序章2〖 アラームのいのりちゃん〜シャンプーの甘い香り〜 〗
これまでの姫統一は、突然見知らぬ森の中で目が覚めた主人公あいとくん。なんだかんだでエルフのお姉さんを助けたのはいいが、なんだかんだで逆に助けられる展開に。そして、徐々に蘇ってきた、森の中で目を覚ます前の記憶。姫と異世界統一を目指すギャグあり、可愛いあり、チートあり!のラブコメファンタジー冒険記!序章第二節始まり始まり。
これは俺が森の中で目を覚ます一日前の話。
俺はこの日、いつも通り寝坊していた。
「おにいちゃーーーーん!早く起きないと学校遅刻しちゃうよーー!」
ドスンッ
「( ゜∀゜)・∵.グハッ!!」
俺は朝から吐き気がする痛みで目が覚めた。
そう、妹が叫びながらお腹の上にダイブしてきたのだ。
「いのり、それは朝からやめてくれっていつも言ってるだろ?」
「だって、おにいちゃんがなかなか起きてこないのが悪いんだよ?」
これが友達とかだったら、もっとブチ切れていただろう。ただ、俺はさほど怒っていない。なぜか?と思うだろう。それはだな、この妹は可愛いのだ。とてつもなく。そして、さらに追い打ちをかけるかのようにシャンプーの甘い香りがする。朝からこんなハッピーなことがあるだろうか?ないだろう?だから、俺は怒るどころかむしろ毎日でも構わないぐらいなのだ。
「おにいちゃん、さっきから一人でブツブツ何言ってるの?」
「ええ?」
やばいやばい、心の声が漏れてしまっていたようだ。
妹が可愛いから。
「とりあえず、早く起きて!遅刻しちゃうよ!」
「ああ、そうだな。早く起きないとな。」
俺はまだ眠くて寝ぼけている頭と体を無理やり起こして、とりあえず顔を洗い、歯を磨くことに。
「ああ、ああ、眠すぎる・・・。」
顔を洗い、歯を磨いた俺は、リビングにいくとテーブルに美味しそうな朝ごはんが置いてあった。
「おにいちゃん!しっかりご飯たべるんだよ?私もう行くからね!」
「おう、いってらっしゃーい。」
「いってきまーす!」
いま、この家は妹と俺の二人で住んでいる。お父さんが仕事の都合で1年ぐらい海外に行くことになり、お父さんが心配だったから、お母さんもお父さんと一緒に海外に行くことになったのだ。
基本、この家の家事は妹がやってくれている。お母さんは全てのことを完璧にこなせる人だ。それに似て妹もなんでも卒なくこなせるのだ。
可愛いし、いい匂いするし、優しいし、料理や洗濯などもできる!こんな完璧な妹、世界を探してもなかなかいないだろう。もう結婚したいぐらいだ。(できないけど。)
「とりあえず、朝ごはんでも食べるか。」
ここでひとつ言いたいことがある。みんなは朝ごはんをしっかり食べているだろうか?時間がなかったり、朝ごはんはいらないとか言って食べない人も結構いるだろう。だが、俺は時間が無かろうが世界が滅亡しようがこのご飯は絶対に食べる。なぜだかわかるか?それは、このご飯は妹が作ってくれたからだ!!妹がわざわざ俺のために作ってくれたのに食べないなんていう馬鹿なこと誰がするだろうか。
「否だ。断じて否だ!!」
俺は、誰もいない家の中でそんな事を考えながらご飯を食べていた。
そのとき、
「あいとーー!学校行くよーー!」
外から大きな声で俺を呼ぶ声が聞こえる。この声の主は、佐々木彩華。俺と同じ高校で同じクラスの幼馴染だ。
「はやくはやくー!女の子待たせる気なのー?」
「わかったわかった、すぐいくからちょっと待てって!」
まだ眠気が完全に取れていない中、急いで着替えて学校に行く準備をした。
ガチャッ。
「よし、学校行くぞお」
「もう遅いよ!はやく行かないと遅刻しちゃうよ?遅刻したら担任怖いんだから急ぐよ!」
「ちょっと待てって。いったん落ち着け、餅つけ。」
走り出した彩華についていくがだんだんと離されていく。
「ちょ、ちょ、まじちょっと待てって。吐きそう。」
「もう、それでも男なの?気合い出しなよ!」
「いやいや、俺は帰宅部で、お前は弓道部とバスケ部の掛け持ちだろ?体力の差がひどすぎる。」
そう、この幼馴染の彩華は珍しいことに運動部をかけ持ちしているのだ。さらに言うなれば、弓道部とバスケ部という全然似ても似つかない部活を掛け持ちしている世にも奇妙なやつなのだ。そういう系の番組に投稿したら、司会のなんとかさんに笑われちゃうレベルだ。
ちなみに、なぜ俺が部活に所属していないかということだが、大した意味は無い。別に運動が嫌いだったとか、文化系の部活に興味がなかった訳じゃない。ただ、ただ、妹と過ごす放課後の時間が無くなるのが嫌だっただけだ。ただ、それだけだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなこんなで眠気と吐き気に耐えながらも走り、なんとかぎりぎり遅刻せずにすんだ。
「ギリギリセーフ!あいとのせいで危なかったよ。」
「ハア、ハア、こんなことならもう少し体力ぐらいつけとけば良かった。」
「だけどさあ、なんで朝さ家出るの遅かったの?」
「え、・・・」
まさか、妹が作ってくれた朝ごはんを残すことが出来なくて食べてたら遅れたなんてとても言えない・・・。
「え、えっと、寝坊したみたいな?感じ?」
「はいはい、どうせいのりちゃんが作ってくれた朝ごはんを食べてておそくなっちゃったんでしょ?」
「え、なんでわかったの・・・。」
「いや、だって、いつもそうじゃんか。」
(;・_・)
なんかいろいろとバレてるようだ・・・。
とりあえず、俺たちは教室に行っていつもと変わらない学校生活が始まった。
