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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
子孫

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107/110

1-1

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遊海は目が覚めた。

あっ、体が、なんか熱い。

やっちまったか。

時すでに遅し。

昨夜、汗びっしょりになったりした。

汗も流さずにそのまま眠ってしまった。

完全にアウトだ。

見事に風邪ひいた。


あぁって声を上げて体温計を探すことになった。

こういった小物は100均で買った収納ボックスに入れてある。

体温計はすぐ見つかった。

計ってみると38度。

風邪薬はルルがあった。

これを飲んで静かに寝ていたいんだがそうはいかない。

今日はこれから仕事がある。

十津川寺務長に有給でお休み申請をしなければならない。

いま何時だとスマホを見ると午前6時18分。

寺務長が来るのが8時45分をすぎてからだと思う。

ダメだ。

そんな時間まで起きてられない。

なんか書くものと探したらテーブルの上にボールペン。

それと高円寺の街を歩いてた時にもらった広告の紙があった。

裏が白紙だ。

そこに寺務長へのメッセージを記入。

「熱が38度で体がだるいです。風邪をひいてしまいましたので今日はお休みさせてください」と書いた。

最後に繁多と署名。

これを寺務長のデスクの上に置いとけばいいやと考えていた。


よしと立ち上がったがフラつく。

歩くのもつらい。

でも頑張って寺務所まで行く。

高熱でダルいのに、せっかく来たのにドアには鍵がかかっている。

熱に浮かされた頭でちょっと考えてからドアノブに紙を結びつけた。

これでわかってくれるはず。


今度は部屋まで引き返すことになる。

ヨロヨロ、フラフラは戻っていくほうが酷くなっている。

部屋に入って万年床に倒れ込む。

本当にギリだった。

バタンと横になると意識が飛んでしまう。


朝一番なのは十津川伊那寺務長。

おやっとこれはなに?

ドアノブに巻きつけられてる紙。

なぜこんなところにって不審に思いながら紙を外した。

巧妙に折りたたまれていた紙を広げてみると広告の紙。

へ〜って広告に目を通していった。

裏にひっくり返してみるとなにやら不穏な手書き文字。

えっ、繁多遊海くん?

風邪ひいて今日はお休み?


「おはようございます。

どうしたんですか?」


鳥谷部京都が出勤してきた。

寺務長が遊海の手書き文字をこれって目の前にチラ〜ンと差し出してきた。

なになに、ふむふむって短い文書に目を通す。


「風邪でぶっ倒れたか。

しゃ〜ないですな。

って、近いんだから直接言ってくればっ思いますが?」




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