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第20話 悲願成就

私はルイ君から最重要アイテムである秘宝ネメシスを託されてしまった

こんな最重要アイテムを持つなんて恐ろしすぎる

物語の役者に引き摺り出されてしまう

そんなの絶対にごめんだ

目立つことをするということは

人から注目を集めてしまうということは

大勢の人間から批評をされるということだ

この世は数が正義であり

大多数の意見こそが正しいことだと仕立て上げられてしまう

私のようなマイノリティで楽しんでいるタイプなんて大多数の人の理解を得られるわけがない

BLやGLが好きでイラストを描いているなんて大多数の人間は気味が悪いと思うに決まっている

私の趣味が大多数の理解を得られるなんて思っていない

だから細々とすみっこで目立たないように生きているのに

誰の目にも止まらないように

賞賛されることもなく、非難されることもない

1人の世界で自分の楽しいと思うことを楽しむ

それが心地よくて最高なのに

こんな…大注目アイテム秘宝ネメシスを所有してしまっている

一刻も早く手放したい

私は早足で警察のパパの元へと向かう

【なぁ。今の西暦は何年だ?】

「2026年です。」

【おぉ。私が発見されるまで200年程かかっているな。】

「そんなにずっと隠されてて暇じゃない?」

【暇だよ。でももう慣れたわ。長年眠り続けることが当たり前になっているからな。】

何故か秘宝ネメシスと雑談をしている

秘宝ネメシスは話せるだけの石だと思っているようで

預言出来る力を持っていないと思っているようだ

「秘宝ネメシスは預言出来る石として語り継がれていますよ。何か心当たりはありませんか?」

【あー…話せる石ってだけで、人々がオーバーに崇め称えられていたからな…なんとなく喜びそうなことをそれっぽく言っていたよ。】

「例えば?」

【空が紅く染める時、生まれし者がこの世に幸福をもたらすだろう。とか。】

「空気を読んで預言していたと。」

【まぁ…そうだ。】

「もうやめた方がいいんじゃないですか?変な期待に応えるから変なことに巻き込まれて隠される羽目になるんですよ。」

【そうだな。このみを主にしてこのみとお話ししながらこのみの生涯を見届けようと思うよ。】

「冗談でもそんな恐ろしいことを言わないで…」

【冗談ではない。秘宝ネメシスに普通に話してくれた人間はこのみが初めてだ。私はこのみが所有者になって欲しい!】

「だめだめ。貴方は高価な物で、たくさんの人に狙われているの。私が待てるわけない。今の所有者の五十嵐さんに返さなくちゃ。」

【えー。私、あいつ好きじゃない。私のことを用済みだからもういらないとか言ってたし。捨てたれたんだ!私は!!】

「じゃあ鉱物学者のイケメン君に所有者になって貰ったら?たくさん話してくれるわよ。きっと。」

【私を崇める者は嫌だ。】

「我儘だなぁ。」

【喋る石だって穏やかな余生を過ごしたいと思っていいだろう!?】

「どうしていつも隠されたの?」

【災害や事故が起こったら私のせいにされた。祟りだとか危険な石だとか言われて隠された、】

「本当に何もしてないの?」

【してない!悪いことが起こるとすぐに人は私のせいにする。濡れ衣だ。私は何もしてないのに。】

うーん…判断材料が少ないからなんとも言えないけど

秘宝ネメシスに預言出来る力はあるんじゃないかな

それには代償が伴っていて

預言の力を使うと天変地異の力で所有者が酷い目に遭うとか

「預言は引退することをおすすめするわ。穏やかな余生を過ごしたいならね。」

【このみが所有者になってくれよ〜。】

「私じゃなくても大丈夫だよ。秘宝ネメシスのお話し相手になりたい人なんていっぱいいると思うし。」

【いないよ。長年秘宝ネメシスをやっているが、普通に接してくれたのはこのみだけだ。】

「ふーん。喋る石ってだけなのにねぇ。変なの。」

【たぶんだけど、このみが変な奴だと思うよ。】

「失礼ね。私はごくごく普通の女子高生よ。」

【私は失礼なことなんて言ってない。褒めている。私は普通とは違う変わったこのみが好きだよ。】

「フフッ。それはどうもありがとう。」

パパの元へと早足で歩いていると

廊下で五十嵐承太郎を見つけた

「あ!ネメシス!貴方のご主人様見つけたわよ!」

【嫌だ!!私はこのみがいい!!!】

「少しの間お話し出来て楽しかったわよ。」

【嫌だ!嫌だ!嫌だ!!!私はこのみと余生を過ごしたい!!!】

と秘宝ネメシスは駄々をこねているが私は五十嵐さんに秘宝ネメシスを返却しようと近づく

すると私よりも早く走って五十嵐さんに突進している人がいた

「五十嵐さん!!!」

と勢いよく走って五十嵐さんに話しかけていたのは鉱物学者のイケメン君だった

「なんでしょうか。」

と五十嵐さんが答える

「何か!願いはありませんか!!私が命を懸けて叶えてみせます!!」

「…は?…え?」

「なんでもです!なんでも叶えますから!!」

「えっと…私は自分で叶えられる権力も財力もありますので…」

「権力と財力で手に入らないものだってあるでしょう!?」

「いや…その…」

「愛とか!!」

「恋とか…?」

「五十嵐さんも恋をお望みなのですか!!!」

「う……」

「そんなんですね!!」

「それは…その…」

「俺が五十嵐さんの恋人になります!!」

「え…え!?」

鉱物学者は五十嵐さんの胸ぐらを掴んで


五十嵐さんの唇にキスをした


五十嵐さん顔が紅潮して照れ顔でまんざらでもない様子だ

「五十嵐さんの願いを叶えます。だから…俺の願いも叶えてくださいね…?」

と鉱物学者のイケメン君は甘い空気で口説いている


「あ…あ…あ…」

【どうした?このみ?】

「ピャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

と発狂して倒れてしまった

ずっと夢を見ていた生BLをこんなに完成度高い男2人で拝めるなんて

尊死

幸せな気持ちで私は廊下に興奮が抑えられなくて発狂して倒れてしまった

走馬灯のように2人のBLの妄想が頭を駆け巡る

あああ…動悸が止まらない

このまま死ぬかもしれない

「インテリ系の攻め様によって、プライドの高い資産家の受けが攻めの前だけでは素直になってプライドがなくなりだんだんと可愛くなっていく…!!インテリ攻め様は自分色に染めれた受けを始めはそんなに興味なかったのに、可愛くて思えてきてどんどん執着愛になって受けを囲い出す!!」

興奮してそのまま早口で妄想を口走ってしまっている

あああ…!!

生BLを妄想するのは御法度なのに!!

口に出して言うなんて死刑なのに!!

止まらない!!!

止まらない!!!!

【やっぱりこのみは普通じゃなくて、ものすごい変人だと私は思うよ。】

と呆れた秘宝ネメシスの声がした



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