↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕落聖女と変態魔王  作者: 竹輪
〜勇者編〜
50/117

28、誤解



「勇者さま、わたくし......魔法が、使えなくなってしまいました」



その瞳に輝く天の川は無い。

あるのはどこまでも続く絶望の色。

ゆらゆらと揺れて、縋るようにルークを見ていた。



「落ち着いて、サラ」


「わた....どう、どうしたら」


「大丈夫だから」


「これではなにも......出来損ないに、また......やっと......っ!」


「サラ」



震える身体を抱きしめる。

外見よりもずっと華奢で折れてしまいそうな身体を、包むようにそっと覆った。



「大丈夫、大丈夫だから」



己の胸に顔を誘導し、視界を遮る。雑念を入れないために耳元に口を寄せて、ゆっくりと背中を摩る。



「呼吸を合わせて。ほら鼻から吸って、そう、次は口から吐いて」



1、2、3と、呼吸を合わせる。

何度かそれを繰り返すと、荒い呼吸が落ち着いていく。



「落ち着いた?」


「.......」



銀色のつむじは言葉の代わりに、ルークの服を握りしめてきた。

うーん、まだダメなようだ。

まずは誤解を解くとしよう。



「サラ、よく聞いてね。実は俺も魔法が使えない」


「ーーっ!?」


「一部だけど効果が現れなかった。たぶんだけど、土地の影響だと思う」


「ほ、本当ですの....?」


「うん。風魔法は使えたけど、回復魔法は使えなかった。それから回復薬もね」



飲ませたけど効果が出なかった。

すでに事切れた男に視線を動かすと、つむじが同じ方向に動いた。



「で、では」


「おそらく、ここでは光魔法が使えないんだと思うよ。ほら、見てて」



手の平に火を灯す。成功だ。

続いて手の平についた傷に回復魔法をかける。失敗だ。やはり、傷は治らない。

実演してみれば、穴が空きそうなほどサラは凝視していた。おそるおそるルークの傷に指を這わすと、人差し指に付いた血を眺めた。



「納得できた?」


「........わたくしだけではない?」


「うん、サラだけじゃないよ」


「勇者様もここでは魔法が使えない」


「そうだね」


「土地の影響....で、この気持ち悪い魔力の影響で、わたくしが未熟だからではなくて」


「うん」



気持ち悪い魔力ってなんだろう。



「よっ」


「よ?」


「よ、よ“が“っ“た“あ“あ“ぁ“ぁ“......!わだぐじ、わだぐじてっきりもうだめかと.....うゔっゔぅゔ!」


「お、おう!?」



わーん、と子どものように泣きじゃくるサラ。

おちおちと背中を摩ってやるが、今度は泣き止みそうにない。

魔法が使えないだけで、ここまで不安定になるなんてどんな教育してるだ。

ルークは王宮教育の闇をひしひしと感じながら、アルトたちが戻るまで大号泣する小さな背中をあやし続けた。



「ゆ“う“じ“ゃ“ざ“ま“ぁ“あ“あ“!」


「はぁーいはいはい」


「も“っ“ど“や“ざ“じ“ぃ“く“ぅ“う“!!」


「はいはいはい」


「びぇぇぇえええええんんん!」









いいね、ブックマークいつもありがとうございます!

初めての方は、ぜひポチッとしていって下さいね!


続きは午後に投稿します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。