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第26話 親子愛

俺は謎の金髪美少女の牙で噛まれた腕を治療する為に医務室へと向かう

「うう…渡来さんすみません…俺…何も出来なくて…」

と俺を支えて医務室に向かう後輩の坂下君が言う

「何言ってんだ。俺を今助けてくれてるだろうが。」

「でも…さっきの化け物が恐ろしくて体が動きませんでした。俺は警察失格です。」

「あんな化け物急に現れたら当たり前だ。今回は俺が無鉄砲すぎた。褒められた護衛のやり方じゃないからな。」

「でも市民を守る為に咄嗟に体で守れる渡来さんは本当に凄いです。」

「絶対真似すんなよ。」

「真似はしないですけど…尊敬はします。」

「ハハッ。ありがとう。坂下君が後輩でよかったよ。」

医務室に到着し、俺はお医者の先生から腕を止血されて治療して頂いた

「すみません。ありがとうございました。」

俺は先生にお礼を言って去ろうとすると

「得体の知れない化け物から噛まれたんだ。毒のようなものがあるかもしれない。安静に。ここのベッドで寝なさい。」

と先生に言われる

「いや…毒のような症状はないですし、元気なので…」

と言うと

「寝なさい。」

と食い気味に言われてしまった

会場はパニック状態で警察官も1人でもいた方がいいのに…

坂下君は仕事の連絡で電話をしている

坂下君の電話が終わり

「どうだ?会場の状況は。」

「一般客は避難が完了しており、今は落ち着いているようです。1番警戒するべき金髪美少女の情報が入りました。金髪美少女は桜田瑠衣君のファンで2人で共に過ごすことが目的だそうです。」

「まぁそうだろうな。」

「桜田瑠衣君本人からマネージャーに連絡があったようです。金髪美少女に刺激を与えると殺される可能性がある。豪華客船が陸地に着くまでは誰も俺達に関わらないで欲しい。桜田瑠衣君と過ごすだけなら大人しくしてくれるからだそうです。」

「一般市民に助けてもらうなんて情けないな。」

「桜田君の勇気ある行動に感謝ですね。」

「邪魔しようとすると殺されるから何もするなってことか…本当に桜田君は大丈夫なのか。」

「桜田瑠衣君のファンみたいなので桜田君に危害を加えることは考えにくいかと。」

桜田君も得体の知れない生き物と一緒に行動するのはこわいだろうに…

桜田君には感謝しかない

「では俺は会場に戻りますので。渡来さんはここでゆっくり休んでください。」

「俺ももう戻りたいんだけどな。」

「ダメですよ!こっちは大丈夫ですから。ちゃんと休んでください!」

そう言って坂下君は会場に戻って行った

俺はこんなところで寝ているだけなんて情けない

しかし医師の先生の指示を無視するわけにはいかないからな…

俺は指示通りにベッドで横になる

横になって20分後ぐらいすると

「パパ!!」

と最愛の娘が来た

「このみ。こんなところに居ては危ない。一般市民は避難場所に行かなくては。」

「パパが心配で…」

「俺は大丈夫だよ。ありがとう。このみ。さぁ早く避難するんだ。」

「本当に?噛まれたんでしょう?」

「大丈夫だよ。もう止血したし、痺れの症状もない。医師の指示で安静にしているけれど、本当はもう動いても平気だ。」

「よかった…!パパ!私ね。パパを噛んだ人の正体がわかったのよ!」

「このみ!また無茶をしたな!!」

「大丈夫よ。遠くから見て知っただけだから!」

「危ない人物に近づいてはダメだ!!」

「ごめんなさい…パパの役に立ちたくて…」

「このみはそんなことしなくてもいいんだ!!警察の仕事なんだから!!」

「でもせっかく正体がわかったから!」

「…何者なんだ?」

「人魚だよ。」

「人魚?」

「うん。この目で見たの。下半身がヒレに変身して人魚の姿になったの!!」

「人魚か…不老不死なのかもしれないな。それなら攻撃しても死なないかもしれない。もっと別の方法で捕獲しなくては。教えてくれてありがとうこのみ。」

「うん!」

「ここは危ないから早く避難しなさい。これ以上は絶対に無茶な行動してはいけないよ。」

「1番無茶な行動してるのパパじゃない!得体の知れない化け物相手に飛び出して噛まれるなんて…!!」

「噛まれただけだよ。」

「死ぬような毒があったらどうすんのよ!バカ!!無茶しすぎ!!」

「ごめん…」

「もう…パパはヒーローだから仕方ないかもしれないけれど自分のことも大切にしてよね。」

「俺は市民を守ることが仕事なだけだよ。」

「パパほど仕事熱心な人いないわよ。あの状況でパパだけが警備員を体で庇ったんだから。」

「もっと冷静なやり方があったかもしれないのに…情けないところ見せたな。」

「そんなことない。パパが1番かっこいいよ。」

「バカなことを言うな。このみが男を見る目ないから心配だよ。」

「私はさ。たくさんの人を見てきたよ。人間観察は趣味だからね。それでも…やっぱりパパが1番かっこいいと思うよ。」

「はぁ…このみの男の趣味が悪すぎるよ。心配だ…」

俺のような情けない冴えないおっさんを1番かっこいいなんてこのみは言う

内心嬉しくは思うけど、このみの将来が心配だ

俺のような冴えない男じゃなくて、稼げるかっこいいいい男と恋をして欲しい

いや…まだ早いか?

でも適齢期になって恋愛経験がない方がダメなんじゃないか?

このみが幸せになってくれれば

俺は他に何も望まない



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