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第21話 おっさんズ

「あーーー。つまんねーーーー。」

革命家グループに監禁されているから外で何が起きているか全くわからない

時々わーきゃーと騒ぐ声がするのをこの監禁部屋で指を咥えて聞いているだけだ

同接もどんどん落ちていっている

当然だ。おっさん達の監禁部屋で麻雀の話で盛り上がっていただけだから

選ばれし10人のおっさん達は自分達に害を加えないと宣言されて安全だとわかると普通に雑談して過ごしていた

ただのおっさん達のおもんない雑談部屋だ

秘宝ネメシスや、怪盗マジカルを目当てに配信をみんな見に来てくれたのに

俺の配信が監禁部屋の安全をお知らせするためだけに使われるなんてひどすぎる

世界一面白い配信になるはずだったのに!!!

「もういいじゃん!怪盗マジカルは助けに来ないって!!早く解放しろよ!!」

と俺はリーダーである橘直人に言う

「怪盗マジカルは元々優しい女の子だったんだ。必ず助けに来る。」

「橘さんは怪盗マジカルの正体を知っているの?」

「確証はない。俺のただの推測でしかない。」

「それってさー。ただ怪盗マジカルに夢見ちゃってるだけじゃないの?自分の知り合いなら嬉しいみたいな。」

「そうだな。俺の推測が当たってて、再び会えたらいいなと思っているよ。」

「いやいやいや…絶対別人だって。そんな夢物語に俺達おっさん10人を巻き込まないでくれる?」

「でも俺が知っている女の子がやりそうなことなんだ。こんなに大胆な怪盗なんて悪行を平然として実行するなんてこの世界であの子だけだと思う。」

「橘さん。世界は広いんですよ?ドッペルゲンガーは3人ぐらいいるっていいますし、似たような思考の人なんてたくさんいますって。」

「それでも怪盗マジカルは世界に1人だけだ。模倣犯も現れたりしていない。」

「まぁ…漫画みたいに鮮やかにお宝を奪うらしいですからね。よっぽどの頭脳と身体能力が高くないと無理ですよ。」

「そうなんだよ…俺の知っている女の子はそんなに身体能力は高くなかったから…」

「じゃあ別人だ!!解散!!解散!!」

「いや!でも!!俺が離れている5年間の間に鍛えて強くなったかもしれないし!!」

「5年前〜?5年前のその女の子は何歳だよ。」

「11歳。」

「5年間1度も会ったことがないのか?」

「そうだ。」

「それで?5年前に親しかった11歳の女の子が怪盗マジカルかもしれないって?」

「そうだ。」

「はいはい解散!解散!!なんだそれ!!5年前!?11歳!?もう別人だから!!思考も何もかも変わってるよ!!」

「いや…思考は変わっていないよ。絶対に。」

「小学生の女の子の考えなんて高校生なったら別人だろ。」

「変わってない。あの子はこの世界を恨んで憎んでいる。絶対に。」

「ちょっと…俺の配信はポップで楽しい配信なんだ。闇の深い話をいきなりぶっ込まないでくれる?」

「すまない…」

「その子と連絡取れないの?」

「取れない。縁を切られたからな。」

「なんで?」

「俺が犯罪者になったから。」

「あぁ…そりゃ11歳の女の子には悪影響だな。」

「必死に探したけれど見つからない。だから俺はどうしても会いたいんだ。」

「会ってどうするの?」

「もう一度やり直そうと言うよ。恨んだら憎んだりすることはやめて一からまた俺とやり直そうと。」

「それは立派だとは思うけど…俺達が餌で怪盗マジカルが食いつくわけなくね?」

「そんなことはない。怪盗マジカルはおっさんだからといって命を軽くみる女の子ではない。」

「怪盗マジカルに夢見過ぎだろ…ただの悪党だぞ。」

「怪盗マジカルはただの悪党ではない!俺達と同じ革命家であり、世の中の悪を殲滅する同じ志を持った同士だ!!」

「お宝を奪って世間を騒がすことが好きなだけのお茶目な女の子だと思うけど。」

「お茶目なイタズラで犯罪に手を染めるわけないだろうが!!」

「まぁ…それもそうか。」

でも悪を滅ぼす為にやってるわけでもないと思うけどなぁ

「直人さん!!怪盗マジカルが会場に現れたようです!!」

と革命家の下っ端が連絡しに来た

「なんだと!?」

「あっという間に秘宝ネメシスを奪って逃げたようです。」

「え…」

「どうします?この人質達…」

「…。」

橘直人は黙ってしまった

「ほらみろ!俺達人質なんてなんの価値もなかったじゃねぇか!!」

と俺が言う

「秘宝ネメシスを奪った後にこっちに来るかもしれない。」

「いやいやいや!すぐに逃げるに決まってるだろ!!秘宝ネメシス持って人質助けになんて来るわけないだろうが!!」

「あの子ならする!!」

ダメだこりゃ

怪盗マジカルというか昔の知り合いの女の子の方に執着している

この世を恨んで憎んでいる女の子を救いたいという志は素晴らしいけれど

俺達おっさんズを巻き込まないでくれよ

「どうしても…会いたいんだ…まだ少し…待ってくれないか。」

弱々しく橘が言うので諦めて待つしかない

なんだか俺がいじめてるみたいじゃないか

監禁されている側なのに

納得いかないなぁ

「はぁ…もう少しだけですからね。」

「ありがとう。」

「その女の子が幸せになれるといいですね。」

「ああ。怪盗マジカルを止められるのは俺だけだ。絶対に目を醒させて改心させてみせるよ。」

橘さんのネメシスに対する熱い思いはわかったけれど

俺のリスナーと俺が求めているのは怪盗マジカルと秘宝ネメシスの行方なんだけど…

“え?もしかしてもう怪盗マジカルが秘宝ネメシス奪って逃げたから終わり?”

“おっさん部屋に閉じこらられて終わったな”

“胸糞バッドエンド”

とコメント欄は荒れ始めている

ここから怪盗マジカルが救出に来てくれたら

俺の配信も大盛り上がりするから嬉しいんだけどなぁ

「怪盗マジカルさん…お願いしますから助けてください!!」

俺と俺の配信の為に

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