。
「ほんにそうじゃ。
面倒なことこの上ない。
しかし、これくらいのことでないとダメなんじゃろう。
盗っ人がいるからの」
盗っ人っていったってなぁと遊海は思う。
ほとんどといっていいけど、まずスタート地点にも立てないんじゃないの?
一さんがいなけりゃどうやっても無理だよ。
お墓の地下に五重塔があるなんて誰が想像できるだろ?
「にいちゃん、埋蔵金が出たらどうするんじゃい?」
「出たらですか?
う〜ん···ど〜しましょう?
回転ずしに行くかな···」
「回転ずし?
それは知っとるぞい。
テレビとやらで見たことがある。
でもなぁ、そんなのでいいのか?」
「そうじゃの、欲がないの。
天下を狙える埋蔵金ぞ。
やってみる価値はあるぞよ」
なんだか一さんに怒られてるような?
本当に20兆円もあればやり方次第では天下を取れるかもしれない。
いやいや、20兆円もの巨額な金額を手にした瞬間ですでに天下を取ったようなものじゃない。
世界の大富豪の1人になっちゃうよ。




