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第37話 有能なクラスメイト

秘宝ネメシス披露パーティから一週間が過ぎた

嵐が来た後、私は秘宝ネメシスの力を使おうと動いたけれども

他の誰かが秘宝ネメシスの力を使って嵐を止めたようだ

いつもモブであろうとしていたのに

たまにやる気を出して頑張ろうと思ったら何も活躍出来ない

私はやはり生粋のモブ人間であり、ヒーローにはなれないんだなとしみじみ思う

嵐を止めてくれたヒーローに感謝して今、生きている命を大事にヲタク活動を今日も頑張ろう

私にはやはりこのモブ人間の生活が好きで気に入っている

私のモブ人間生活を守ってくれた全ての人間に感謝して生きて行こう

今日も平穏なモブ生活に感謝して学生寮へと帰った

「渡来さん。」

と声を掛けてきたのは真田胡桃さんだった

10年ぐらい前にお姉さんが通り魔殺人で亡くしてからこの世の全てを憎んで

今は怪盗マジカルを作り出して世の中に復讐をしている

私の生活圏の中でもダントツでヤバい

闇堕ち大悪党キャラだ

怪盗マジカルをやらせている九条姫華さんぐらいとしかまともに話したことがないのに

私に声を掛けてくるなんて

怪しすぎる

秘宝ネメシスについていた盗聴器で私が話していた内容が真田さんにとっては看過できない何かがあったのか

いずれにしても関わるべきではないトップレベルの人間だ

上手くかわして逃げなければ

「何でしょうか。真田さん。」

冷静に何も知らぬ存ぜぬで無能のフリをしなくては

「渡来さんは『名探偵マナト』のファンなのでしょう?私も最近見てハマってしまって。よかったら一緒に語らない?」

「え…!!!!」

まさか私が大好きな『名探偵マナト』の話題を出してくるやなんて!!

ハマった?本当に…?

「ハマったって…どういう所に…?」

「原作の漫画は全部読破して、アニメも最新話まで見たわ。漫画は12巻が好きね。雪山殺人事件は犯人の女の子が死んでしまう展開が後味が悪くて好きだわ。アニメは58話の時代劇の俳優の話が好きね。殺陣シーンはアニメならではの迫力があって興奮したわ。」

「えぇ!?漫画もアニメも最新まで追ったんですか!?」

「ええ。見たら面白くて止まらなくなっちゃってね。あはは。いい歳して恥ずかしいわ。でも渡来さんがファンだって知って勇気を出して話かけてみたのよ。私は人とお話しすることが苦手なのにね。」

「な…なんで私が『名探偵マナト』のファンだって知ってるんですか…?」

「だってこのアカウント渡来さんのでしょう?」

とスマホで見せてきたのは私がサブ垢でひたすらキモいオタクの妄想を垂れ流しているものだった

「あばばばばばばばばばばばばばばばば。な…なんで!!このアカウントはリア友にもネッ友にも秘密にしているやつなのに!!」

「たまたまこのアカウントを見つけて…渡来さんのものだってわかったの。」

「どうやって!!」

「ちょっとした裏技で。」

絶対ハッキングしてるだろ

真田さんが天才ハッカーだってわかってるんだからね

「そんなことはどうでもいいじゃない。私と語りましょうよ。私の部屋に招待するわよ。」

「忙しいからまたの機会に…」

「忙しい?これからの予定は何があるの?」

「えっと…勉強とか?」

「勉強なら私とやりましょうよ。私は学年二位の実力を持っているのよ。渡来さんには何でも教えてあげれるわ。」

「いえいえ。真田さんの貴重な時間を割いて教わるなんて出来ませんから。」

「私は渡来さんと親しくなりたいと思っているのよ。ねぇ。少しでいいから私のお部屋で話しましょうよ。」

相手の意図がわからない

ここで断っても私と話をするまでは声を掛け続けられる可能性ご高い

それなら今、部屋へ行ってさっさと問題を解決した方がいいのかもしれない

「わかった。」

私は覚悟を決めて真田さんの部屋へと行く

真田さんは九条さんと同室だけど、九条さんはまだ生徒会の仕事で学校にあるようだった

「渡来さんに見せたいものがあるの。」

と私にiPadを見せてきた

そこには『名探偵マナト』の人気キャラである鈴沢裕人のイラストだった

鈴沢裕人は警察官であり、名探偵マナトと共に事件解決していく相棒枠として大人気キャラだ

そして私の推しでもある

目の前の鈴沢裕人のイラストはかなりクオリティが高くかっこよく描かれていた

これほどの実力なら私は絶対に把握しているはずなのに

誰が描いたイラストなんだ?

「すっごくカッコいい…これって誰が絵師なの?」

「私が描いたのよ。」

「え!?」

「渡来さんには程遠いけれど私も愛情込めて10時間かけて描いたの。どうかな?」

「いや…すごい…真田さんってイラスト何年ぐらいやってるの?」

「一週間前ぐらい。」

「一週間!?」

なんてことだ

期待のルーキーすぎる

頭がいいとイラストも神なのか?

