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第8話 【石を愛でる狂人】

七瀬隼人 27歳

鉱物学者

この世の鉱物を誰よりも愛していると断言出来る

石にはロマンが詰まっていて

俺達はこの宇宙の一部であり

石はそれを俺達に教えてくれるメッセージなんだ

宇宙の意思を

鉱物は宿している

俺達は星の子であり

鉱物は未知の可能性を俺達に教えてくれる神秘的なものなのだ

鉱物の美しい輝きは星の輝き

どの鉱物の世界で一つしかない

どの鉱物もナンバーワンであり、オンリーワンだ

石の輝きに魅了に俺は虜になっていった

危険な洞窟も自ら採掘して鉱物を取っているし

この世で珍しい鉱物は全て手に入れている

1つを除いて

秘宝ネメシス

俺の命も人生も全て賭けていいから

必ず手に入れたい

幻の鉱物

満月の夜に預言をするルビー

秘宝ネメシスは宇宙の意思を司る石なんだ

満月の夜にこの世の神が秘宝ネメシスを通じてメッセージを残しているに違いない

神は全てお見通しであるように

秘宝ネメシスもこの世の理は全てお見通しに違いない

つまり秘宝ネメシスは神からの神託であり

秘宝ネメシスは神そのものの意志と言っても過言ではない

なんて素晴らしいんだ!!

遂に俺達は神と意思疎通が出来るようになる!!

秘宝ネメシスは必ず俺が手に入れる

怪盗マジカルなんてこの石の魅力なんか全くわからない人には絶対に渡さない。

この命に換えても秘宝ネメシスは私が貰う




「皆さんお待たせ致しました!秘宝ネメシスの披露パーティへようこそ!!思う存分パーティを楽しんでください!!」

と主催者の五十嵐承太郎が挨拶をしている

挨拶なんてどうでもいい

俺が知りたいのは秘宝ネメシスは何時何分何秒地球が何回回った時にお披露目するのかだ

早く秘宝ネメシスを見せろ!!

「えー。みなさんこちらをご覧ください。このお方は七瀬隼人君。実は俺の大学時代からの友人でーす。大学生の時から石のことに夢中だった変人でーす。」

と俺に絡んできたのは新井勇気という配信者。

だらしがなくその場のノリで生きていたやつだが

配信者は天職だったようで

1万人程集めることが出来る人気配信者になったようだ

「俺は友人になった覚えはない。勇気が俺に絡んできているだけだろうが。」

「ひどーい!ぴえんぴえん!俺は人気配信者になっても金をせびったりしないでずっと変わらず接してくれるはやぴーのことをこんなにも愛しているのにぃ!!あと、普通に本名言うなよ!ぱっくんって呼んで!!」

「うるせぇ。勇気のハンドルネームなんて知らねぇよ。勇気の配信なんて見たことねぇんだから。」

「はじめまして。俺の名前はぱっくん。雑談がメインの配信者だよーん!世界一面白い配信者を目指して活動中!よろしくな!!」

「勇気の雑談の何が面白いのかさっぱりわからん。1万人も人が集まるような話してないだろうが。」

「ひでぇこと言うなよ!俺の雑談は人を楽しませるエンタメ重視だからはやぴーは合わないかもね。」

「勇気が石の話題をしたら見てやってもいいぞ。」

「じゃあ今まさに!!その時じゃないか!秘宝ネメシスお披露目パーティ!!はやぴーは秘宝ネメシスを見にきたんだろう?」

「そうだ!秘宝ネメシスは古くから預言する石として語り継がれてきた秘宝なんだ!秘宝ネメシスが最初に発覚されたとされたいるのは今から約千年前にも遡る。その時はまだ石の加工はされていなかったものの、満月に照らすと預言はしたらしい。その後預言する石として重宝されていたが、石を巡って争いが、絶えず当時の人達は秘宝ネメシスを隠すことになった。発見されては隠されてを続けて遂に現代で発見されたんだ!!」

「ヲタク特有の早口解説どうもありがとう。」

「秘宝ネメシスは満月の夜に再び預言をしたんだ!何と預言をしたのだろうか…」

「秘宝ネメシスが本当に喋ると思っているんだ。」

「当たり前だ!絶対に秘宝ネメシスは預言出来る石なんだ!秘宝ネメシスの預言は百発百中で当たると書籍にも記録されている!!」

「昔の人達がホラ吹きだったんじゃね?」

「バカ言うな!どの時代に発見された秘宝ネメシスは預言する石として崇められていたんだ!!全部の時代の人間が全員ホラ吹きなわけがない!」

「じゃあその秘宝ネメシスの本を出した人が嘘つきの可能性は?」

「俺は当時の人が書いた原書を読んだ!絶対に秘宝ネメシスは預言出来る石だ!!」

「ほうほう。それは興味深い。」

「そうだろう!?」

「怪盗マジカルもお宝として狙うわけだ。」

「怪盗マジカル…絶対に秘宝ネメシスは渡さない。秘宝ネメシスが怪盗マジカルの手に渡ればまた秘宝ネメシスは隠されてどこにあるかわからない秘宝になってしまう。」

「じゃあ俺とコンビを組んで怪盗マジカル捕まえちゃう?」

「怪盗マジカルはどうでもいい。俺は秘宝ネメシスを絶対に守ってみせる!!」

「どうやって守るんだよ。」

「秘宝ネメシスを飲み込んで俺は神と一体化し、誰の手にも渡らないようにしてみせる!!」

「そんなことしたらはやぴーが警察に捕まるからやめようね。」

「何故!?」

「何故かわからないはやぴーが俺は心配だよ。このパーティ終わったらまた飲みに行こうぜ。」

「飲みに行くより俺は焼肉が食べたい。」

「草食系のくせによく食うからな。はやぴー。」

「勇気も学生の頃はよく食べてたのに歳をとったな。」

「うるせー!俺はまだまだ若い!!」

「勇気は結婚早くして家庭を作るとか言ってたくせに俺とお前だけ独身の売れ残りになっちまったな。」

「その話はNGだ!!何で俺は結婚出来てないんだ!?」

「童貞だからじゃ…」

「うるせぇ!!どうして俺は童貞なんだ…好きな人に童貞を捧げると大事に大事にしてきたのがダメだったのか…!!」

「もう手遅れだな。」

「えー。ぱっくんは可愛いお嫁さん絶賛募集中でーす!」

「若い女に手を出すなよ。炎上するぞ。」

「そんなことわかってるわ!何年配信してると思ってんだ!!」

「シッ!!静かにしろ!!遂に秘宝ネメシスが姿を現すみたいだぞ!!」

「大物芸能人みたいに言うなよ。」


「皆様大変お待たせ致しました!これが秘宝ネメシス!!赤く輝く秘宝をご覧ください!!」


秘宝ネメシスは会場のステージ上で披露された

赤く光るルビー

「本当に美しい…」

綺麗に赤く光るルビー

あれこそ俺がずっとずっと探していた秘宝ネメシス

涙が止まらない

生きている間に見れるなんて思わなかった

秘宝ネメシスに宿る神よ

本当にありがとう

出逢えたことに感謝します



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