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時限花火をセットし終わったところで蛇敏知もこの場所から離れていく。
うっさちゃんも続く。
そんな危険な花火が仕掛けられていることを知ることもない変なサイは直進してくる。
ドンピシャのタイミングで時限花火がいっせいに変なサイの足下で爆発。
変なサイの足や腹部に向けての爆発と爆風で横倒しにすることはできた。
大きすぎるサイを消滅させるためには爆発力が足りなさすぎる。
起き上がってくる前に逃げるのが得策。
遊海とお六は夢中で駆けていた。
後ろを振り返ることもなくただ全力疾走だった。
限界点を突破した遊海は地面に倒れ込んだ。
10分も走ってないのに日頃の運動不足もあって大地に大の字になった。
呼吸するのも苦しい。
お六はケロッとしている。
疲労に関しては人であった時の体には戻ってないんだ。
「大丈夫ですか?」と遊海の顔を覗き込んでいる。
そして周囲の確認も忘れない。
あれ?
変な動物からは逃げることができたみたいだけど他のみんなは?
あれ?
急に不安。
「遊海さん、誰もいないんですけど」
怖ろしさが倍増してくる晴天の空の下。
遊海は「うん」と言っただけ。
それどころじゃないほど息も絶え絶え。
離れるわけにはいかない。
変な動物がきませんようにと祈りながら遊海が動けるようになるまで待つしかない。
あっ、すっかり忘れてた。
というより取り出す暇もなかったカプセル妖怪があるじゃないのと気を取り直した。
着物の胸元に入れているカプセル妖怪ケースを取り出した。
パカッと開けた。
中には5個のカプセルが入っている。
開けるたびにカプセルの種類が違っている。
現状に合わせて最適なカプセルが用意されると聞いている。
実は、お六自身もいまだにカプセルのことがよくわかってない。
それでもどうにか使いこなしている。
これはお六だけにしか使えないもの。
お六はケースを見つめて考えている。
いま使っていいはずのカプセルが自動的に揃えられてるはず。
なんのカプセルかわかるものとわからないものがある。
持田くんのカプセルは出てきてない。
持田くんのカプセルが出てくれば状況は良くないがということになる。
そうなると最高の味方が出現するということにはなる。
周りをキョロキョロしながらハラハラして遊海が起き上がってくるのを待った。
静かすぎるのがかえって不気味だ。
5〜6分ほどで遊海が上体を起こした。
ハッとして慌てたように周囲を確認。
変な動物がいないのでホッとして胸をなで下ろす。
次にお六しかいないことに不安気な曇り顔になる。
なかなか感情の変化が激しいことになった。




