第26話 サハラン再び
~カサリナside~
なんだかんだでアレから朝食をすぐに終わらせ、飛行船に行ってみるとライトはソファーの上で爆睡していた。
「起こすのも忍びないのぉ・・・。」
早く出かけたいのも山々だが、ライトの寝顔を見つめるのも悪くは無い。
とりあえず先に飛行船を移動させておくか・・・。
手を叩くとライトの世話係兼、この船の責任者であるヒツジが現われる。
「お呼びでしょうか。お嬢様。」
「今から首都の方で貸切にしてあるレストランに行きたいんじゃが。」
「・・?先ほどライト様からサハランの方に向かってくれと言われましたが・・・。」
サハラン?
何故?
ライトから私への何かのサプライズ?
クックック・・・やってくれるではないか。
「そか・・・それならば、そのままサハランに向かうのじゃ。」
「はっ。」
どんなサプライズがあるか知らんが楽しみじゃの。
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「カ・・ナ・・・カサリナ・・・。」
目を覚ますとライトが目の前に居た。・・・文字通り、目の前である。
あと少しでも動けばキスしてしまえる距離。
「な・・・何をしておる!!!破廉恥な行為は婚約してからじゃ!!!!」
「・・・・勘違いしないで下さい。ただ起こしていただけですから。」
・・・・キラン。
どういう原理か分からないがライトの歯が輝く。
時計を見るともうすぐ12時。
どうやらライトの寝顔を見ている内に私も眠ってしまったのだろう。
「・・・・・ほんとかえ?ライトはスケベだからのぉ・・。」
「何を・・紳士なボクがそんな最低な真似するはずがないでしょう。」
・・・・キラン。
なんだろう・・・。今日のライトはいつもと違う気がする。
「それで?今日はどこに連れて行ってくれるのじゃ?サハランに行くのじゃろ?先ほどヒツジから聞いたわ。サプライズにしたいんだったら次はもう少し上手く隠さなくてはサプライズにならんぞ?」
我慢できずに訪ねてしまった。
ここは気付かないフリをしておいた方がよかったじゃろうか・・。
しかも、ツンデレ属性になったつもりは無いが照れ隠しに説教をしてしまった。
だが、・・・・何だかんだ言っても好きな男が一生懸命考えたプラン。
嬉しさのあまり頬がゆるゆるになっているのは自分でも分かる。
「・・・・・・・・・え。」
ライトの方を見ると・・・・・・目と口を大きく開き呆然としていた。
「何を驚いておる。私に隠し事など100年早いわ!!!」
「そ・・・そうですね。次は上手く隠してサプライズらしくしてみせますよ・・・。ははははは」
そして二人でサハランの街へと向かう。
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サハランは賑わっていた。
「今回の武道大会見たかよ・・。優勝はあの獣人に決まりだな。」
「いやいや、俺はあの馬鹿力の兄ちゃんだと思うね。」
行きかう人が武道大会の話で持ちきりである。
・・・・どうやら今日は武道大会があるらしい。
ライトは私とそこに行きたいのじゃろうか?
「もしかして武道大会にでも行くのかえ?」
「そ・・・そんな訳あるわけ無いでしょう。とっておきのお店に紹介しますよ。カサリナに武道大会は似合いませんよ。」
・・・・・キラン。
「そうじゃな。私も武道大会より買い物の方が楽しいのじゃ。」
そしてライトと一緒に賑やかな街を歩く。
『ぎゅっ』
隣を見るとスマイル全開のライトが私の手を握っていた。
「迷子になっては困りますので。」
「う・・・うむ。」
今日はいつになく積極的ではないか・・・。
まさか・・・・今日は私を帰さないつもりじゃ!?
乙女の妄想を爆発しながら二人はサハランの街をさまよう。