そう、この時俺はまさかこの後にあんなことが起こるとは想像もしていなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、昼休みになり。
「ああ、やっと昼休みだあああああ。今日は朝から走ったりなんだりで疲れた丸ううう。」
「おう、あいと!いつもにもましてお疲れだなあ。」
唐突に話しかけてきたコイツは俺の数少ない男友達の1人、桐島あやとだ。ちなみに、数少ない理由はみなさんご存知の通り、俺は可愛い女の子以外にあまり興味を示さないからだ。
「あいとーー、ご飯食べよっ!」
そして、彩華が笑顔でこっちに来る。とても、可愛い。
そういえば、さっきは急いでいて説明が遅れたが彩華は可愛いのだ。クラスでもアイドルとかマドンナと呼ばれるレベルの可愛いさだ。(だが、妹のいのりに比べればそうでも無い。いや、これは彩華が可愛くないのではない。比べる対象であるいのりが可愛すぎるのだ。仕方の無いことなのだ。のだのだ。)
ポンッ
俺はさやかの肩を叩きこう言った。
「さやか、お前は悪くない。恨むのならいのりの可愛いさを恨め。」
「は?あんた、まだ寝ぼけてんじゃないの?大丈夫?」
「よし、飯でも食うか。と、・・・、え。」
「ん?どしたの、あいと。」
「お弁当がカバンに入ってない・・・。」
「ええ、あんたお昼どうすんのよ。」
「おかしいなぁ。いつも、いのりがカバンに入れててくれてるはずなんだけどな...」
「おにいちゃーーーん!」
その時、遠くから聞き慣れたおにいちゃんと俺を呼ぶ可愛い可愛い声が聞こえてきた。
間違いない。これはいのりだ(確信)。
「おにいちゃん、ごめんね!お弁当私のカバンに二つ入ってたよお。(๑´ڡ`๑)テヘ」
いのりは可愛い笑顔でそう言った。
「ああ、そうだったのか。ドジっ子だなあ、いのりは。」
イコイコ。
いのりの頭をなでながら俺はそう言った。
俺はこの笑顔と可愛いさに怒ることなどできなかった。
「てことで、はい。おにいちゃん!」
「おう、わざわざ中等部からここまで届けてくれてありがとな。」
「別にいいよ。そんなに遠くないし。」
俺の通っている高校の中等部にいのりは通っているのだ。
「てことで、私友達待たせてるから行くね。じゃね!」
「おう。ありがとな!」
俺の可愛い可愛い妹が行ってしまった。残念感が否めない。
「いのりちゃんはいつ見ても可愛いし、いい子だよねえ。」
「だよなあ。俺にもあんな妹欲しいよ。」
「だろだろ。可愛いだろ。」
彩華とあやとに妹を褒められ自分の事のように嬉しい俺であった。
そんなことを思いながら、なんやかんやで昼休みが終わった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、放課後になり。
「やっと終わったあああああ。これで帰れるぞおおお。」
と、学校が終わったことの喜びを叫んでいると、彩華がトコトコと近付いてきた。
「あのさ、いきなりで悪いんだけど、あいとに渡したいものがあるからさ、夜うちに来てくれない?」
「ええ、やだよ。自分で俺んちに持ってこいよ。」
「はあ?夜道を可愛い女の子一人で歩かせる気なの?あんたバカなの?トンチンカンなの?」
「ああ、ああ、もういい、わかったわかった。夜にお前ん家行けばいいんだろ?おけおけ。」
「じゃあ、9時頃にうちに来てね!約束だからね!」
「ああ、わかったよ。」
半強制的に交わされた約束にただただ従うしかない俺氏であった。
しかし、この約束が果されないことをこの時の俺はまだ知らない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、家に帰り。
「ただいまああ。」
「あ、おかえり。おにいちゃん!」
台所からトテトテといのりがエプロン姿で現れた。
「おお、我が妹よ。エプロン姿、いつ見ても可愛いなあ。」
「またまた〜、おだてたって私からはなにも出ないよ!」
そんな感じでいつも通りの会話をしながら俺は二階の自分の部屋に向かった。
いつもならこのまま机に向かい勉強をするのだが、何故か今日は眠かった。朝からずっと眠かったのだ。
「うーん、集中できないし、少し晩御飯まで仮眠でもとるか。」
そして、そのまま俺はベッドの上で寝てしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから二時間がたち、時刻は19時になり。
「おにいちゃーーん!ご飯冷めちゃうから早く起きて!」
俺はまたも妹の可愛い声で起こされた。
「うう、わかったよお。」
寝ぼけながらも返事をして俺は階段を降りて、リビングへと向かった。
「じゃーーん!今日はね、おにいちゃんの大好きなオムライスだよお!冷めないうちに召し上がれ!」
とても美味しそうなオムライスがテーブルのうえに置かれていた。しかも、オムライスにはケチャップで『おにいちゃん大好き! 』と書いてある。この子は天使か。天使なのか?!?!
そんなことを思いつつ俺はオムライスを食べ始めた。
パクッ。モグモグ。
「うん、今日もおいしいよ!いのり!」
「なら、良かったー!」
そんないつも通りの変わらないやりとりを交わす俺といのり。
こんなやりとりができなくなるとしらずに・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回予告、
ついにあいとくんの日常生活編の完結。そして、新しく始まるあいとくんの異世界物語。全ての始まりはここから。次回、「明かされる真実。全てはこのコーヒーから始まった。」ぜってー、見てくれよな!