「すごいよ!1週間でこんなに描けちゃうなら私なんてあっという間に抜かされちゃうよ!」

「いやいや。私なんてまだまだで…よかったらイラストも教えてほしいな。」

「もちろんよ!!」

私はイラストの描き方を真田さんに教えた

基本的な使い方は知っていたようだが、応用して使用する方法を教えた

飲み込みが早くて教え甲斐がある

真田さんのイラストは私が教えた30分ぐらいで驚くほど成長した

「やっばい!真田さん天才!!絶対ポストした方がいいよ!神絵師としてバズるよ!!」

「まだまだクオリティが低くて…SNSに上がるのはまだちょっと…」

「いやいやいや!これだけ描けたら十分すぎるよ!!私も真田さんのファンになっちゃった!」

「本当?ありがとう。」

「真田さんこれからもイラスト続けるつまりなら漫画研究部に一緒に入る?今、部活入ってないでしょう?」

「そうね…入ってみようかしら。」

「部室はアナログで描くペンや紙もあるからね!ぜひ部室でイラスト描いてみてよ!」

「いいの?」

「もちろん!」

「嬉しい…ありがとう…」

少し照れながら真田さんは笑った

「明日は部活動野日だから放課後部室に来てね!歓迎するわ!じゃあそろそら自分の部屋に帰ろうかな…」

「ね。怪盗マジカルってどう思う?」

「質問の意図がよくわかないけれども。飽きたならやめたらいいんじゃないでしょうか。」

「私が怪盗マジカルだって知ってるんだ。」

「まぁね。でも誰にも言うつもりはないわよ。だから安心してね。」

「そんな言葉信じろと?」

「何?じゃあ契約でもする?」

「いや…いい。」

「あんまり九条さんの恋心を揺さぶって遊ばないであげてよね。」

「そんなつもりはないよ。」

「うそつけー。恋心につけこんでやりたい放題この世に復讐してるくせに。」

「渡来さんも私の元で遊ばない?楽しいわよ。」

「結構です。悪の片棒なんて担ぎたくないわ。」

「残念。じゃあここで死んでもらおうかしら。」

真田さんは怪盗マジカルの傘を取り出して傘から催眠スプレーを噴射させた

私は催眠スプレーを吸い込み眠ってしまった


目を覚ますと私はベッドに拘束されていた

バカすぎる

明らかに罠だったのにホイホイ部屋に入り込んで

イラストに夢中になって気が緩くなってしまった

「おはよう。渡来さん。」

「私は『名探偵マナト』を語りにきたはずなのに何で拘束されているのかしら?」

「私の元で働け。断れば渡来さんの家族を冤罪に仕立てあげて牢屋行きにする。」

「そんな脅しに私が屈するとでも?腐っても警察官の娘よ。」

「家族より大事なものなんてないだろう?家族を崩壊させるなんて私にとっては造作もないこと。大人しく言うことを聞け。」

「何故私を働かせたいの?」

「渡来さんは思ったよりも優秀だったからね。私は復讐するためなら手段を選ばないんだよ。」

「そうよ。私は優秀なの。だから真田さん程度の下で働くなんて絶対に嫌よ。」

「私が無能だと言っているの?無花果高等学校でも上位成績で、天才ハッカーの私に?」

「ええ。私を従わせるには全然足りないわ。私の元で真田さんが働くなら働いてもいいわよ。」

「…フッ。アハハハハハハハハハハ!!私を下っ端にするの?」

「そうよ。私の元で働くなら怪盗マジカルよりも立派な大悪党としてこの世の全てを復讐させてあげるわよ。」

「フフッ。それはそれは。楽しそうだね。たまには下っ端にでもなろうかな。」

「そうそう。そろそろ飽きてきたでしょう?私の言うことを聞きなさい。」

「わかった。渡来このみの下で働こう。せいぜい楽しませてくれよ。」

「よろしい。じゃあこの拘束具を外しなさい。」

真田さんは拘束具を外してくれた

「よし。じゃあ明日は部活動に来なさい。わかったわね。」

「はあ?イラストなんてあんたを貶める為にやっただけよ。漫画研究部なんて入るわけ…」

「上司の命令を聞かないの?」

「漫画研究部が復讐に役に立つのか?」

「イラストは自由なのよ。イラストでこの世にくだらない世界だと発信することが復讐の第一歩なの。」

「イラストなんかでそんなこと出来ないわ。」

「それは真田さんのイラストが下手だからじゃないの?」

「…。」

「明日部室集合ね。逃げたら復讐なんてやめた腰抜けとして真田さんのことを認識するから。」

と私は告げて部屋を出た

意外と効きやすくて単純な人だったな

少し煽っただけでムキになってた

子供にはイラストでも描かせて真人間になるように教育しなくてはね


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